第2話 「死ぬまで反省しなさい」
「自殺とは、とても苦しい行為です。イジメで自殺する人も、います。なので皆さんにはそんなことがないように生きてほしいです。自殺をさせてしまうのも、自殺をしてしまうのも、避けてほしいです。今回の事件は、あなたたちによって作られたものですよね?笹川さん、雲田さん、佐田さんと明地さん。」
「……はい、そうです。私たちが自殺に追い込みました…とても反省しています。まさか自殺するとは思いませんでした。」
笹川さん、雲田さん、佐田さん、明地さんという子たちは、下を向いた。それでも先生は厳しい目つきと厳しい口調で4人を見つめた。
「反省していても、命は戻らないんです。よくあることですけど、「ごめんなさいで済めば警察はいらない」んです。そこはきちんと理解してください。本当はそれぞれの親も呼び出して調査をするのですが、この学校はそれができません。なので早乙女さんのお母さんを呼び出すつもりです。」
「そんな…。」
笹川さんは下を向きながら呟いた。
「なので、各自それぞれ事の経緯を原稿として書いてきてください。早乙女さんのお母さんは、さぞ娘のことを大切にしていましたからね。絶対に怒りと悲しみがあるはずです。」
「はい、分かりました…。」
佐田さんは暗い目つきで言う。
「では、原稿を書いてきてください。しかしそれと命は価値が全然違うので、出来上がった原稿をクラスの子たちの前で読んでください。」
「え、イヤです、先生!」
ハキハキとした声で明地さんは反論した。先生は明地さんをにらみつける。
「早乙女さんはあなたたちに命を奪われたんですよ。あなたたちがいじめというものをしたせいで、自分から命を絶ってしまったのです。あなたたちが殺したも当然でしょう。」
「何でですか?何でそんなことしなければいけないんですか!?」
明地さんは更に大きな声で言い返した。
「反省を次回にやらないということをしっかり教育しておくためです。謝って終わり、なんて楽じゃないですか。お母さんは早乙女さんを産んだんですよ!命をかけて!それなのに明地さんは反省もしないというのですか?じゃあ私があなたを殺しても私を恨まないということですね?」
「いや、先生が私を殺したら普通に逮捕じゃないですか。」
明地さんは反省も全くしていないようだった。先生は明地さんを説得することはできるのか?それと、原稿を読ませることができるのか?
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