体育に魂を殺されたものの慟哭。


 運動会、合唱コンクール、共同活動……
 様々なイベントは学校生活の華であるものの、その恩恵を受け取れない者もいる。

 その者にとって、週に幾度も繰り返される体育は、塗炭の苦しみを与える場であった。
 逃れるためにとっさに捻り出した生存戦略とは……?



「同類の匂い」というものがある。

 私は当作品からその匂いを嗅ぎ取った。

 クラスイベントの「輝き」に怨恨と羨望の眼差しを向けていた、あの過去を思い出す。
 ドッジボールは「君がいる側が(人数的に)不利になる」と言われてからは、あれほど嫌だった予防接種よりも嫌になった。


……とはいえ、作者様は良くも悪くも現在も年賀状を送られており、古い出来事(傷)をも覚えられているのだから、
 彼らの学生生活の中に「勇姿」は残り続けているのだろう。

 こういうすれ違いもまた、学校生活の華なのである。