第5話「ライバルからの挑戦状」


 ササさんとコンビを組んで半年程経過した頃、オレとササさんの除霊での出会いのきっかけをくれた、元家庭教師の生徒がオレを尋ね来た。


「報酬?」

「ジョレーの仕事、アッセンしましたよねー?」

「ああ、お陰で助かった。家庭教師か? なんかわからない事があったら先生に言いなさい」

「センセーとセートは卒業しました。私、イマ、大学生ですよ? オトナなんですよ?」


「デートって冗談じゃなかったのか?」

「覚えてるじゃーないですか? デートです。デートしますよ?」

「ええと、今日の仕事は──猫のミケを探すだ。忙しいな!」

「まるっきり暇じゃないですか! 今からデートいきますよ!」


 ある日、オレは凶悪な大学生からの挑戦状を受けた。


 名前はパセリだったか? パセリって日本人か? 差別になるから言わないが……。


 デート先は、アパレル関係の商店街だ。

 オレの金で、パセリがどんどん着飾って豪華になっていく。

 機嫌良くなっていくなら良いが、どんどん不機嫌になっていった。


「ツマンナーイ! 」

 原因はオレの言葉の中に有った。

「ササさんてナニヨ? 

『この服ササさんに似合うかな? 』

『ササさんならこんな事言わないよ』

とか、もうなんなのよー!

いい加減、半年経ったんでしょ?

さっさと付き合っちゃえば?

そして現実の女に幻滅して、別れちまえー!」

 ああ、その挑戦状受け取った。

「ササさんに告白する」

 泣きじゃくるパセリを家まで送った。

「ありがとう」

「どうって事ないさ!」

「やっぱり好き! 私はササさんのライバルになる」

「抱きつくな!」

「別れないと良いわね」

「ああ」

「でも別れても、私、あなたのスベリ止めになったげるから」

「……オマエばかだな」

「頑張れ!! 大好き。勇気を出して頑張れ。私は、あなたのスベリ止めだから。スベったら、連絡しろよ。きっとだよ」


「それはオレがオマエの受験の時に言った言葉だ!」


 ササさんとコンビを組んで半年。オレはササさんに告白する事を決意した。

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