第2話:エスコートお願い。
「私、月のネザーランドってところからやって来ました?」
「ラパンって言います・・・よろしくね」
「・・・・・・」
「よろしくねって言ってるんですけどぉ?・・・」
「あ、よろしく、ラパン・・・ラパンちゃん」
「あなたお名前は?」
「
「わ〜私と同級ですね・・・」
「ってとで、コウタロウくん・・・は〜じめましてぇ」
「ここで会えたのも何かの縁・・・仲良くしましょ」
「同級生って?・・・君も高校生?」
「そう、バタゴニアン女学園に通ってるバリバリの女子高生です」
「訳あって今は休学中ですけどね」
「訳あって?」
「そう、今私、家出中ですから」
「家出?」
「女の子はナイーブなの・・・いろいろあるんです」
「でもよかった、無事に地上に降りることができて」
「もうUFOが故障した時は死ぬかと思った・・・途中でおかしくなるんですもん」
「それにベストタイミングでコウタロウが見つけてくれて助かりました」
「さてと・・・これからどこへ行こうかな?」
「って言っても私、この星のこと右も左も分からないしぃ・・・」
そう言ってラパンは探るような甘えるような目で鋼太郎を見た。
「よかったらぁ、コウタロウが私をエスコートしてくれませんか?」
「タダとは言いませんから・・・よかったら、これ食べて?」
「なに?」
「おもち」
「私たち日常的にお餅ついてますからね・・・」
「ほら、うどん県の人たちが日常的におうどん食べるみたいに・・・」
「だからコウタロウにあげます」
「お餅?・・・あ、ありがとう」
このお餅・・・実はただのお餅じゃないんだ・・・そのうちお餅が活躍する
時が来るかも・・・。
「ね、だから〜エスコートお願い」
「エスコート?・・・俺が?・・・君の?」
(こんな場合どうしたらいいんだろ・・・これってファーストコンタクトだよな)
(めっちゃ貴重な体験してるよな、俺)
(ドワーフ人とのコミュニケーション・・・こんなチャンス他の人たちに取られ
たくないな)
「行くとこないなら俺んちへ・・・」
「君・・・ラパンちゃんさえよかったら俺の家に来る?」
「はい・・・お願いします」
「あの、君が乗ってきたUFOここに残したままじゃマズいんじゃないの?」
「大丈夫・・・このポンコツ時間が経ったら溶けちゃうようセットしましたから」
「え、溶ける?・・・溶けちゃったらラパンちゃん自分の星に帰れないじゃん?」
「いいの、どうせ帰れませんから・・・故障してて飛べませんからね」
「そうなんだ・・・気の毒」
「まあ、今の地球の科学技術ならラパンちゃんが月に帰るって言っても問題ない
とは思うけど・・・」
「絶対、帰りません」
「当分、月には帰るつもりありませんから・・・それにどこで生きたって同じ
でしょ?」
「それより私、星に帰るより大事なモノ見つけちゃいましたし・・・」
「大事なモノ?・・・地球に来ていきなり?・・・大事なモノってなにそれ?」
「聞きたいですか?」
「うん、聞きたい」
「まだ内緒です」
それが、ラパンが鋼太郎の家に居座ってる理由なのです。
とぅ〜び〜こんて乳。
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