第5.5話

「なぁ漣のやつあんなに怖かったのか?さっきの間違ってたらウスター、だったか?殺してたぞ」


 俺は国王たちと話し込んでる漣を見ながら佐藤さんと話してる。

 この数時間で俺たちが漣に抱いていたイメージが崩れていくのが分かった。

 誰ともしゃべらずに教室の隅で本を読んでおとなしく俺たち学級委員の話を一番聞く。クラスで唯一俺たちが好印象を持った人…。漣の嘘を見抜く能力には助けられていた。

 それが数時間で…。俺たちよりも積極的で怒らせると怖い。


「さすがに齋藤君でも殺しはしないんじゃないかな。脅しだけだったと…」


「いや、マスターは殺しかけてたぞ。あのままウスターがわめいてたら本当に殺していたであろうな。いや実際に傷は私が回復させたが少しでもどちらかが動けば頸動脈を斬っていた。マスターは頸動脈ぎりぎりで私を止めていたのだよ」


 そういってスカイセントさんが話に入ってくる。


「そう、なのか。でもなぜあいつは容赦ないんだ?あっちでは人殺したら捕まる…なんで俺たちと一緒に来たあいつが人を殺そうとできるんだ?」


「マスターには少なからず前マスターの血が流れている。そしてマスターは前マスターの記憶を少し受け継いでおり、ステータスに至ってはそのまま受け継いでおる。さらに召喚され勇者になってることでまた強化されとる。少なくとも人族が一丸となり殺しにかかっても平気だろう。少なくとも個人の力ということで見ればこの世界最強になる」


 そんなスカイセントさんの話を聞いて俺は漣に一生ついていくことを決めた。

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