つさじの心

星尾月夜

第1話 転校生

「こんにちは。初めまして、早乙女優雷です。よろしくお願いします。」

はやぶさ小学校5年3組に、転校生がやってきた。ハキハキとした声で言ったその転校生は、長い髪の毛が特徴的で、笑顔が可愛い子だ。女子力が高めで、キラキラのオーラを放っている。自己紹介タイムの時間が終わると、クラスのみんなが転校生の机に集まってきた。

「ねえ、どこからきたの?」

「誕生日いつ?」

など、いろいろな質問が転校生に聞かれた。

「えっと…元子氏小学校から来ました。誕生日は3月3日です。」

「えー!元子氏小学校から来たの?!えー、天才じゃん!」

クラスの1人が騒ぎだした。

「え、聞いたことあるの?」

クラスの子が言った。

「え、知らないの?!県で1番頭がいい学校だよ!試験で満点を取れた人しか入学できないの!」

「えー!すごくない?」

「じゃあ、何でこんな学校にきたのー?」

クラスの1番明るい声の子が言った。

「えっと、お母さんの事情で…私、帰国子女で………」

「えー!すっご〜頭もいい上に可愛いし帰国子女だなんて〜!」

みんなが転校生のことを褒めまくる。そのことが、あることにつながっていったのだった。

「おはよ〜!」

転校生の子が転校して3週間くらい経った頃だろうか。朝、転校生の子は下駄箱で、上履きを取る。

「あれ?」

その奥には、何かの紙が挟まっていた。

「マジムカつく。お世辞言ったらすぐに舞い上がって。自分から帰国子女って言うなんて、自慢。自慢を言う人なんて嫌い」

と書いてあった。

「そんな………私、そう思われてたんだ…」

転校生は、かなりのダメージを受けた。

「しかも、あれお世辞だったんだ…。私、なんでこんなにイジメられるの…?」

転校生はつぶやいた。学校が終わった後、転校生は崖のある森にふらふらと吸い込まれるように入っていった。

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