第4話 †消えていった眉毛†

中学にあがると、イケてるやつはみんな眉毛を細くする。


さて、おいらも細眉に憧れたわけだが、おいらは元々、怪我の影響で片方の眉毛が半分ない。


この怪我跡と、片側だけ半分な眉毛が、かっこよい眉毛を描くのに非常に邪魔なわけである。


そんなわけで、バランスをとるために、はじめは、もう片方の眉毛も半分なくしてみた。これで左右の差は整ったが、それだと、ある時点からいきなり細眉になってしまう。


というわけで、描いた部分と眉毛の部分がうまくつながるように、両方の眉毛を少しずつ、少しずつ削って細くしていった。


そうこうしているうちに、最終的に、おいらの眉毛は全てなくなってしまった。



‥なんて描きやすいんだろう。好きな形に眉毛が描ける!!

おいらは「かっこいい眉毛(をかけるまっさらなおでこ)」を手に入れた。




数年後、あの時、最高にかっこよいと思っていた、漫画キャラみたいにつりあがった眉毛の自分の写真をみたおいらは、恥ずかしさのあまり全ての写真をシュレッダーにかけた。








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