竜とねずみ
空に長細いものが浮かんでいた。白い腹を地上にいる私たちに向け、悠然と泳いでいる。
(何だあれ)
夢の中で私はそう思って見ていた。私のほかに気にしている人はいないようだった。頭の方でひげが揺れていたのは覚えている。そのもののそばを、プロペラ機が飛行機雲を作りながら飛んでいた。
ほどなくして、今度は碧色の竜が空に現れた。物凄く大きいそいつは地上にいる私たちを睨みつけ、腕を伸ばして電線に引っかかりそうになるくらいだった。それを見て私たちは四方に散りぢりに逃げていった。
場面が変わって、私は家のリビングにいた。
と、ねずみが二匹、パソコン台の下から飛び出してきた。
「お母さん、モルカーだよ」
ねずみが出たといってびっくりしている母に向かって、私はいっていた。実際そのねずみたちは、白と橙の混じった可愛らしい見た目のアイツだった。
(ねずみが出て騒ぎ始めたのは、きっと、竜が現れたことと何か関係があるに違いない)
夢の中で私はそう思っていた。
夢百夜 大沢敦彦 @RESETSAN
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夢百夜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
毎日執筆、毎日筋トレ/大沢敦彦
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 5話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます