15頁 憲司が特別機動捜査隊に移動

 夕方、憲司が自宅の居間で新聞を読みながら寛いでいる。

玄関を開ける音。

シゲルが学校から戻って来る。


 「ただいま」


道子は襖フスマを開けて、ニッコリと笑う。


 「お帰り」

 「腹減った〜」


暫くして、シゲルが着替えて居間に出て来る。

鴨居(カモイ)に架かった警察の制服を見て、


 「何あれ?」

 「うん? ああ、移動だ」

 「イドウ?」

 「転勤!」

 「テンキン? どこへ」

 「新しく出来た機動隊だ」

 「機動隊? デモの?」

 「捜査隊だ」


シゲルは驚いて、


 「機動捜査隊ッ? 格好良い!テレビでやってるヤツ?」


道子が台所から居間を覗いて、


 「そうだよ。だから今夜はお寿司!」


道子が寿司の詰め合わせを持って居間に来る。

シゲルは豪華な寿司を見て、


 「すッげー!」

 「それだけじゃないよ。今度、父さんは部長に成ったの」

 「えッ! 『部長刑事』に?」

                          つづく

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