第12話 捨てられない思い


パブ◯•ピカ◯。

例えばの話で出した。

だがお姉ちゃんの絵はどちらかというと比較対象が無いが向日葵。

つまりゴッ◯の絵にも似ている。


私はお姉ちゃんの絵が好きだ。

だけどお姉ちゃんは最低だ。

だからこそ複雑である。

私は考えながら目の前を見る。


キャンバスを。

さっきのお姉ちゃんの絵だ。

私は先程も言ったがお姉ちゃんは嫌いだがお姉ちゃんの絵は好きだ。

だからこそ私はお姉ちゃんを絵では慕っている。

だけど何でこんな真似ばかり。


裏切る様な真似ばかりするのか。

それが謎で仕方がない。

思いながら私はキャンバスを見る。

それからまじまじと観察した。

お姉ちゃんは「捨てる」と言っていたが私はそんな事はしたくない。


だから私はお姉ちゃんの絵を貰った。

それからお姉ちゃんの絵を飾ってから観ている。

何故こんなにも才能があるにも関わらずお姉ちゃんは全てを捨てる様な真似で浮気したのか。

理解に苦しむ。


「お姉ちゃんにはあって私には無い才能、か」


そんな事を呟きながら私はお姉ちゃんの絵を見つめてみる。

それから私はお姉ちゃんの姿を思い浮かべた。

絵とは不思議だ。

何故なら絵なのに描いている人の顔がふと浮かぶから。

まあ小説などでも同じ事が言えるとは思う。


「...」


私は絵を観るのを止めた。

それから寝てから翌日になる。

翌日、お姉ちゃんは早めに登校していた。


私はその中で用意された朝食を食べる。

それからお弁当を準備した。

そして私はそのままお弁当をカバンに2つ入れてから登校をする為に家を出た。



私はお姉ちゃんを許す気は無い。

だが反省次第ではお姉ちゃんを許しても良い気はする。

今はそんな気にはならないが。

思いながら私は学校に登校して来た。

それから学校内に入ると異様な空気感が漂っていた。


それは何というかかなり澱んだ空気だ。

私は「?」を浮かべてから沈む様な感覚を受けながら歩き出す。

すると歩いた先で女子達がヒソヒソと会話しているのに気が付いた。

耳に入って来たその情報はこうだ。


「浮気している人が居る」


その事で一発で分かった。

私のお姉ちゃんを指している可能性があると。

その事に私は考え込む。

それから「ふむ」となる。

自業自得とはいえ。

家族の事を噂される...まあまだそこまでバレて無い様だが気に入らない。


「...」


私は溜息を吐きながら1年の教室に入る。

それから私は周りを見渡した。

すると教室でも噂が噂を呼んでいた。

私はその事に若干不愉快さを感じながら椅子に腰掛ける。


そうしていると友人の共坂ユメカ(ともさかゆめか)が声を掛けてきた。

「おはよう」と言ってきたので私は笑みを浮かべてから「おはよう」と返した。

するとユメカは前の席に腰掛けた。


「何だか噂なんだけどね」


やはりその事か。

そう考えながら私はユメカを見る。

ユメカは周りを見てからヒソヒソ声で話しかけてくる。


柑橘系の香りが鼻腔をくすぐる。

ユメカは褐色肌をしており健康的なスポーツ女子だ。

私とはまるで正反対の存在だ。


「実はね。3年生の人の中で浮気して偉そうな感じを見せている人が居るらしくてね。最低だって思わない?」

「...そうだね」

「変な人だよね。浮気している癖に偉そうな感じって。私は無いわーって思う!」

「...ユメカは浮気は最低な事だと思う?」


その言葉にユメカは「当たり前じゃん」と鼻息を荒くしてから私を見る。

やはりそうなるか。

私は考えながらユメカを見つめる。


「...ユメカ。後で話があるんだけど。貴方なら信頼できるから。1年も友達だから」

「うん?」

「...後で話す。また」

「...複雑な話?」

「後悔はしたく無い。私、友人の事を裏切りたく無い」


そう言いながら私はユメカを見る。

それからユメカは私に頷きながら「大丈夫。内緒にするから」と言ってくれた。

私はその姿に笑みを浮かべる。



「噂。私の姉の事だと思う」

「...そっか」

「...お姉ちゃん、浮気したから」

「許嫁って聞いたけど全部破棄?」

「私がもう少し早く気が付けば良かった。お姉ちゃんの行動に」


言いながら私は屋上から空を見上げる。

風が吹いている。

春風が。

それに私達は髪を靡かせる。


「...大変だね。双海ちゃんも」

「私は大変じゃない。お姉ちゃんが自爆しただけ。だけど家族だから。どれだけ死んでもね」

「...偉いよ。双海ちゃんは。本当に偉い」

「噂がキツイ。私にとっては」

「...だね。キツイよね」


私はその言葉に「でもまあ私の事じゃないし悩んでも仕方が無いんだけどね」と返事をする。

ユメカはそんな言葉に「だけど姉だ」と言う。

それから手すりに触れながら私を見てきた。


「どれだけあってもお姉ちゃんだから。キツイのはよく分かる。被害とか分かる」

「ユメカ...」

「私の弟だったら張り倒してるし。多分」

「それは弟さんだから」


私はクスッと笑う。

ユメカは「もー。真面目に聞いて」と頬を膨らませた。

私はその姿に柔和になる。

それからユメカに手を差し出した。


「戻ろう。ユメカ」

「双海ちゃん?」

「...なんか落ち着いたから」


そう言いながら私はユメカに微笑みを浮かべながらユメカの手を握る。

まだ何も見えないが。

ユメカと洋二さん達と乗り越えたい。

そう...私は思った。

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