揺れる思い、揺れる胸
アカンサスさんの家の中は散らかっていた。家の外観を見て大体は想像できていたが思った以上に汚い。ドワーフは大雑把だが工房はいつも綺麗に整頓されていた。埃っぽい部屋を進むうちに何だか工房が恋しくなった。
扉が開けっぱなしの奥の部屋には、描きかけの絵や作りかけの彫刻が置いてある。
アカンサスさんは乱雑にテーブルの上に置かれた本やらコップやらをガチャガチャはじに寄せてスペースを作り、形も高さもまちまちな椅子を僕達に用意してくれた。
そこに座ってこれまた形の違うマグカップを二つ持って来て紅茶を入れてくれた。正直飲みたくない。傷んでる気がするからだ。
アカンサスさんは僕達と向かい合う形でテーブルを挟みどっしりと椅子に座った。
「改めて私に名前はアカンサス、よろしくね、お嬢ちゃん、お坊ちゃん」
「初めましてアスカと言います」
「えっと、ヒカルです。よろしくお願いします」
「ゴドウィンの紹介だって?二十年前にあったばっかりだけど何かあったの?」
出た!エルフ特有の時間感覚のズレだ!やっぱりそう言うもんなのか。
「ゴドウィンがアカンサスさんに絵を描いて貰いたいと。今日はその話し合いに参りました」
アスカさんは丁寧な言葉で話している。流石社会人、ちゃんと常識を弁えている。
「そんな風に喋らなくていいよ?もっと楽な喋り方をしてよ」
「分かった、じゃあそれで」
「うん、そっちの方が君らしくて素敵だよ」
何だこれ。アカンサスはナンパしてるのだろうか。
「それで絵は描いて貰えんの?」
「いいよ。女の子の頼みは断らない事にしてるんだ。それに最近ゴドウィンは面白い物を作っているって噂でしょ?ちょっと気になってたんだよね」
「じゃあ早速行こう、外で待ってるから」
「せっかちなお嬢さんだ。でもいいよ」
アカンサスは部屋の奥に引っ込み出掛ける準備を始めた。僕らは外で待つ事にして早々に埃っぽい家から出た。外の空気は美味しく、僕は大きく深呼吸をした。
外で待つ時間はほんの少しであった。エルフの時間感覚でもっと遅れて来ると思ったがすんなり家から出て来た。
アカンサスの格好は先程はギリギリ大事な所が隠れる程度の布から、まあまあ大事な所が隠れる程度の布になっていた。正直どっちもエロい。ここまで来るとあんまり変わらない。
つまりさっきは家用のエロい格好で、今は外用のエロい格好なのだ。外出する時に横着しないどエロいエルフである。
流石のアスカさんも苦言を呈した。
「その格好で行くのか?見えそうだぞ?」
「これはエルフの伝統衣装だから」
マジか、絶対エルフの森に行こう。
アカンサスさんは玄関先に停めてある軽トラを物珍しいそうに眺めている。
「これが最近街で噂になってる奴か!見た事のない構造をしてるなぁ!うーん面白い!」
アスカさんはさっさと運転席に乗り込んだ。
「ヒカルは荷台に乗ってくれ」
「まあ、そうですよね」
僕が荷台に上がると何故かアカンサスさんも乗って来た。
「え、いや、アカンサスさんは前に椅子があるのでそっちどうぞ」
「いやいや、ここは特等席だろ?私はこっちに乗る」
「オッケー、じゃあ出発するから」
アスカさんは何の反論をする事なく軽トラを動かした。
アカンサスさんは荷台に立ってテンションを上げながら感想を勝手に喋ってる。
「凄いねこれ!どうやって動いてるんだろ!あっ!アメリちゃん、こんにちは!今日も素敵だね」
僕は座って乗っているためアカンサスの大変魅力的な太ももが目の前にあった。そしてお尻の中も見えそうである。しかしアスカさんが運転しておりバックミラーもある。ここで不審な行動を起こせば僕の信頼は最も簡単に崩壊するだろう。
耐えろ!耐えるんだ!こんな痴女の誘惑に負けるな!
「おっと!」
軽トラが段差で揺れて体勢を崩したアカンサスさんは僕の体にまたがる様に立ち、股間を僕の顔面に押し付けた。
「ふが!」
柔らかい!太もものサンドイッチ!ご馳走様!
「ごめんよ!怪我はないかい?」
「いえ、ありません」
「ちょっと調子に乗りすぎたね」
アカンサスさんは照れ臭そうに笑いながら謝った。やめてくれ!そんな可愛らしい態度を取らないでくれ!僕の純情を弄ばないでくれ!
そうしてドワーフの里に着くまでの間、何度も太ももや股間、おっぱいまでアクシデントにより僕は触る事が出来た。
どれも柔らかく素晴らしい感触でした。そしてどれも何だか臭かった。あの汚い家と同じ匂いがした。
そして軽トラが大きく揺れた事により偶発的に隠れていた乳首が見えた気がした。多分あれは乳首だ。絶対乳首の筈だ。乳首に決まっている。お願いします。
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