第3話 ネームドモンスターとの遭遇
~~彩音視点~~
不慣れなペア狩りのハンターの窮地を救ってか、ちょっと浮かれてオート狩りで放置してブレイクタイム中の彩音だった。
(ありがとうって言われちゃった・・・人を助けてあげるのって気持ちいいな。)
MMOというものに触れる。その最大の醍醐味はやはり人とのコミュニケーションでもある。仲間と苦労して攻略するダンジョンやボス攻略も楽しい。しかしMMOには人それぞれの楽しみ方がある、ソロで黙々と強さを求めるのもまた一興。狩とかは全くしないで商いに精をだしてお金を稼ぐのを楽しみにするのもまた一興。
楽しみ方は人それぞれで、無限の遊びがある。それがMMORPGである。
(って、よそ見してたらなんか強そうなモブがいるんですけどー!)
あわてて飲んでたコーヒーカップを置きオートプレイを中止して逃げようと思ったら・・・
すでにネームド目掛けてまっしぐらな、アサシンが目の前に映っていた。
一瞬その勇ましい姿に彩音は目を奪われた。
何一つ臆することなく明らかに
自分より格上のモブに飛び掛かるアサシン。
その表情は気のせいか楽しんでるようにも観えた。
(すごい、すごい、ロッくんつよっ全然負けてない!)
食らえばおそらく一撃でやられるような重い攻撃に臆することなく。
スキルで対応して果敢に攻めていく。
ほんの一瞬スキルのタイミングをミスれば待ってるのは死。
(これ手動でやってたら一撃でしんじゃうな・・・)
その勇ましく戦う姿に彩音は見とれていた。
そして間もなくレアドロップ入手の効果音
「ピキューン! レアドロップ「ブレイブハート」を入手しました。」
そして画面上にテロップが出た。
(なんだろ、みたことないテロップが出た。なんか凄いの手に入れた?)
そしてネームドモンスターが断末魔を上げて倒れる。
(おお倒した!経験値すごっ、ドロップもさらにいっぱい。)
一旦、町にもどり手に入れたドロップ品を鑑定することにした。町の市場では様々なドロップ品や作成物が売られている。それらを売り買いしてあるものは装備を揃えたり、あるものは家を建てたりと。
MMOの楽しみは無限である。
(えっと、市場でブレイブハート検索っと。)
検索結果 ブレイブハート1個 5000万G
(ええええええええええええええええええええ、なにこれやばっ)
彩音のアサシンの所持金は結構稼いでいたが、それでも800万Gだった。
おそらく同レベル帯ではかなりかせいでいるほうである。
ブレイブハートの効果:アクセアリーにはめ込める。
恐怖(フィアー系)無効 攻撃力20%UP クリティカル20%UP
(やばいよやばいよ、出〇じゃないけど、やばいよこれ!)
売るべきか装備するべきか悩んだ彩音だったが、特に売っても買いたいものがないので、ロックスの強化のために装備することにした。
(まずはアクセサリーだな・・・何がいいんだろ・・・)
せっかくいい物をはめるのだから良いアクセをさがそうと露店を見て回った。
(んカッコいい名前の腕輪が。「金剛の腕輪」これいいな、いくらだ?)
「金剛の腕輪」:400万G
効果:筋力上昇100:スロット2
たっかいけど、せっかくいい物はめるからこれがいいよね、どうロッくん?
ロッくんが静かに親指を立てた。
(よしこれに決めた!)
そして金剛の腕輪に「ブレイブハート」をはめ込んだ。
職業:アサシン
Lv:33
総合戦闘力:81520
力:200+100
体力:50
技術:150
魔力:5
運:50
武器:ガンブレード:攻撃力2400
防具:クロムメタルの胸当て防御力2000
アクセサリー:金剛の腕輪 力+100+(ブレイブハート)
攻撃力:51321
防御力:9900
攻撃速度:100
クリティカル率:80%
クリティカルダメージ:180%
(おお攻撃力がめっちゃ上がった。つよっこれ。そしてかっこいい赤い宝石が目立つ!)
そしてまた新しい装備が出来て嬉しくなった彩音は、少しほかの人にも見てもらいたくて中央の噴水広場に来て座っていた。
(あぁこうやって装備を揃えていくと他の人の装備も気になってくるなぁ・・・)
なんか周りの人があたしのアサシンの腕輪をちらちら見てるような・・・
やっぱめだつのかなこれ・・・
そろそろこの場を離れようとした時だった。
広場の人達の中から数名の人達がこっちに向って歩いてきた。
「さきほどは十分なお礼も言えず、ほんとうに助かりました。」
「あぁ、さきほどのダンジョンの方たちですか。礼には及びませんよ。」
「うちの団員を助けていただいたそうで、ありがとうございました。」
そうこの立派な装備をした盾職の騎士が、あの有名なギルドのきんぐセブンさんだった。他にもやんやんさんや、蒼月さんといった有名人がいた。
(わわわわ、超強い人たちだ・・・)
「ど、どういたしました。あっ噛んだ。」
「初めましてクレイジーギアのきんぐセブンです。お名前をお聞きしても?」
(わわわ、どうしよ、こんなあたしごときの名前なんて・・・)
「ろ、ロッくんじゃなかった、ロックスです。」
「結構いい装備してるんですね、メタル胸当てに、ガンブレード・・・それに・・・」
「全部自前のものですが・・・」
「もしかしてそれ、ブレイブハートはめてます!?」
「は、はい一応。」
「凄いですね、つけてる人初めてみました。」
「これも自前で。」
「えっ、血まみれからドロップ?」
「はいソロで狩ってたらぽろっと。」
「「「ええええソロで!?」」」
(わわわ、なんか、はもってた、やばいよねこれやっぱり・・・)
「ロックスさんはギルドには興味は?」
「いえいえ、あたしごときが・・・」
(あ、てんぱってあたしって言っちゃった。)
「と、とりあえず失礼します1」
(1ってなんだよおちつけあたし・・・)
「ロックス・・・強い人でまだ出てきてない人っているんだね・・」
なんだか人ごみの中で名前を呼ばれた気がしたがこれ以上人の目に耐えなかった彩音は逃げ出した。
そうこれが後に冒険を供にすることになる、「クレイジーギア」のギルドのメンツとの初顔合わせだった。
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