第4話離婚

「やっぱり離婚は良くないと思う。2人の子供にとっては たった一人の本当のお父さんなんだから。」

「分かってるけど。」

「分かってるなら離婚はやめよう。」

「楽しくないのよ。」

「だからって子供のお父さんを奪うのは…」

「頼りないのよ。」

「子供達は なついてるんだろう?」

「…」

「だったら子供達のお父さんを取り上げるのはよくないよ。急に全然知らない男がお父さんだよと言われたら子供たちはどう思うかなぁ。」

「それは…」

「離婚はそんなに軽いものじゃないよ。」

「何度も言ったけど子供達のお父さんを奪ってしまうことだからね。」

直美は黙っていた。決して納得してはいないんだろう。黙ったまま気持ちを胸の奥深く落とし込んでいた。やっぱり離婚するんだろうなぁ。結婚は恋愛じゃないから楽しければいいと言うようなものではない。もちろん一緒にいて楽しくて幸せな 相手が一番だが。だったら結婚まで行く前に、恋愛のうちに相手を選んでおくべきだ。2人も子供を作った後で離婚するなんて それはひどすぎる。僕には母親としてあまりにも無責任だと思えた。直美は決して簡単に離婚という言葉を使ったわけではないだろうけどどうにも離婚を もっと重いものだと思って欲しかった。最近、離婚は流行りすぎている。ちょっと みんな簡単に離婚しすぎる。本人たちは 簡単には考えていないんだろうけどもっと重いものだと思ってほしい。離婚は自分たちだけではなく子供とその人生を狂わせてしまうものだから。

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