第2話 事情聴取させてくれない?
「気がついた様だ。それで?君、名前は?」
気づけばパトカーの椅子に座って居た俺は少し驚く。
が、通報した警察がすぐに来たものと納得し事情を話す
「アッハイ、自分は
警察の人は眉を顰めて語気を強める
「その怨霊は見当たら無かったが、怨霊が居た痕跡はあった。君が呼び寄せてコントロールに失敗したんじゃないか?正直に言いなさい」
「自分が呼び出したんなら警察呼びませんって」
「疑われない様にそういう事をする人間も居る。君がそうでは無いと言う保証は?」
「そんなん悪魔の証明ですやん……」
「正直に言えばこちらも楽だったのだがな。おい、陰陽師は」
するとパトカーの外に居た別の警官がパトカーの窓に顔を近づけて来てガラス越しに名乗る
「私が今回呼ばれたモノで藤田という。その男が例の?」
「怨霊の痕跡がある場所に倒れていたので参考人としてここに居て貰っています」
藤田と名乗る男がこちらを覗き込んで来る。
やだなぁ……さっさと開放されたい……帰ってソシャゲ回さなきゃ(使命感)
「君……呪われてるね。しかし今回の怨霊とは別口の様な……ああ、それで怨霊に襲われても倒れて居ただけだったんだね。」
急にニコニコしながら納得した様子の藤田なにがしは警官に彼は問題無いよと伝えていた
「なっ……しかし、明らかにこの男は怪しく……」
「僕は呪いの専門家だよ?さっきまでこの公園に居たであろう怨霊と彼に呪いを掛けたであろう存在が別だと言う事は見れば解るんだ。」
「そして彼が襲われ無かった理由は呪い掛けた“ナニか”からの報復を恐れてだろうね。ヤクザ映画とかでシマがどうのって話があると思うけど、彼が助かったのはソレだと思うよ。」
そう言うと藤田はパトカーのドアを開けてくれたのでチラリと会釈しながらパトカーを降りる。
「なんだかよくわかりませんが助かりました。藤田さん……ありがとうございます」
「いえいえ、大変でしたでしょう。それではこれで」
スッと踵を返して去っていく藤田さん
……ん?今あの人ワイが強力に呪われてるとか言って無かった?!
「あーあのすみません!呪われてるって話知らなかったんですけど、何に呪われてるとか、お祓いしてくれる良い店とか知りませんか?!」
藤田さんは足を止めて振り返り心底面倒臭そうな“いやどす”って顔つきでこちらを睨みながら呟く
「あー、じゃ野桐って拝み屋を探すと良い。確か隣町の川沿いにあったハズだよ。」
一刻も早くこの場から離れたいのかさっさと行ってしまう藤田とかいうヤツ。なーんか感じ悪くなった?
「あ、じゃあおまわりさん、陰陽師の人が事件性が無いらしいんでこれで……」
その場を離れようとすると隣に居た警官に引き止められる。ガシッと肩を掴んでさぁ……そりゃあ走って逃げようとするのも居るからなんだろうけどさ、何か威圧的なの嫌だよね(ヽ´ω`)
「待ちなさい君。では君を襲ったであろう怨霊はどこから来てどこにに行ったのかな?まさかダンジョンから出てきたんじゃないよね?もし警報が鳴らなかったのなら大問題じゃ済まないんだよ?分かってる?」
まるで怨霊が居たことの片棒を自分が担いでる様な言い草にイラッ★と来た俺は脊髄反射で口答えをする
「知りませんよそんなの。バイトしてたコンビニに来店してきたって言ったじゃないですか」
「だから!知らないじゃ済まないと言ってるんだ!」
俺は心の中で(コレはワイの好きなアニメランキング上位(ワイ調べ)の走行奇兵ボトルスの序盤みたいやな。2話まるまる尋問シーンには恐れ入ったよね。世界観説明なんてせずにいきなり電気椅子だもんよ)
「おい!聞いてるのか?ボーっとしやがって!あの陰陽師は関係無いと言って居たが俺はお前が何かしたと疑って居るからな!」
そんな事言われても………と思ったが、言わぬが花と沈黙を貫く。
だってコイツ「私がやりました」って言うまでグダグダ言うつもりみたいだからなぁ……はぁ……どうすっか……いっそもう一度怨霊とか出てこないかなぁ………
すると三人目の何か機械持ってた警官が慌てた様に2人のワイを尋問してた警官と話を始める
「おい、なんだ?計器に反応が」「対霊装備は?」
「御札と御守は気休めにしかならんぞ」「無線で応援は?」「ダメだ繋がらない」「マジかよクソッ」
とか言ってる。マジかーおかわり来たのかさっき握ってた御守は……何か黒ずみ始めてるな。
「あの〜すみません、対処しなくていいんですか?」
「今やってる!素人は黙ってろ!」
いつの間にかパトカーを取り囲む5匹の怨霊
え?ワイは別のに呪われてるからその別のナニかに遠慮して襲われないんですよね?
目の前で警官が応戦を始めるが怨霊には効果が薄そうでゆらゆらと動きながら警官を傷だらけにしていた……アレが野放しになってたら危ないって正義感はあるのになにゆえあれほど高圧的なのか……
今のうち今のうち……
俺はさっさと帰路につ…………いたら小物も良いとこよなコウタ、動きます
「よいしょーー!」
警官の背後から襲いかかる怨霊をまず1匹、
そのままの勢いで警官を抑え込んで居た怨霊をサッカーボールキックで2匹
「どっこらしょッッッ!」
目の間に居た3匹目に右ストレート……んなっ?!
俺の手の中に握りしめていた御守がボロボロに砕けた?!
「ゲブフゥ!」
残り2匹の怨霊が2匹がかりでワイを吹飛ばして自分はパトカーのボンネットに打ち付けられる
何も持たずに怨霊をシバいても効果は薄い。反撃するための何か………何か………ん?このキラリとしたモノは……まあ良いかヨシッ!
2匹の怨霊が目の間に来てその手をこちらに向け振りかぶって居た。そうだ今だな、悠長にタメ動作なんかして、獲物を前に舌なめずりは三流だって某軍曹は言ってたからなっ!
俺はボンネットから拝借したモノを右手に握り込むとまず左側の怨霊へ右ストレート、そしてそのまま裏拳で右側の怨霊をシバいて倒した。
警官は……倒れてるな?ヨシッ!
そっとボンネットに桜の代紋を貼り付け治して……
サラダバー!
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