TCG小説に最適なオリジナルTCGのルールを考える

漫画やアニメであれば絵によって読者に盤面の情報を一発で伝えられるが小説では文字で情報を伝えるしかないためゲーム内で取り扱う情報量は極力小さく抑えておきたい。

そのためにはルールの時点でなるべく複雑さを抑えておく必要がある。


【具体的には何を省略するべきなのか?】

・パワーや攻撃力、マナ、ライフ等の諸々の計算は読者の思考リソースを大きく奪うと考えられるためこれらは特に簡略化したい。

・リソース管理は読み手にとっても書き手にとっても色々とハードルの高い要素であるためあまり考えなくてよいシステムにしたい。

・1ターンで逆転勝利展開の妨げになるため所謂召喚酔いのルールは採用したくない。


【用語】

・ライフ

相手プレイヤーのライフを先に0にしたプレイヤーが勝利。ゲーム開始時に各プレイヤーは5つのライフを得る。(ライフは数値ではなく回数)


・手札

上限については追々決めていく。

・戦術デッキ

所謂メインデッキやライブラリーと呼ばれるもの。とりあえず枚数は多分40枚くらい。

・運命デッキ

場の真ん中に置いてあり、どちらのプレイヤーのカードでもない。互いのプレイヤーに若干の影響を与える賑やかし用のギミックとして使いたい。

・戦域(バトルエリア)

所謂フィールドや戦場と呼ばれる領域。主にここでカードをプレイする。

・霊域(ソウルエリア)

所謂墓地。半分くらいは土地及びマナゾーンでもある。ここに置かれたカードをコストとして使用するカードがある。


・ソウル

能力の発動や攻撃のためのコスト、疑似的なHP等、化身にとってある種のリソースとして運用されるオブジェクト。戦域から離れた後にまた霊域に置かれるかデッキに戻すかは決めかねている。

・化身(インカネイト)カード

所謂モンスターやクリーチャーと呼ばれるカード。しかしパワーやタフネスの概念を持っておらず、一度でもダメージを受けるとそのまま破壊されて霊域に置かれる。ただしその化身がソウル(後述)を持っている場合は身代わりにソウル1つがダメージを受けて破壊される。手札にあれば基本召喚によって戦域に召喚する事ができる。所謂召喚酔いは無い。

・上位化身(スペリオル・インカネイト)

ソウルを伴って顕現する強大なインカネイト。パワーはピンからキリまで幅広い。手札にあれば上位召喚によって戦域に召喚する事ができる。こちらも同様に召喚酔いは無い。

・召喚

化身カードを戦域に置く行為全般を指す。通常は手札から召喚されるが戦術デッキや霊域にある化身カードを基本召喚・上位召喚・無名召喚などの方法で召喚できる呪文もある。

・基本召喚(ノーマルサモン)

化身カードを単に戦域に置くだけの普通の召喚方法。

・上位召喚(スペリオルサモン)

召喚する上位化身カードに記された種類と枚数の化身カードを戦域か霊域からソウルとして下に重ねて戦域に置く、上位化身限定の召喚方法。

・無名召喚(ネームレスサモン)

化身カードを裏向きで戦域に置く召喚方法。名を失い無名(ネームレス)となった化身は常にフォール状態で攻撃もできず一切の能力を持たない。また、戦域にいる限り決して表側にはならず、戦域から離れる場合は霊域に置かれずにデッキの一番下に戻る。要するに手札で腐っている化身カードを壁用のトークンに変換できるということ。


・呪文(スペル)カード

所謂インスタントやソーサリー、魔法と呼ばれるカード。通常は使用後に霊域に置かれる。発動するには装填という行程を経る必要がある。

・上位呪文(スペリオル・サモン)

上位化身の呪文カード版。装填の際にはコストとして指定のソウルを下に重ねなければならない。

・装填

手札の呪文カードを裏向きで戦域に置くこと。全ての呪文カードは装填されていなければ呪文を発動できない。

・具現呪文

発動後もずっと戦域に残り続ける呪文カード。

・装備呪文

対象の化身を強化する呪文カード。こちらも同様に発動後も戦域に残り続けるが対象の化身が場から離れた場合には対象を失って墓地へ置かれる。また、対象の化身が有するソウルとして使用する事もできる。

・罠呪文

発動可能なタイミングが限定されている呪文カード。能動的に発動する事はできず相手の行動によって発動の可否が決まる受動的な性質がある。


・スタンド

所謂アンタップ。

・フォール

所謂タップ。

・スピード

能力が発動した時、そのスタックのスピードよりも速いスピードを持つカードであればその上からスタックを更に重ねられる。

カード毎に異なるスペルスピードを与えるという発想。だけどこれを導入するとゲームが複雑になりそうな気もする。


【戦闘のルール】

・攻撃する化身1体と攻撃対象1つを選び、コストとしてその化身をフォールするかそのソウルを一つ霊域へ置く。

・攻撃対象がプレイヤーであればそのプレイヤーは自身の化身1体を選びその化身に攻撃の対象を移させる事ができる。

・攻撃対象にされた化身がフォール状態であれば攻撃対象にされた化身に一方的にダメージが与えられる。スタンド状態であれば攻撃する際と同様のコストを支払って反撃することができる。その場合は互いにダメージを受ける。

一度のダメージで二つのソウルを取り除ける能力や複数回数攻撃できる能力など


【ゲームの進行】

・後攻プレイヤーはゲーム開始時に手札のカードを任意の枚数だけ無名化身として無名召喚できる。(呪文を無名として場に置けるのはカード効果を除けばこの時だけ)

・開始フェイズ

ターンプレイヤーの全てのカードをフォール状態からスタンド状態に戻し、可能ならソウルを1つ取り除く。

ターンプレイヤーは自身の戦術デッキから手札が5枚になるようにドローし、非ターンプレイヤーは運命デッキの一番上のカードを捲りその効果を発動させる。

・行動フェイズ

化身を召喚したり呪文を唱えたり化身の能力を発動したり色々できる。

1ターンに何度でも召喚できる。

・戦闘フェイズ

相手プレイヤーや敵の化身を自身の化身で攻撃できる。

1ターン目であっても先攻プレイヤーは攻撃可能。

・行動フェイズ2

・終了フェイズ

ターンを終了する。


【その他】

ルールとは異なる話になるが、TCGという性質上必ず限りあるキャラクター枠にモンスターカードを割くことになる。なのでせっかくならそのモンスター(基本的にはやはりエースカードだろう)にももう少しスポットを当ててみたい。例えばはっきりとした人格を与えて言葉を話せるようにしてキャラクターとしての存在感を強めるだとか。

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小説でもなければ物語でもない 上久多夕々 @uwakuta_yuyu

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