第8話 †妹の友達†
おいらの中学のとき、いわゆるV系(ヴィジュアル系)バンドの全盛期だった。
当時おいらと、おいらの唯一の友達(幼馴染)は、バンドに夢中になっていた。
ギターなんかも練習した。
そして、おいら達は、放課後に道端で敬愛するバンドメンバーの名前を道端で叫びまくるという一風変わった遊びに熱狂していた。(ただのアホ)
その日も、家の前でおいら達はとあるバンドメンバーの名前を絶叫していた。
その時、偶然下校中だった妹の友達が通りかかった。
うちによく遊びに来ている子だった。
「‥あ」
おいらは固まった。
不運なことに、おいらが叫んだバンドメンバーの名前と、妹の友達の名前は全く同じだった。
妹の友達は、恐怖に怯えた顔でこちらをみている。
「!!!あ!違う違う!!!キミのことじゃないんだ!!ほんとだよ!!!同じ名前の、ゲイノウジンの話なんだ!!!」
おいらはその子に必死に言い訳をしたが、もはや後の祭りだ。
その子は完全にドン引きした目でおいらを見てその場を去っていった。
その日以来、その子がうちに遊びにきてくれることは二度となくなった。
妹よ、本当にすまない。泣
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