第四章 大山脈の北側
第30話 番外編 パンツの履き替え
大山脈を飛び越える前に、アシュレイの身を清める必要があった。
風の奥方が火や水の魔法もくれたおかげで、翠は外にいてもシャワーを浴びることが出来た。
エリサルデが、香りの良い石鹸を持たせてくれたので、アシュレイのオシッコの匂いを取ることが出来たし、アシュレイの三枚重ねのパンツの洗濯にも用いることが出来た。
何故、彼女がここまで用意してくれたのかは、今はまだ知る由もない。
ただ素直な翠は、エリサルデの親切に感謝した。
「本当に、アシュレイの(自主規制)が無くなている~」
二人で裸になりながら、温水の雨を降らせて翠は、アシュレイの身体を洗って言った。
その言葉に深く傷ついて、涙目になるアシュレイ。
「オレだって、嫌だい!!」
「でも、地球に帰ればどうせ、去勢されるんだし、そう思えば予行練習だよ」
「なに!?それ!!」
いきなり、キジトラ色の髪が逆立って、瞳が金色に変わった。
猫の本性が表に出てしまったようだ。
翠は悟った。アシュレイに去勢の話は禁句であると……。
アシュレイは、猫ながら男であるというプライドを持ち合わせている。
「君は、なかなか男らしいんだね」
「翠君ほど、勇敢でお人好しじゃないよ」
二人は、もう十年来の友達のように、肩を抱き合い眠った。
二人の寝床のそばには、洗い立ての分厚い三枚のパンツがはためいていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます