小噺: 中卒と小津安二郎
「この前会った中卒ニートの女の子おったんやけど、無茶苦茶がさつでさ。待ち合わせで乗り込んでくる時も人の車のドア凄い勢いで閉めるし、『モナ・リザ』大のパンパンに詰まった紙袋二つももってくるし、死ぬほど太ってるし。よく痩せたら可愛いみたいな褒め方あるけど、ほんまにパウンドフォーパウンドで見ても可愛くないし。」
「いや、後半がさつ関係ないやん!」
「あ、そっか。出会った段階で結構萎えてもうて。車の中の話で向こうに彼氏いること分かったから、さりげなく
『彼氏いるなら今日はやめとく?』
って聞いてみたら
『いやセックスしても好きにならなきゃ浮気じゃないでしょ。あ、でもセックス中に好きって言っちゃうかも。まあでもセックス中の好きなんてラッパーの「YO」みたいなもんでしょ!』
って。こいつ比喩にも品無いなって思いながらホテル行ってん。ホテルの中でもパンパンの紙袋の中からアメリカンポリスとか、セーラー服とかコスプレ十着くらい引っ張り出して来て、頼んでも無いのにファッションショーしてくるし、またパンパンの紙袋からよく分からんアダルトグッズいっぱい引っ張りだしてきてどれか使えって言うてくるし。全然興奮できひんなって思いながらバニーガールとピンクローター選んだんよ。」
「興奮できひんとか言いつつしっかり選んでるやん。」
「いざ挿入ってなった時にその子が
『ちょっと待って!』
って言うて、またパンパンの、あもうパンパンじゃないか。の紙袋漁り出して、中からスマホ用の小さい三脚を取り出して来て、ベッドの上に設置してん。で、俺の上に跨って騎乗位し始めたんやけど、重みに耐えつつふと横を見たら、脚を限界まで開いてマットレスすれすれに極端なローポジションで立つ三脚。水平のアングルで設置されたスマートホン。
こいつ中卒でニートで肥満でパンパンの紙袋持ってて比喩にも品無いのに、小津安二郎のカメラポジションでハメ撮りしてる!!!って興奮して射精してもうたわ。」
「きゃはははは。で、小津安二郎って誰?」
このように日々個性の強い女性達と肉体関係を持ち、それを漫談として練り上げてマミちゃんを楽しませる。そんな日々が三ヶ月程続いた。この日も次なる漫談の題材と女性の触れ方に関する不文律を発見すべく、出会い系サイトで女性のプロフィールを物色していると、ある女性からメッセージが送られてきた。
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