第8話.終着点

そこにいたのは紛れもない出雲だった。

いつもとは全くと言っていいほど雰囲気が変わっている出雲…

刀を顕現し一瞬にしてFDを斬り伏せようとするがFDも打って変わったように炎と光線の二つの力で拮抗させようとする。

刀により魔法を受け流す出雲の流暢な姿は目にも止まらない勢いでFDの元まで駆けることとなる

が、FDもそんな出雲の行動は分かっていたかのようにして炎の咆哮を辺りに放つ

出雲はFDに近づくことが出来た物の、炎による炎症ダメージを食らってしまうが、それと同時にFDを道連れにするかのようにして斬撃を放つ

まさに達人の一閃といってもいいような鋭い剣先でFDの心臓を目掛け一刀両断を図る

最終的にFDにはダメージが通るのだが同時に一筋縄ではいかないのか出雲にもダメージが通ってしまう。

刀と炎の攻防。

その姿は舞っている巫女のよう印象をもたらすこととなるだろう

完全なパワーアップ出雲は何をしたのだろうか


出雲は空から生み出した斬撃を刀から飛ばす。

その斬撃は一瞬にしてFDの元まで辿るのだが炎によって防がれる

そんな無限の攻防

瞬時、血が垂れる

何処からともなく出雲の目元からは血が垂れ、斬撃に関する一撃が圧倒的に先ほどよりも強くなっている

そんな出雲の異常な姿に気づき、FDは避ける事に成功はする物のFDの考えを改めさせることとなる

そんな場を見せられた

理解することとなる

その威力を

壁に当たった瞬間だが、斬撃が壁を壊すかのようにして、壁に向かって約数メートルを削ったのだ

どんな魔法であろうと壁が削れることがなかったのにもかかわらず、あの抉れよう

もしも、体に当たったと思えば(ゾッ)っとしてしまう

多分だが、簡単に人をバラバラに出来るだけの威力は持ち合わせている


あの力は魔法なのか?

分からないが彼女は地面を抉るような破壊力でFDに斬撃を何度もぶつける。

FDもダメージを受けてはいるものの、段々とFDも慣れて来たのかダメージが通らなくなってくる

瞬時今度はFDが動く

手を掲げるようにして片手を空に上げる。

そのFDの姿はまさに隙だらけの素人といったような形であった

ただし、FDの手の上には3段階の魔法陣が起動される。

見たことがないような複雑な魔法陣を1秒前後で生み出しやがった。

その魔法陣は紫と黒のような暗色で構成されており、一段階目には体を覆うくらいには大きい魔法陣

二段階目には三つの丸が組み合わさったような小さな魔法陣

そして最後に三つ目の魔法陣はと言うと赤く染まった五角形のような星を模した魔法陣が連なっていた

紫と黒で表される奴の魔法陣からはあまりにも強力そうな雰囲気を醸し出しており詠唱を唱え始める。

瞬時、この場にいる全員がやばいと感じう事となる

肌から死を言う名の恐怖を感じてしまい奴を時間制限内に潰さなければいけない

そう分かってしまうのだった


その様に思い、隙を見逃す出雲と言うわけもなく

一気に近づき攻撃を斬撃により放つが、即座にFDの体が再生する。

意味が分からない

斬撃がFDに当たり、体がばらけた

そう思った

いや実際にそうなっていたんだ

にもかかわらず瞬時に奴の胴が再生して元の体に戻った

瞬時、時が止まったかのように出雲の動きが止まる

多分だが、出雲は一撃をもろに食らわせたのにもかかわらず体が再生していたことに絶句していたのだろう

そうなるのも当然だ。本気の最高の一撃を完全に無効にさせられたのだから

そして、出雲はこれまでに無いほどの全力の一撃をぶつけて尚何もできなかったのだから困惑が精神を支配するのは容易に想像できてしまう

俺はそんな出雲の姿を見ていて何をしている?

俺はなんで出雲に全部任せてるんだ?

戦え

FDに向かって残っている魔力を本気でぶつける


『水王天』


だが、その攻撃は食らわないかのように無視してくる

そして、俺は急展開ということもあり、防御が出来なかった

そう…奴が放ったカウンターの術式

俺が技を奴に当た手瞬間全く同じ技が跳ね返ってきたのだ

どういうことだよこりゃ

意味が分かるわけがない。だって奴は魔法陣を発動させているのにもかかわらずカウンターってなんだよ?

ざけんな!どうすればいいんだ…

そして、そのカウンターが当たったことにより右腕が傷だらけになり、皮膚がガサガサに剥がれ擦りを負い、さらには右腕が出血からは血の気が無くなるかのようにザーッっと血がジンワリ流れていく

まずい…このままじゃ出血量が…

クッソ

だけど、問題はそこにはない。どうやってあのFDを倒せば…

出血に耐えながら奴を倒す絶対に

そして思考を巡らせている最中でもFDの放つ三段階の魔法陣が沈むようにして一つの魔法陣になる

瞬間俺は手を繋がれ


「逃げて」


そう、出雲に一言言われる。

何を言ってるんだ?こいつは?

俺だって戦えるんだぞ…

なのにお前を置いていけるわけがないだろ。俺はお前を守ってやるって決めたんだから


「何一人で抱え込んでるんだよ」

「抱え込んでなんかない」

「じゃあ一緒に倒そうぜ」

「・・・」

「俺があのカウンターみたいなものを剥がす」

「どうやって?」

「頑張るさ」

「そんなんじゃ」

「信じろ俺を」


ハッキリとした芯の通った目

清らかで鮮やかな目で真剣に言う

そんな言葉に対して理解をしてくれたのか


「…分かった」

「とりあえず何とかするから詠唱でもしてて」


その瞬間俺は動く。さっきFDに攻撃を当てた瞬間、FDは左手を動かしていた。

俺の勘が正しければ奴は同時に二つ以上の魔法を発動させている。

片方は巨大な俺たちを全滅させるために作られている魔法陣

もう片方はカウンター型の完全再生型の魔法陣

ならば、魔力をなくしてしまえばいいんじゃないか?

カウンターが行われるときの条件は魔法

再生が行われるときの条件が物理

ならば、魔法で尚且つカウンターのしようがなければFDの魔法を阻害できるのではないか?

繊細な操作ならば、その繊細な操作を邪魔してやればいい。

そしたら両方崩れていく。

だから、こそ…

あいつの神経の邪魔をするために考える

どうするか…

そして、一つの策を思いつく。その策を実施する

一瞬にして魔法陣を展開して魔法陣をいじる

やった事は無いがやってみる試しの価値はある


『展開術・ヒオリ』

『ヒオリ…溶けろ』


俺は魔法を放つ瞬間詠唱の最後に付け加える

瞬間氷だらけの空間だった場所が一気に溶け始めて水位が足元20cmくらいとなる。

この小さな空間内で行え

自動追尾型の水の技を俺は持っているじゃないか


『水天』


辺りの水がうごめきFDに向かい攻撃を行う。

そのたび水は弾かれるが、水は液体だ。そのたんびに追尾を再度行う無限ループが発生してしまう。

元は俺の技だが、自動的に追尾されていることもあり魔法へのカウンターが発動されない

そして感覚としてある、魔力をFDから奪えているという事

大丈夫だ、FDの魔法を奪いきれ

必ず奴にとっては辛いはずだ。

魔法残量もなくなってきてるんじゃないか?

瞬間、魔法陣の色は薄くなっていく

それに理解した出雲はと言うと攻撃をFDに向かい行う。

必死になりながらも斬撃をFDに向かい放つ

その瞬間魔法陣は壊れFDは発狂しまくる。

俺だけは殺すといったような殺意を向けられる

だって、最恐な魔法陣の展開をしていたのを止められたのだから

そのあからさまな殴りという名の攻撃

怒りに身を任せた攻撃は通らない。

だから、軽々とFDの攻撃を避ける

FDの正義があったのかもしれないが、俺達も譲れない正義がある

だからこそ、出雲が追撃の一閃を叩き込むことによって勝利をもぎ取った。

その後はと言うと、結界は破壊され、重症を負ったものの俺たちは一応無事だった

無限に地下へ繋がっていたと思われる穴は縮みすぐに上へ上がれるようになっていたため

俺達は瓦礫に手をかけ上がろうとする。

その上がった場所には怪我をしているが勝利したと思われる康太と無傷の四季がいた。

多分だが、康太は俺同様穴に落ちた後何者かと戦い、見事勝利を勝ち取ったのだろう

そして、四季は何もしてないという感じなのだろう

そのまま外へ出て先生に任務は完了したと伝えることとする

その場所で一つ疑問に思ったことがあったので出雲に聞く。


「出雲?」

「何?」

「悪魔と契約したのか…」

「まぁ」

「何を代償には聞けないか」

「まぁ聞かないでいてくれたら助かるよ」

「わかった」


そんな静かな空気の中俺が微妙な空気にしてしまったこともあったので更に質問をする。


「あ、そういえば俺を最初に殴ってきた白い奴はどうなったんだ?」

「白い奴?私は足を踏み外して下に落ちて言ったように見えたけど…」


康太も俺に便乗するかのように俺に言う


「あーそれ俺を落としたやつだろ。俺も気になってたんだよ」

「何のことを言ってるの?」

「「え?」」


四季の一言がなければ死ぬこととなるだろう


「後ろ」


瞬間先生が殴りと言う攻撃を与えようとするがその攻撃も効かないといったような顔でこちらを見てくる

先生の放った一撃は空を震撼させる程に強かったのにも関わらず何のダメージも通らない

そこにいたのは、俺たちを落とした白い奴だった。

そいつは、羽が生えておりどっちかと言えば堕天使といったような姿な気がする。

が、その堕天使のような奴は先生の攻撃を放たれた後訝しむようにこっちを見ながらも、空の遠くへ消えて行ってしまった。

多分だが、俺達と敵対する気は無いのだろう

ただ一つ驚くべき点があるとすれば先生の力の威力だ

物理なのにもかかわらず、ただのパンチで空気を圧迫させやがった

先生は相当な実力を持っているとそう確信せざる追えなかった

だが、そんな事よりもやはりあの敵の方が四季は気になったのか…聞いてくる


「先生あいつは?」

「一体…分からないな

「ん?先生…」

「帰るか…」


そう先生は一言いう

先生の雰囲気から感じられること

それは一つ…相当先ほどの敵はやばかったのだろう


「どうしたんですか?」

「この感触は…もしかしたら本当にやばい奴だったのかもしれないな…」

「そう、なんですか?」


そんな刺激的な一日だった

ここで一つ理解したことがある。

そう、一番弱いFDであんなにも苦戦してるのならば俺たちはどうしようもないと。

だからこそ、この実践を理解し、俺たちは量気への理解を行うこととした。

量気を扱う事何ってできないかもしれないが、隔離と言う組織で上位実力者に君臨してるものは、先生含めどうやら量気の使用ができるらしく

量気を使えなければどうしようもないくらい敵しかこれから先出てこないという。

だからこそ、これからの任務はと言うと量気が使える事がない限り、または、特別な事情がない限り行かせてもらえないとの事らしい。


量気を使えるのは本当にごく一部の才能の持ち主のみと言うのに俺は使えるのだろうか?

分からないが、出来るだけのことはやるつもりだ。

あぁもう一度言おう刺激的な一日だった。そして何かをつかんだ一日だった。

なぜなら、量気の攻撃を俺自身にぶつけられたのだから。

感じたことと言えば魔法とは全く別の異質な力という事のだけだ。


ちなみにだが、戦い終わった後はすぐさま風呂に入って寝た。


次の日


先生が何とも言えない神妙の面持ちでこちに見ながらも授業を始めようとするが

一つ始める前に伝えられることとなる

俺達は一体何なのか、全く分からず目と目を見合わせる


「めんどくさいことが起きた。さぁ問題だ僕たち隔離と言う組織ができたという事は他にも組織ができますか?」

「出来るんじゃないですか?」

「そう。出来る。いや、出来た。そいつらが喧嘩吹っ掛けてきやがった」

「「は?」」「え?」「ん?」

「まぁいわば、一触即発状態で人間同士で殺し合いが起こりそうなまでに発展したんだよ」

「え!?オーマイ―ゴッドファーザー」

「え?こんな変な天満って奴はどうでも良いんですけど、それでどうする予定なんですか?」

「俺たちは平和的解決をしたいんだが、どうにも相手らが噛みついてきてね…はぁ~~面倒くさい」

「ちなみに、戦力差は?」

「下手したら、うちらが負けるくらいのデカい組織だ。いわばナンバー2組織」

「えぇ…」

「それってどうしようもないんじゃなくて?」

「まぁな」


詳しく話してもらうとその喧嘩を吹っかけて来た組織の名前は「safety・安全」という言うらしく。また裏の名前で「暗殺者」とも言われてらしい。

その理由としては、FDを使役しFDを倒す人間などもいるのだが

そんなFDを利用する者達もFDも皆殺しにするという考えが表立っており、どちらかと言えばFDに恨みを持った民衆が集まったというような組織らしい。

だからこそ、FDを利用して回復したり、FDを使役したり、武器として使うこの隔離という組織に嫌気がさして、更には許せないのだと。

まぁ言ってしまえばFDの殲滅を主とした組織ってことだな

正直隔離としては面倒くさい組織だな…

隔離の上官達もsafetyという名の組織に説明をしたようなのだが、そんな言葉には聞く耳を持た無いというような態度を取られ今にも攻撃してきそうといったような状態だと。

しかも末恐ろしいことに悪魔の契約なしで俺達と同等以上に戦ってくる猛者が大勢いるようだ。

え?まじかよ…

悪魔の力を借りずに量気をゴリゴリに使える奴がうじゃうじゃいるってことだろ?

え?化け物連中じゃね…


「そして、奴らが量気を扱える人間が多い理由の説明はなんとなくだが付いている」

「それは、一体?」

「量気というのは死の間際に発現される物だとわかってな」

「もしも彼らは襲われ、誰も助けが来ない最中覚醒して生き残った者の集団とすれば説明がつくだろう」

「ほう…」

「でだ、今回君たちには量気の習得をしてもらう。死という感覚を本気で味わいながらな…」


そんな不気味なことを怖い表情で言ってきた後急に表情が柔らかくなり、パッと両手を震わせながら来ました来ました~と言うようにして俺たちに言ってくる


「ということで、副教師として君たちを救った夢圦美奈さんが来てくれましたぁ~~」

(あぁ、救ってくれた人だ)

「それでいえば君たちを救ったのは四季春でもあると思うが?」


そんなことを美奈さんは言ってくるもんで…

え?そうなの?四季って俺達救ってくれてたの?


「まぁ救ったというほどの事ではないけど…倒れている人を運んだのは確かですね」

「あ、美奈さんの後ろに立ってた男の子って四季春君だったんだ」


え~何それ、俺気絶しててそこら辺の話まったく知らへんよ?

とりあえずは倒れてる俺を運んでくれたってことでいいのかな…


ー------------

主人公魔法


水天冥王→水蒸気爆破のようなもの

水天王→水版光線と思ってもらっていいです

水天→水を自由自在に動かし、麻痺と魔力吸収を行う

結界術・ヒオリ→ある程度の範囲内を氷化にする

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因子録~崩壊する運命の中、命を繋ぎ最強へ~ 春音 @harune1212

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