お出かけギャル。

悪楽キラに関する謎は多い。


学校に行きたくない理由、本人はああ言っていたけど、多分…二重人格が学校内で出てしまったのだろう。


昨夜も「みんなから気持ち悪がられて…」って言っていたし。

ここは俺の部屋。暗い雰囲気にいたたまれなくなり、キラにはうるふのところに行ってもらった。


俺は気分転換に趣味で書いている小説の内容を考える。


少し時間が経ち、心が落ち着いてきたのか、頭が働いてきた。

…そうだ。

昨日と今日。この2日間のことを短編小説にでもしてみよう。


「ふぅ…やるぞ。」


ーーーー


歩風くんにうるふくんのところに行って来いって言われたけど…。

インターホン鳴らすのなんか緊張する…。


「よしっ」


意を決し、いざインターホンに指を近づける!

ガチャッ


「え、キラちゃん!?」


急にドアが開き、驚いた顔をしたうるふくんが出てきた。


「あ、あははは~。歩風くんにうるふくんのところに行けーって言われて…。」

「なるほどねー。んー…」


なにかを考える素振りをしたうるふくんは、なんかエロかった…。

何を考えているんだオレは。

ゲスいことを考えているオレに気づいたか、気づいていなかったのかはわからない。


オレをを見たうるふくんは、にこっと満面の笑み顔に貼り付け、


「キラちゃん、まだ時間あるよね?」


質問を投げかけてきた。


ーーーー


ピコンッ

スマホにメールが届く。

うるふからだ。


「せっかくノッて来たところなのに…。って…は?」


メールの内容をそっくりそのまま言うとこうだ。


『やっほー✌^_^

なんか、家🏠に、キラちゃん❤が来たんだけど、ちょーっと🤏だけ、連れ回して🚗いいカナ?😁

あ、デート👩‍❤‍👨なんかじゃないから❌安心してネ🙏』


相変わらずのおじさん構文だ。

そこはいい。置いておく。俺は疑問に思ったところを率直に聞く。


『どこに行くつもりだ?』


数秒も立たないうちに返信が来た。


『まだ😞決まってない🙅‍♀ヨー』


こんなに短い文章に2つも絵文字をつけるとか一種の才能すぎるだろ。


『あぁ、そうですかー。

キラの安全を守るんだったら構わないぞ。』

『ただ、キラに傷の一つでもつけたら容赦しないぞ。

キラはうちの子でも、お前の子でもないんだからな。』


『了解🙆‍♀』

『今度😉は、歩風👨も一緒🙌に行こう🚗ね!約束🤝だヨ!!🥳』


最後の最後に絵文字を詰め込んで来やがった…。

適当に返信し通知が来ても無視した。


「さーて、またパソコンとにらめっこ大会だ。」


ーーーー


「OK出たよ!」


うるふくんのスマホを覗くと、淡白な文章と、おじさん構文で書かれたメッセージのやり取りがある。


「え、うるふくんっておじさん構文の人なの…?」

「あはは~なんかこっちのほうが可愛いかなーって思っちゃって…。

流石に常識はあるから、真面目なメッセージとか、普段の配信とかは控えてるけどね。」


配信…?

あぁ、そういえば、歩風くんとうるふくんがをしてるときに、「スパチャで稼ぎました」って言ってたな。

まさかとは思ったけど、本当に配信者だとは思わなかった…。


「ふーん。で、連れ回すって書いていたけど、オレをどこに連れて行ってくれるつもりなの?」


「僕の職場。」

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