第12話 プラムと、プラムのクラス分け

入学式の日から少し経って、今日は十二月二十日。


一月一日から学園の授業開始である。



、、っとその前に、、、クラス分けだな



トリーカン王国立学園。王国立というだけあって、その校門は国内最大級。


見るものを圧倒し、入らざる者から学園を守る壁の役割も担う。


そんな巨大な壁に、またもや巨大な紙が四枚。


クラス分けを掲示する紙である。



、、えっと、、、僕は、、、フィジスだ!



この学園では、各クラス十五人の内進生と、各クラス二十五人の編入生が割振られる。


クラス分けは、入学試験、威力試験の総合成績によってどのクラスでも平均して同程度の戦力となるように分配される。


これは後の、クラス対抗戦のためである。


もちろん、クラスごとに特色があり、


プラムのクラス、フィジスは、身体能力が優れているタイプの人間。


インタルは頭脳タイプ、


ハブズは魔力量が多く、


バルランはそれぞれの突出した才能には劣るが、オールラウンダーなタイプ。


また、生徒には自分に合った授業を自由に選ぶことのできる枠が与えられ、クラス間の切磋琢磨を促す。


ただし、プラムを除く。


エリス・フィストルの身体強化魔法の授業で埋まるからだ。






プラムは現在、内進生の一人に連れられ、クラスへと向かっていた。



「ここがフィジスの教室です、中へどうぞ。」



中に入ると、一気にプラムに向けて視線が注がれる。



、、あれ、、、なんかすごい注目されている、、、?


僕なにかやらかしたっけか。


そういえば、入学試験の時、臭かったような、、、




プラムへと注がれる、恐ろしき怪物に出会ってしまったような目。



その中の誰かが、



「あの、噂の音魔法使える人ですか、、、?」


「?そうだけど?」



と答えようとして踏みとどまる。



、、ふう、危ない危ない。容易く音魔法だと答えては、僕が神様から与えられた魔法が音魔法だと思われてしまう。


ここは先生の言われた通りに、、、


「いや?僕が神様から頂いた魔法は身体強化魔法だけど?」



ざわざわ、、、


、、、あいつ音魔法使いじゃないのかよ、、、


、、、なのにあの威力やばくね、、、


、、、まさかダブルか?、、、



「あっあっありがとね!プラム君!これからどうぞよろしく、、、!」




、、一番最初に話してくれたのが、オルト・サラウズ君。


この教室まで案内してくれた内進生の人が、ラウル・カルマド君。


それぞれ音魔法と回転魔法だそうだ。


オルト君は僕が音魔法仲間だと思って声をかけてくれたらしい。


でも僕のは杖から教えて貰った魔法だからね。きっとラウル君には及ばないだろう。




ギィィ、、、


教壇の横のドアが開き、エリス先生が入ってくる。


「ほらー座れー」



、、わあ、なんたる偶然。


まさか昨日会った美人先生が担任だなんて。




「私がフィジスの担任のフィストルだ。これからよろしく。」


「今から、自由選択授業を選んでもらう。」



そう言って配られたのは、一枚の紙。だがそれはただの紙でなく、



、、わあ、、、目の前に突然「エリス・フィストルの身体強化魔法!」の文字が。


とりあえず押してみるか。




すると文字が変化し、「選択が完了しました」に。



、、あの教師、、、!本気で僕にあの魔法を教える気だ、、、!




思わず嬉しくなるプラムであった。


ただ、もう二人受ける人がいることを、まだ誰も知らない。

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