第4話
「誰だっ!!て国王陛下!!国王陛下がお戻りになられたぞ!!急ぎ王女殿下にお伝えせよ!!」
警備をしていた騎士が叫ぶと近くにいた兵士たちが王宮に駆けていく。
「ちょっと良いか。なにゆえウスターは反乱を起こしたのだろうか…」
「はっ!!情報によりますればウスター公爵様を国王陛下が冷遇したと…。それにより領内が貧しくなり生活に困っていると。なので国王陛下を倒し自信が国王になることで国を豊かにするなどと宣言しております」
「嘆かわしいですな。そんな妄言を垂れ流すとは」
「あの…ウスター公爵とはどのような人なのでしょうか…」
佐藤さんが宰相に質問する。そりゃそうだ。俺たちはこの国のことを一切知らない。
騎士たちがせわしなく動く中を俺たちは会議室に向かいながら説明を聞いた。
「ウスター公爵はアドレンス陛下の腹違いの弟でね、公爵になるまでは神童とも呼ばれるほど頭がよく兄弟仲もよかったんだ。ただ…公爵になって領地を与えられてから内政に励みすぎてね。本当は少しづつ内政していかないといけないんだけどすべての方面で平等に内政を一気に行った結果貧しくなっていったんだ。その過程で資金も底をつきかけたんだけど、それにイラっとしたんだろうね。税金を8割に上げてしまったんだ。その結果領民は非常に貧しくなってね…最近は領地が貧しいのは陛下のせいだ、って騒いでいたんだよ」
「そうだったんですね。それにしても…今回の戦勝てるんですかね」
「難しいですよ。こっちの戦力が3千しかいないんですから。斎藤様、藤堂様、佐藤様、お父様を助けていただきありがとうございます。私は第ニ王女のクラウディアと申します」
話に入ってきたのは俺たちより少し年下に見える王女殿下だ。薄桃色の髪を束ねて、甲冑を身に着けている。
「三千ですか…」
「なぁ、宰相様よ。俺にちょっと任せてくれないか。策があるんだが…」
藤堂君が切り出してきた。その場にいた人達が藤堂君を見る。宰相が国王に目配せすると頷いたので作戦指揮をすべて藤堂君に一任することになった。
「藤堂殿、早速その策をお聞かせ願えますかな。誰か、王都とその周辺の地図を」
「これより、王都を中心として魔法無効化結界を張ります。結界の中で魔法は敵味方問わず発動しません。そして弓を王都にいるすべての人に配布、全員に建物の中に入れて窓もすべて閉じてください。兵士の方々はそれぞれに散らばって建物内に待機、近衛騎士団の皆さんは王族をお守りしてください。合図は…」
なんか藤堂君が敬語で話してるの違和感しかない。それで藤堂君の説明を聞いてとある人が頭に浮かんできた。
戦国時代、徳川軍の大群を2度も撃退した武将…真田昌幸。上田城の戦いを異世界で再現しようとしているのだ。
「合図に関しては私がやろう。念話が使えるのだ」
「スカイセントさん、ありがとうございます。それと…反乱軍が素直に王都に入ってこられるように門を開けて誰か公爵を騙す役を演じて貰えれば…」
「それに関しては俺が適任だろう。陛下は公爵が怖くて逃げたって言えば簡単に信じるだろうさ」
騎士団長らしき人が名乗り出た。
そうやって会議は続いていった。
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