第11話 合格と『九聖光』を辞任する

「‥‥‥この?剣技は?‥‥‥‥」


「やれやれ‥‥‥相変わらず。出鱈目(でたらめ)な力ですな。姫君‥‥‥」


私の『円舞』を見てドン引きしているギルマスとエドワード君。


そして‥‥‥‥


「ぐぐうぅぅ!参ったのである!そして合格である。‥‥‥そして、そして、頭の髪が無くなったのであーる!!!」


悲しみに暮れる。ナルーシスト試験官(禿げさせてしまった)


「闘技場の岩壁も無くなりましたからね。‥‥‥ユグドラ君‥‥‥いえ、ユグドラ!後で話があります」


「‥‥‥‥ぼ、僕はありませんな」


汗をダラダラ流す。エドワード君。


「ナルーシスト試験官。後始末は頼みます。お頭は‥‥‥何とか労災扱いにして‥‥‥お金を出しますから‥‥‥‥育毛でも試して下さい‥‥‥」


「ツルツルなのであるーー!!」


泣き叫ぶ。ナルーシスト試験官。


「‥‥‥‥場所を変えましょう。応接室に移動します」


ギルマスはそう言うとナルーシスト試験官を置いて私達二人を応接室に案内書してくれた。


『応接室』


「はい!これが貴女の冒険者カードです。手をかざしてみて下さい」


「こ、こうですか?」


私は言われるがままに冒険者カードに手をかざした。

すると。


「うわぁ、光だしたー!」


「はい、これでギルドの登録は完了です。レイカさん‥‥‥では、改めて。私はこの王都『アルベルト』の本部のギルドマスター『アレイ・ビクトリア』と言います」


「アレイギルドマスター?」


「まぁ、私の呼び方はお好きに。何らアレイちゃんとでも‥‥‥」


「ブブゥゥ!ちゃん等と言われる年齢はとうに終わって」


ドガアアアアン!!


「がはぁ!!!」


「‥‥‥‥へぇ?」


エドワード君が一瞬にして応接室の壁までぶっ飛んだ。


「相変わらずですね。ユグドラ君?貴女はもうちょっと、女性に気を使いなさい。色々と」


「‥‥‥‥はぁい‥‥‥ガクッ!‥‥‥」


「つ、強い!」


「エッヘンです。全く、昔はあんなに可愛かったですのに、最近は手が浸けられなくなってきましたね」


「昔は可愛かった?」


「ええ、見ますか?‥‥‥パチン」右手を指パッチン


ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ


アイテムボックスから出るわ出るわ。あどけない少年の色々な姿をした絵みたいな物が‥‥‥


ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ


出るわ


ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ


出る‥‥‥‥‥


ドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバドバ


「もう、良い!もう良いです!!!アレイちゃん!死んじゃうから。このままだと酸息ができなくなって、皆死ぬから。つうか、やってるん事さっきのエドワード君と一緒だから!!!」


ドバドバドバドバドバドバ


「あら?そうですか?こんなに可愛いのに!エイ、パッチン」再び右手を指パッチン。


「ハァハァ!最近、こんなのばっかり!ハァハァ」


「いやはや、窒息するところでしたな!レイカ様」


いつの間にか、意識を取り戻した、エドワード君が部屋の壁に飾られているキングヘラジカの剥製の角にぶら下がりながら。私に言ってきた。


「貴方、いつの間にそんな所に?」


「魔法・『浮遊』で浮かびました」


「『浮遊』?そんな、魔法もあるんだ」


「‥‥‥‥ごく一部の魔法使い特化の者しか使えませんよ。それにこの大陸は剣技と魔法。両方使えるものが一人前の大陸ですから。ユグドラ君はまだまだですよ」


「ハハハ、これは手厳しい。アレイギルドマスター」


「ちゃんと使えるくせに。ひた隠しにしてるのがいけないのですよ。ユグドラ!なんなら。貴方を『九聖光』から降ろすと言う話も出てて‥‥‥‥」


ピカン!


「そ、それは本当ですか?アレイギルドマスター?!」


何故か目を光らせて喜ぶ。エドワード君


「ええ、本当です。‥‥‥‥ですが、いきなりと言う話では‥‥‥『禁忌の森』で新しく発見した新薬草の実績

もこの後、着いて来るでしょうし。って何処に行こうとしてるんですか?ユグドラ君?!」


「王宮に行って『九聖光』の退職届を出してきます」


「はぁ?!!!」


「では!」


「ちょっと。このおバカさん待ちなさいーー!」


アレイちゃんが叫びながら呼び止めたけど。そんなのには聞き耳も立てず。エドワード君は眼前に見える王宮・『アルベルト』へ向かって行った。


「あの、おバカさん!!!」


「えっ?どうなるの?」


私達は応接室で数時間。エドワード君の帰りを待った。


ガタン。


「いや~!やっと!解放してくれましたよ~」


メチャクチャ笑顔のエドワード君が応接室の窓から現れた。


バチンコーン!


「あっ?!痛い!」


「それで?どうなりました?」


「はい!アレイギルドマスターの進めもあり。『九聖光』を辞任したいと言ったら」


バチンコーン!


「あっ?!痛い!」


「ユグドラ君。後でお説教です」


「はい!別に良いですよ。それで続きですが、他の『九聖光』も現れての大乱闘スマッシュに発展しましてね。」


「はぁ、何て事を」


「その後、僕のブラザーズも来まして。‥‥乱闘になって、最後は無事『九聖光』を辞任できました。オシャーーア!!」


「こんの!おバカさんがあああ!!」


ガッツポーズで右腕を天高くあげるエドワード君とおもいっきりぶちギレるアレイちゃんが応接室で叫びまくっていた。

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