第12話 三人の九聖光
王都・城下町
「号外!号外だよーーー!!九聖光の一人『ユグドラの治癒師』が辞任した!!号外だよーー!」
「号外!号外!」
「あぁ、数ヶ月前から行方不明だった。九聖光が
辞任だああ?教団にでも殺されちまったんじゃねえのか?」
「あら?あら?長年頑張ってたのにねー!もったいない」
城下町では、あっちこっちに新聞が乱舞し。王都の民はあちらこちらで噂話に花を咲かせている。
「はぁ~なんて事でしょう」
頭を抱える。アレイギルドマスター
「なんて素晴らしい日なのでしょう」
満面の笑みを浮かべる。『ユグドラの治癒師』事。元『九聖光』。エドワード君
なんとも対照的な二人なのだろう。見ていると少し面白い。
「でもすいません。アレイちゃん。アレイちゃんの家に居候する事になっちゃって」
「‥‥‥いいえ!良いんですよ!レイカさん。私の家は結構広いですし空き部屋もありますから。それとこちらの大陸には来たばかりで住む場所もお金は‥‥‥溜(たん)まりありますね。‥‥‥ですが、王都の暮らしの慣れるまでは、私が貴女をサポートしますよ」
「いえ、でも!」
「良いんですよ!レイカ様。初期投資です。初期投資。将来有望な新人冒険者を囲っときたいギルマスの策略ですよ。策略。ですよね?アレイギルドマス‥‥‥」
「オラア!」
「ゴフッ!」
エドワード君が城下町の空へ向かって飛んで行った。
「うわぁ!びっくりした!」
「全く。レイカさん」
「は、はい!」
「彼が言ったのも事実ですが、貴女が心配でサポートしたいというのも私の本心です。ですから、安心して下さい。レイカさん」
アレイちゃんはそう言うと。私の両手を掴んだ。
「は、はい!アレイちゃん」
「ありがとうございます。‥‥‥貴女は素晴らしい剣技の才がありますね。その才能をどうか我が冒険者ギルドで伸ばしていって下さい。その為のサポートは我等、ギルドが全力でサポートしますので」
「は、はい!頑張ってみます」
「アレイギルドマスターはですね。こうやって才能ある方の育成や教育をされているんですよ。レイカ様」
「エドワード君?いつの間に?」
「一瞬。天界が見えましたよ!、(笑い)」
「ふん!大袈裟な」
悪態つく。アレイちゃん
「まぁ、悪い人ではありませんよ。冒険者で挫折した子には、魔術学園や魔剣士学校への編入金を肩代わりしたり。ギルド本部や地方の各ギルドへの就職斡旋も積極的にやってますので。アレイギルドマスターに教育を受けた方達は皆、ある程度、大成しています」
「えぇ、貴方いがいですがね!エドワード・ユグドラ!!何故、いきなり。九聖光を辞めたのです?十年以上勤め上げていたのに!」
「いえ、だって!王宮が僕を辞めさせるとか、アレイギルドマスターに聞いたからでして」
「いや、ちょっと待って?九聖光を十年以上勤めたって?エドワード君。貴方、15才でしょう?十年以上前?4才で九聖光になったって事?」
「えぇ、そうですよ。僕、天才でしたので」
「今は、おバカさんですよ。全く!レイカさん。今は、こんな、おバカさんですが幼少の頃のこの子はまさに天才でした!」
「でした?」
「‥‥‥まぁ、色々ありまして。今は治癒師に専念してます」
「そうですね。色々ありましたね。貴方には、‥‥‥まぁ、そんなこんなで齢(よわ)い僅(わず)か4才で九聖光の末席座ったんですよ。このユグドラ君は」
「まぁ、その後は、色々と頑張りましたし。退職金もガッポリ貰いましたので。後は、のんびりと迷宮探索と余生を‥‥‥」
「させるわけ無いだろうがああああ!!!エドワード!!!」
ドガアアアアン!!
「くっ!」「うわぁ!何よ?」
「‥‥‥すみませぬ。御二人とも。お怪我はありませんか?」
そんな、声をかけてきたのは赤紫を基調とした着物を着た。美しい女性だった。
「神楽君に!それとあれは九聖光のベルウッド氏ですか‥‥‥」
「はい!アレイ殿。王のご命令でユグドラ殿を連れ戻すようにと」
「‥‥‥そうですか。やはり」
「はい!九聖光に戻るよう説得してくるように私とベルウッド殿に」
『九聖光・カグラ・ヨル』
「エドワード!お前、数ヶ月間。行方不明だった挙げ句。帰って来るなり。九聖光を辞めるとはどういう事か説明しろ!」
「いえ、もう十年近くやってますし。身体もボロボロ。そろそろ、隠居しようかと」
「嘘をつくな!!!」
「おっと!危ない!」
ドガアンンン!!
「何が身体もボロボロだ!ピンピンじゃねえか!‥‥‥いいや、これは王宮からの命令だ。お前を連れ戻す来い!」
『九聖光・ベルウッド・アインズ』
「絶対に嫌ですな」
『元・九聖光・ユグドラの治癒師』‥‥‥‥‥‥‥‥‥別の名を『元神ノ使徒・ユグドラ』
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