第三章 父と息子と時代 その・・・前に
「はい、こんにちは。
朝方の視聴者はおはようございます。
深夜までYouTubeを見ている視聴者諸君、早く寝ろ!
はい、毎月、商店街の情報を発信するシューちゃんの『シューちゃん放送局』です。
えー、まずは先週放送した魚屋『しぶや』さんからの情報で今週は旬を迎えつつあるカツオの炙りイベントがあるそうで、商品を買った人の前で藁焼きの豪快な炙りが見られます!
そのあと、冷水で絞め、手早く切って盛り付けます。
店主の幸太郎さんのコメントもいただいています。
『本場では薬味と塩で食べるのが基本。いい塩とあぶりガツオの相性は最高なので、ぜひとも当日限定販売の藻塩と一緒に食べてほしい』とのこと。
試食させていただきましたが、非常にもっちりとした肉厚の身で、藁の香りと藻塩の海の香りが最高でした。
……
さてさて、本日紹介するお店はこちらの古本屋さんです!
え?
ただの古い木造建築のじゃないか? って?
はい、正解。
この古本屋さんは、この商店街でも一番古いお店なのです!
そして、最近、空きスペースを有効活用した喫茶店もオープンして買ってない本でも持ち出さない限り、店内で読めるとのこと。
素晴らしいですね。
書籍も古典文学から奇書まで様々。
なんでも一部ウワサでは、過去には生ける魔術書も扱っていたとか……
そんなホラーなうわさもありますが、店内はいたって穏やかな雰囲気で癒されます。
では、入ってみましょう。
こんにちはーぁ!
って、店員が暇つぶしにモデルガンの手入れをしてるんじゃないよ!
隠せ、隠せ!
……ここいらへんは編集入れとくから……
えー、テイクツー。
はい、こちらの古本屋さんに入店しましょう。
こちらのお店の特徴は、お店の奥に本の修理工場があることです。
個人のご家庭から幼稚園、小学校までお子様が傷つけた絵本などを店員さんが一冊一冊丁寧に修復します。
もう一つの特徴は、古本屋さんなのに何故か、コーヒーが妙に美味いことです。
店長の淹れるコーヒーはブラック通の人はもちろん、カフェオレなども美味いので通う人もいます。
……
って、親父!
何でいるの?
『こっちの勝手だ!』?
今日は家でおとなしく寝ている日だろうが!
あーーーーー‼
編集がぁああああああああ‼」
画面が消える。
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