第6話
「漣、お前が負ければ2つの世界は滅びるんだ…スカイセント…あいつを守ってやってくれよ」
ニュース番組を見ながらつぶやく初老の老人。彼の名前を知る者はいない。
「ん?異世界配信だと?スカイセントだな…こっちの世界の人はもう知ってるが気になるんだろう…俺も息子がなすこととあっちでの生活を見守ってやるか」
そういって全世界の端末にいつの間にかインストールされていたアプリを開いた。
~本編~
「おい、3人とも、いや国王もすこしいいか」
ウスターの子供を待つ間スカイセントがそう聞いてきた。
「スカイセント、どうしたんだ?」
俺が代表して質問する。
スカイセントはどこから取り出したかもわからないカメラを取り出しいった。
「国王は分からぬかも知らんが今から配信をやるぞ。最高神様からの指示だ。配信先はお前たち3人のいた世界…」
「儂にもわかるように説明してくれますか?スカイセント様」
「配信しながらするとしよう。カメラの横にこっちの世界に翻訳されたコメントが表示される」
・お、はじまった
・俺たちはもう大体わかるんだが説明してくれ
・召喚されたのはたしか30人だったよな。なんで3人しかいないんだ?
・ほか2人は異世界人か?
・美少女と渋いおじさんだな
「まずは全員自己紹介からだな。マスターたち勇者から先にしてくれ」
スカイセントがそういう。コメントもすごい勢いで流れており国王は不思議がっているがそんなことには構ってられない。
「皆さん初めまして。俺は斎藤漣…1週間前までは普通の高校生でした」
「俺は藤堂誠だ。一応学級委員長をしていた。よろしくな」
「私は佐藤由美。副委員長をしていたんだけど今は勇者?よ」
俺たちが自己紹介していくと頑張れコメントが多く流れてきた。訳が分からない。
スカイセントが次にフリーズしてる国王を叩いて再起動させた。神刀だから国王叩いていいのかな?そこらへんは分からない。
「視聴者?の皆。儂はクラウスィス王国、28代国王のアドレンス・ゼン・クラウスィスだ。まださっぱりわからんがよろしく頼む」
・まさかの国王w
・ってあの女の子国王叩いてなかったか?
・国王叩いていいのか?
・ずるいぞ国王、そこかわれ
「女の子言ってくれるのはうれしいが私は人に姿を変えてるだけぞ?あらためて、私は神刀、スカイセントだ。なかなか口調が定まっとらんが勘弁してほしい。地球人にはある程度は伝わっておるか。と、そうだ。召喚された人の大半はすでに洗脳されてしまった。そこはあとからじゃ」
・洗脳?
・ふざけんな国王‼
・おいおい冗談だろう?
コメント欄が荒れる。それを見たスカイセントは上を見上げ独り言をつぶやいていた。
しばらくして戻ってきたスカイセントが静かに口を開く。
「召喚されたときの様子を最高神様が動画にして投降したそうだ。ちなみに召喚したのはこの国ではない。じゃぁ簡潔に言おう。この世界がもし滅びれば地球も滅びる。だから2つの世界の運命は…今ここにいる勇者3人、正確にはマスターにかかっている」
あ、スカイセントがコメントを非表示にした。まぁおれも滝のように流れるコメント欄を見たくないのでいい。
「どういうことだ?2つの世界が連動してるとでも言うのか?」
「そうだ。正確には2つの世界の距離が近いのだ。だからこの世界が滅びればその余波であっちも滅びる。並行世界でもあるのだ」
スカイセントの言葉はまったく分からなかった。
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