第14話 ソフィア・オルガリア嬢


『アレイ邸・リビング』


「着替えて来ました~!アレイ様~」


タプン!タプン!タプン!


揺れが凄いわ!


「レイカさん。見すぎです」


「レイカさん?」


ボインボイン‥‥‥‥失礼。ソフィアさんがやっと私の存在に気づいてくれた。


「うわぁ!可愛い方。お人形さん。みたいです~」


ゆるふわボイスがなんとも耳心地良い。


「鬼の形相の間違いですよーー!ソフィアさ‥‥‥‥」


「おらぁ!!」


私はキッチンの方に向かって。収納鞘から取り出した。頼竜の琥珀をエドワード君が入るキッチンに全力で投げた。


「がはぁ!‥‥‥‥」


「ふぅ、ようやく。静かになりましたね。ソフィアさん。こちら、今日から冒険者になりました。レイカさんです」


「よ、よろしくお願いします」


「ふぁ、ふぁい!」


「レイカさん。この子は私の現在の一番弟子のソフィア・オルガリア嬢です。ソフィアさんは上流貴族のご令嬢で。花嫁修業で現在、私の所で預かっています」


「は、花嫁修業?!冒険者の修業じゃなくですか?」


「まぁ、それも込みですが‥‥‥‥将来の王の妃候補の修業の場でもあるのですよ。代々うちの家では」


「はい~!頑張って修業しています~」


ソフィアさんはそう言いながらニコニコしている。


「へ~!凄い人なんですね。ソフィアさんって」


「ソフィアだけでいいですよ~!レイカ様」


「レイカ様?じゃ、じゃあ、ソフィア!私もレイカだけで‥‥‥」


「はい~!よろしくお願いします~。レイカ様~」


「‥‥‥いや、レイカだげで」


「はい~!レイカ様~」


「もういいです。レイカ様で」


「はい~!レイカ様~」


あぁ、この人天然だ。


「そうそう。天然なんですよ。ソフィアさんは」


「あれ?心の声漏れてた?」


「まぁ、妃候補はソフィアさんだけではありませんがね。魔術ギルド、魔剣士ギルド、剣技ギルド等のギルマスの所にも数人のソフィアさんのライバルである妃候補が存在します」


「はい~!好敵手がいっぱいです!」


がたっ!ユサユサ!


ソフィアがその豊満な胸を激しく揺らしながら。いきなり立ち上がった。


「そして、いきなりだけど明日は魔剣学園の入学試験があるです」


アレイちゃんが唐突にそんなことを言い出した。


「そ、そうなんですか?それは‥‥‥それは。が、頑張ってね。ソフィア」


「はい~!頑張ります~」


「何を他人事の様に言ってるんですか?姫君!」


いつの間にか、エプロンを着けて料理をしているエドワード君が私の隣に立っていた。


「うわぁ!何でいきなり現れて。それに何よ?他人事の様にって?」


「いえ!姫君‥‥レイカさんも。明日、魔剣学園の入学試験ですよ。ソフィアさんと一緒に!」


「はい~!頑張りましょう~!レイカ様~」


「はぁ?今なんて言ったの?」


「レイカさんも。明日、ソフィアさんと一緒に魔剣学園の入学試験です。はい、願書」


「はい!本人確認の書類です」


「ヌリヌリ!はい、押印」


「ちょっと!いきなり、変な液体を私の手に縫って?!」


つうか、エドワード君とアレイちゃんの息がピッタリなのは何なの?


「はい、ここにどうぞ」


「よいしょっと!」


ポチッ!


私はされるがままに何かの書類に手押し判子をさせられた。


「はい!これで明日、レイカさんはソフィアさんと共に魔剣学園への試験を受けれるようになりましたよ」


「頑張って下さいね。レイカさん。では、僕は今日の料理を作って来ますのでこれで」


シュン!


エドワード君はそう言い残すと。その場から一緒にして居なくなった。


「はい、では、二人共。明日は頑張って下さい。レイカさん。ソフィアさんのお守(も)り‥‥‥オホン!介護頑張って下さい」


「はい~!私、明日は頑張ります~!」


介護って!‥‥‥言い直しの方が失礼な事を言っていることに二人は気づかなかったのだろうか?


ていう、王都に来て。まだ、1日しか経ってないのに。冒険者ギルドに入らされて。その次は、魔剣学園?

いや、確かに魔法学園に入る予定ではいたけど。

話が早く進みすぎよーーー!


私は心の中でそう叫けんだ。‥‥‥その後は、やることもないのでキッチンに行き。エドワード君の料理作りを手伝うのであった。


ちなみにソフィアとアレイちゃんはエドワード君が料理中はキッチン内立ち入る禁止との事。


「なんで?」


っと私が聞くと


「あの二人に料理させると食材や鍋が爆発します」


とのことだ。確かに、ソフィアが料理をしている時にものすごい音が聞こえてきたのを思い出した。


「それよりもビックリしました。姫君が普通に料理できるとは」


「当たり前でしょう。カンナギの女は料理ができて1人前なんだから」


「グサ」「グサ」


「そうらしいですよ!アレイギルドマスター、ソフィアさん」


いつの間にか、ソフィアとアレイちゃんが私達の様子を見に来ていた。しまった!私のさっきの発言聞かれた?


「お、お花摘(はなつみ)に行って来ます~」


「片付けないといけない書類がありました」


凄い動揺して二人は何処かに行ってしまった。


「ブフゥ!ワハハハ」


大爆笑する。エドワード君。


「君ねぇ!!わざとでしょう?」


「まぁ、まぁ!先ほど受けた暴力の仕返しですよ。仕返し。ささ、早く料理を完成させましょう。姫君」


エドワード君はそう言うと何品もの料理を完成させ皿に盛り付け。移動魔術で食卓へと料理を並べられた。


ちなみに料理の味の方は、悔しいことに凄く美味しかった。


途中でふらっと現れた。アレイちゃんとソフィアも満足気にエドワード君の料理に舌鼓(したつづみ)をうっていた。



次の日


「はい~!受験生はこっちに並んで~!」


「そこ!列を乱さない!失格になりますよ!」


「私語は慎んで下さい!」


私、ソフィア、暇人のエドワード君とソフィアが心配だったのか。ギルマスの仕事がある筈のアレイちゃんを含む。私達4人は魔剣学園へ、試験を受けにやって来たのだった。

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