第3話 †黄色いメッシュ†
今、街には赤や青やピンク、紫、色々な髪型の人々が歩いている。人も髪も多様性の時代だ。
だがおいらの中学の頃は、まだそんな髪の色はなかった。染めてるやつは、金髪か、茶髪のどっちかだった。
おいらの家は、厳格クソ真面目な両親だったので、義務教育の間はそんな色にするのが難しいのはわかっていた。
でも、髪を染めてみたい。
というわけで、ある日の朝、母が早く出て行ったので、登校前のおいらは以前買ったとっておきの道具を取り出した。
チャッチャラ〜♪
「髪の毛に、黄色いメッシュを入れる道具〜!!」
もはや、あれが本当はなんだったのか、どうやって入手したのか、どこに売っていたのか、なんという名称だったのかもわからないが、おいらは、その絵の具みたいなチューブから黄色い染料を絞り出し、髪にぬったくって登校した。
黄色くなった髪に満足して教室に入ったおいらは、担任にすぐさま教室から連れ出され、保健室の水道で朝から髪を洗われた。
その謎の黄色い絵の具は、一瞬で水に流れて消えていった。
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