第4話 明地さんの原稿は
先生はイヤな気分で、明地さんの原稿を読むのを待った。「ちゃんとしているだろう」という期待と、「あんな態度だから真剣じゃないかもしれない」という期待外れな心が先生の心で混ぜ合う。
「はい、私はこの3人と早乙女さんをいじめました。そして…」
明地が原稿を読み始めた。ちゃんとしていた。はずだったのが、
「でも私は悪くありません。あの3人が100%悪いです。あの3人がいじめようと企画してきたのです。私には関係ないので、これで失礼します」
と、最後はひどい言葉があった。先生は「はあ…」とため息を吐く。
「ええ?ひどい!」
「最初は明地さんがいじめようと企画してきて始めたのに…」
「裏切り者だ…」
3人が次々に言う。3人が、最も明地さんの言葉に絶望していたようだった。
「これで出られると思っているの?ちゃんとしなさい。こんな態度じゃあ、あなたの親も呼びます。」
先生は、キッチリとした態度で強く言う。これは流石に明地さんもヤバいと感じ、
「わ、分かりました。変えます。親は呼ばないで」
と反論した。
「早乙女さんは………自分で勝手に自殺したんだ………なのに私たちに罪を着せられて……3人は悔しくないのね…」
それでも明地さんはブツブツ言っていた。先生は、
「はーい、1時間目を始めまーす」
と、明るい雰囲気でいつも通りに授業を始めた。
「はあ…何で…」
まだ明地さんはブツブツ言っていた。明地さんは、原稿を直すのか?!
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