小1にして人をもてあそぶ。

なにものでもない。

第1話 クラス中を混乱させる悪魔。

今でも思う、なんであんなことをしてしまったのかを。

とにかくふと思い出して、ごめんと思う。


あれは私が東京で小学生一年生の時、別にクラスで浮いていたわけじゃない。どちらかというとなじんでいた。幼稚園も同じだったのも何人もいたし、

確か二学期の終わり、私は授業が終わってから皆が掃除をしているときにふと、

チョークをもってから、「○○の馬鹿」と書いたのだ。


それは自分の名前だった。なんで?なんで書いたの?それを見ていたのもいたかもしれない、だけど、結果は次の日の朝のホームルームから悲劇だった。


「誰が書いたのか早く言いなさい!じゃないと授業始めないよ!」

若い女性の先生は怒っていた。当然私が書いたことによる混乱である。


しかし、誰も言えない。なぜなら書いたのは本人だから。結局授業は始まったが先生はずっと不機嫌だった。給食時間も、帰りのホームルームも。


それでも私は名乗り出なかった。なぜならばその雰囲気が楽しかったからだ。


きっと見ていたものがいなかったのであろう、結局その書き込みは誰も名乗り出ないまま時だけが過ぎていった。


そして私が小学三年生の時に埼玉に転校する際に、言うべきか少し考えたがやはり言わなかった。その時のクラスメートは一年生の時とは当然別、覚えているものもいないと感じたし、言わないまま転校していった。


それから埼玉で小学五年まで過ごしてさらに引っ越すことになり、皆と悲しい別れをしたがあの事は忘れていた。


周囲にそのことを知るものは当たり前だがいるわけがないし、それよりもキン肉マンの筋ケシが流行っていたからそれに夢中だった。


ファミコンも出てきて、ファミコン仲間、セガ仲間(お父さんがセガに勤めている者中心)とか出てきていてゲームが子供たちの娯楽の中心になり始める勃興の時であった。


私は初めて親におねだりをしてファミコンを買ってもらい、人の家ではセガのマークⅡとか、初期のピンポンゲームとかを楽しんでいた。


それから何十年もたって、初めて通った小学校の同学年と偶然にも東京で再会してふと、あの落書きのことを思い出して、

「あれ、実は俺だったんだ。ごめんね。」

ついに言った、そしたら、

「え?マジ?そりゃわかんないよ、だってうちらが二年生になってもあの時の先生はずっと犯人捜ししてたよ、悪い奴だなあ。」

それから差しさわりないことを話して別れたが、

先生が、

「教室の悪魔は見つけてみせる!」

と息巻いていたのを知り、空に向かってごめんなさいと呟いた。


すいません、生まれながらの性悪です。中学でも高校でも色々やらかしますがそれはまた別の機会に・・・。

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小1にして人をもてあそぶ。 なにものでもない。 @kikiuzake001

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