第7話 失われた魔鉄の剣、、、

プラムは既にぐっすりである。この時、もぞもぞしていたプラムの杖は、お腹が減っていた。お腹が減ると言っても、人間と同じではない。この杖が食べるのは魔力のある非生物である。



プラムはこの時、夢を見ていた。


「ねーねープラム君!」


こいつは誰だ?僕になんの用だ?


「我は汝の血を求む!」


いいから寝かせてくれ。


「じゃあ魔鉄もちょうだい!」


うんいいから寝かせてくれよ

筋肉にはタンパク質と睡眠なんだ


「ありがとねー!」




翌朝、昨日買った剣がなくなっていた。


なんか昨日の夜魔鉄の剣がどうとか、、、そうだ夢で誰かが魔鉄が欲しいって言ってたんだっけか、、、



とりあえず起きて探してみる。


「母さーん!探し物の魔法ってなんだっけー!」


昨日の夜懐でもぞもぞしていた可愛いやつを取り出す。そして杖になるように握ると、あら不思議、真っ赤な剣になりました。


「お前か?!!!」


なんか我やらかしちゃった感じ?


「お前夢にも出てきたよなぁ!」


うんその我だよー


「なんで魔鉄剣がなくなってるんだ!」


だって良いよって言ったじゃーん


確かに、、、言ったな。


「いやあれは寝たかったから適当に!」


でも契約済みだよ?プラム君。?


我は汝の血を求むってちゃんと言ったはずだけど?


「契約?」


そう。君は知らないのかい?杖との契約を。我はプラム君の専用の杖になったんだ。だからこうして会話をしてるし、君に期待しているんだ。我を使いこなせそうだからね。聞いた事ない?古の杖ってやつ。


「、、、」


確か、古の杖って、世界に七本しかなかったはずだ。ただ七本あるというだけで、どこにあるかも、どんな見た目かも解らない。


しかし、これだけは言える。あまりに杖が特殊すぎて、現代に使いこなせる人間がいないこと。故に誰も探そうとしない。


「お前の、名前は?」


我、のみ。我の名は我、かな。


「お前の何が特殊なんだ?」


扱うには身体的な力が必要であること。そして魔性の非生物を取り込み再現すること。あとは、、、契約主の想像によって変形できること、かな。


「じゃあ僕の血は?」


契約に必要だっただけだよ


「はぁ〜ぁ」


なんか疲れたな。


「剣として使えるのか?」


もちろん。


なら僕は心配する必要ないか。


そうだね。


「もしかして、、、声に出さなくても会話できる?」


もちろんだ。契約済みだからね。


じゃあ杖に戻ってくれ。


「万物の霊よ、失せ物を表せ。だってー!」


ありがとう母さん。だけどもう済んだよ。

こいつが食っただけだったから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る