第8.5話
「ウスター・ゼン・クラウスィスは今より200年ほど昔、クラウスィス王国28代国王、アドレンス・ゼン・クラウスィスの弟であり幼き頃は神童と呼ばれるほど賢い人であったとされています」
とある学院の貴族学にてウスターが話題に出てきた。
「先生、でもウスターと言えば国家反逆罪で処刑された大罪人ですよね?なんでそんな人を学ばないといけないんですか?」
「同じ過ちを起こさせない為です。さてウスターとその兄アドレンス様との兄弟仲は良かったとされており、当時これほど仲のよい兄弟なら王国も安泰だと言われたと伝わってます。しかしアドレンズ様が王位を継承しウスターが公爵となった時から変わり始めました。」
「悪政をして民を苦しめたんですよね?」
1人の生徒が先生に尋ねる。しかし先生は首を横に振り黒板に書き始めた。
「悪政をしたというのは間違ってはいませんがそれは後世での捉え方です。ウスターは公爵になるとまず初めに税を下げました。当時の民たちの記録によれば大変嬉しかったみたいです。しかしウスターはその後間違えてしまった。領地経営というのは小さな問題を少しづつ解消していくものですがウスターは大きな問題を先に解消しようとした。その結果起こるのは…分かりますね?」
「経営の為の資金が底を着くんですね?」
生徒の答えに先生は頷き説明を再開する。
「ええ、しかし解決策は山ほどあるのですがわかる人はいますか?」
「1度下げてしまった税は上げられないので、屋敷の美術品を少し売りその資金を元手に小さい問題に取りかかることですよね?」
「ほとんど正解です。しかしウスターはそれをせず税を一気に上げてしまった。それにより民が飢え領地は貧しくなりこれにより国家反逆を企てたとされています。諸説はありますがこれが有力とされています」
こうして授業は進んでいく。
ウスター…後の世で反面教師とされていた。
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