第6話 あるあるを俺なりに回避しようとしたんだ

6話


あの後、細かい契約(それも一般的なモノ)の書類にサインして晴れてこのデカい陰陽師の家の構成員になったワイ。


しかし、今のワイの眼の前にはこの家の息子さん?がものすごい目つきでこちらを睨んで怒りを露わにしているんだよね?なんで?


「てめぇが万里を傷つけた男か!庭に出ろ!俺がじきじきにぶっ飛ばしてやる!」


出会い頭に怒声を発してこちらを攻撃しようとしてくる。えぇ……自分何かした?あ、アレか?コンビニの前でケンカ売ってきたから大人しくさせた女魔法使い、たぶん彼女の事かな。


「万里ってのはひょっとして魔法使いみたいな格好してた娘か?それならケンカ売ってきたからシバ「ビュッ」」


あぶねぇ〜、理由とか状況説明とかぐらいさせてくれても良いやんけ!


「言い訳無用!いくら我々の数が少ないとは言えこんな野良犬が近くに居たら足手まといなんだ!」


早くセイジさんか別の大人の人来ないかなぁ……いや、ここ普通にデカい家の廊下だし気づいてないワケ無いしもしかして何処までやれるか測られてる?でもなぁ……うぅむ……ケンカしたくねぇしなぁ………(ヽ´ω`)


俺は仕方無く窓から中庭に飛び出す。

小さめの運動場みたいなその場所なら暴れても大丈夫だろ


「観念したか!俺にブチのめされる心の準備は良いか?行くぞっ!」


息子さん?は何こんなに焦ってるんだろうね。

まあ、バカ正直に“行くぞ”なんて言うから踏み込むタイミングに合わせるの楽勝だったし良いか


相手が踏み込む少し先に足を差し込んで、更に相手の服を掴んで地面に転ぶ。俺に躓いて相手がバランスを崩したタイミングで地面に抑え込む。


「貴方たぶんここの坊っちゃんでしょう?魔法使いの娘は俺が直接やったと言うより使い魔みたいな牛を出して気絶しただけだからアレは自爆ですよ。更に言えば坊ちゃんをボコボコにしたらカドが立ちそうだからこうして抑え込ませて貰いました。昔ちょっとだけ柔道齧ってたんですよ」


そう坊ちゃんに言い聞かせると坊ちゃんの顔が見る見る赤くなって行く。まあ……プライドの面から見たら普通に殴り倒されるよりもキズが付くだろうしなぁ。でも下手にブン殴ってせっかく雇われた職場で立場を悪くするのもな、考えモノよね。


「坊ちゃん、坊ちゃん言うんじゃねぇ!バカにしやがって!てめぇはブチ殺す!」


何か危なげなチカラを練り始めたんですがこの子……癇癪持ちは怖いな……職場替えようかな?今ならゴールドバックラーの称号を得られそうだし

(´・ω・`)


屋敷の方から何人かが慌てた様子で走って来るのが見える。あ、コレヤバいヤツ?


カッ!と坊ちゃんからチカラの奔流が迸るのとほぼ同時にあの時のカメが現れる。


「面白そうだな」


直後に物凄い轟音を響かせて周りの地面が抉れて木が倒れ、屋敷の窓が数枚割れていた。……数枚で済むの?頑丈だなぁ。アレ、そう言えば自分も平気なのはなんで……と思ったら何か俺の手が爬虫類みたいになってる?甲羅ある?


なんだコレ?と思っているとスウッと消えて普通の手に戻る。

周りにはボロボロの陰陽師数人とワイの下敷きになって居て爆心地のクセに比較的キズの浅い坊ちゃんだった


………俺また何かやっちゃいました?



◇ ◇ ◇


あとがき


『面白い!』


『続きが気になる!』


と少しでも思われましたら、ページ下部にある『★で称える』より★を頂けると嬉しいです!


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何卒、拙い作家ですがよろしくお願いします!


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