最終話:お帰りラパン。

ラパンと鋼太郎がいいい感じでラブラブしていた時、月からまたひとり

ドワーフ族のウサギちゃんがやって来た。


今度はラパンの家に従事しているメイドのひとり・・・名前は「シナモン」


なんでもラパンの父親がご逝去あそばしたって知らせを持って来たみたいだった。


「それは一大事・・・「お嬢様お知らせせねば・・・「

「急いでネザーランドに帰らねばなりませんね」

「お嬢様を呼んできますからシナモンはここで待っていてください」


その日は鋼太郎は学校が休みだったのでラパンと庭でリッチにコーヒー

なんか飲んでいた。


「お嬢様・・・大変でございます、旦那様が・・・」


「え?お父様が?」


どうしたこうした、かくかくしかじか・・・。


「え?ラパンのお父さんが亡くなったって?」


「そうですコウタロウさん」


「ラパン、気を落とさないでね・・・大丈夫?」


「大丈夫ですよ、コウタロウ」


ラパンは動物園のウサギの時より落ち込んではなかった。

父親の死よりウサギのほうが大事なのかよってツッコミはなしで・・・。


「さあ、お嬢様、すぐにネザーランドに帰りましょう」

「帰って旦那様のご葬儀を・・・冥福をお祈りしませんと・・・」


「そうね・・・でも、待って・・・一度ネザーランドに帰ったら、私当分

地球には戻って来れなくなっちゃいます」


「お父さんのお葬式が終わったら、また戻って来てくれたらいいじゃん」


「コウタロウさん、我々ドワーフ族にはしきたりがありまして家中に不幸が

あった場合は当家の人は一年間は一歩も外に出てはいけないのです」


ベルジアンが言った。


「え〜そうなの?ラパンと一年も会えないの?、まじで?」


「私、コウタロウのことが一番大切だけど、親不孝はしたくないんです」

「だから、ネザーランドに帰ります」

「寂しいけど、私がここに戻ってくるまで辛抱して待っててくれます?」


「そうなんだ、やっぱり帰っちゃうのか?」

「しかたないよね・・・普通の用事じゃないからね」


「ごめんなさい・・・戻ってきたらプレゼントあげますから楽しみにしてて

ください」


「え?プレゼントって・・・なに?」


「もらったら、きっとコウタロウが喜ぶものです」


「分かった・・・楽しみに待ってるし、毎日望遠鏡で君がいる月を見てるよ」


「それから、コウタロウ紹介しておきます」

「こちらメイドのシナモンと言って、お嬢様のお屋敷のハウスメイドです」


「はじめましてシナモンと申します」


「はあ、どうも・・・シナモンさん」


(めっちゃ可愛いじゃん・・ドワーフ族の女性はみんな可愛いんだな?)


「シナモンはお嬢様がここに戻って来るまで置いていきますから」


「え?それはまたなんで?ベルジアン」


「連絡のためです」


「連絡?・・・連絡って?」


「シナモンはテレパシーが使えるんです」

「だから月と地球との連絡はシナモンを通して行います」

「他に通信手段はございませんからね・・・」


「コウタロウ・・・私、あなたと毎日お話ができないなんて悲しくて

泣いちゃいます・・・」


ラパンは今にも泣きそうにそう言った。


そしてラパンとベルジアンはメイドのシナモンだけ残してネザーランドに

帰って行った。


さて、鋼太郎の家に残ったシナモン、まるで自分がお世話になってる

屋敷みたいに甲斐甲斐しく働いた。

一番、驚いたのは母親の美和さんだった・・結局美和さんはなにもすることが

ないので昼寝ばかりして5キロ太った。


「鋼太郎、あなたいっそ、あのメイドさんお嫁にもらいなさいよ」

「とっても働き者でいい子じゃない」


「あのね、俺にはラパンがいるんだから、嫁さんなんかもらえる訳ないだろ」

「そんなことしたら奥さんが妊娠してる間によその女をつまみ食いるダメ旦那と

同じレベルだよ」


「あんた、よくそんなこと知ってるわね」

「まあ、うちの茂さんも私があなたを妊娠してた時、危なかったけどね」


そのことは、実はラパンも心配していた。

コウタロウの家に残したシナモン・・・もしかしてコウタロウを誘惑しないかって。

その逆もある。


だけどその心配はなかった・・・とも言えなかった。

鋼太郎はシナモンに興味津々だった。

まったく男はこれだから・・・。


そういうもんなんだろうか、男って・・・それって本能?

きっとそうなんだろう・・・それがひいては子孫繁栄に脈々とつながって

いるんだから。

なにはなくても子孫は残さねばね。


それでもご主人に忠実なシナモンは立派に貞操を守って、

で、鋼太郎は一年間シナモンを通じて毎日ラパンと会話していた。


その日、シナモンが言った。


「コウタロウさん、もうそろそろ一年経ちます」

「お嬢様が戻ってこられますよ」


「お〜そうだ・・・もう一年経ったのか・・・経ってみたら早いもんだな」

「待ち遠しいな〜」


「今週のうちにはお戻りかと・・・」


「ありがとうシナモン」


「どうしたしまして」


笑顔で微笑むシナモン。

鋼太郎はそのままシナモンにダイブしたかった。


「だってメイドさんだろ?・・・メイドさんの衣装ってダイブしたくなる

じゃないかよ」

「豊満な胸・・・フリルのついたメイド服、フワッとしたスカート」

「ダイブしたい・・・」


もしシナモンから、おいでって言われてたら鋼太郎は行っていたかもしれない。

シナモンがそれ以上求めていたら危なかった。


浮気はいけない・・・鋼太郎は自分に言い聞かせた。


ある夜のこと。

鋼太郎は望遠鏡でラパンのいる月を見ていた。

そしたら望遠虚のレンズが真っ暗になっていきまり見えなくなった。


「え?・・・壊れたか?」


そう思って望遠鏡を確認しようと顔を離したら・・・ば。

望遠鏡の目の前・・・そこに丸い金属の球体は空中に停滞していた。

その球体の上部がパカッと開くと、しびれを切らして待っていた人物が現れた。


その子は、鋼太郎の前までやって来てこう言った。


「あなた・・・地球人?」

「ですよね・・・コウタロウ?」


「君は?」


「私は、月のネザーランドってところからやって来ました」

「ラパンって言います・・・よろしくね、ふふっ」


「お帰り・・・ラパン」


さて、ラパンがネザーランドに帰るとき一年経ってコウタロウのところに

戻ってきたらプレゼントがあるって言ってましたが・・・あれはどんな

プレゼントなんでしょうね。


もし、次回があったら、それが何なのか分かると思いますが感の鋭い人は

もう分かったでしょう。(=^x^=)


あ、そうそうラパンは鋼太郎のもとに戻ってきましたが、ベルジアンも・・・

やっぱり戻ってきたんですね〜。

そしてシナモンも、そのまま鋼太郎に家にメイドとして残ったみたいですよ。


めでたし、めでたし。


おっしまい。










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感度良好ですわ。〜月にはウサギが住んでいる〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

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