第8話 緩む朝廷と犠牲者たち
官も民も、聖も俗も、何もかもがお世辞と金まみれだ。儒者の建前を女子供と自分より権威の下位に居る男に押し付けて、強欲の本音が横行していた。
工部郎中の
「親愛なる
私は機嫌よく彼を昇進させた。
万事がこの通りだ。
また私は甥の王山と王林を
北京だけでない。遠く福建省の小官、
皇帝は十代後半、私のやり方に何の疑問も持たず、日課の学問を手短にすませ、娶るべき妻選びに頭を悩ませていらっしゃる。かと思えば、落雷で奉天殿の一角が壊れた時は、「天の意図は何か」と勅令を出して臣下の意見を求めたりなさる。
私はこの機に眼を光らせた。案の定、「太監の批紅代行の権限を減らし、陛下の大権を自らなされませ」と言い出すやからが出た。
翰林院侍講の
私は彼を牢獄に送り、すでに収監していた篇集官の
「死にたくなければ、劉球が公金を横領していると証言するだけでいいぞ」
かくして劉球は斬首となった。
また、私は部下の太監のお気に入りの召使を怒鳴った
理由が分かるか?
欠損者である宦官の奴婢が最低の身分だからと、ささいなことで罵倒された。この哀しみを知ってやらねば、宦官長として申し訳がたたない。宦官たちは私を「
こうした環境下で皇帝が私を「
臣下たちは日和見を決め、その中で最も恥知らずな奴らは私に最高の呼び名をくれた。「
ああ、我が世の春よ。
私に反抗し、要らぬ屈辱を受けた者の名を連ねよう。
御史の
大理寺少卿の
また、
慣例を知らないのか? 宮中を舐めているのか?
私は国士監の前の古い木を切る命令を李時勉の名で出し、それは罪に値するとして暑い日に三日間、彼を縛って木の前で晒し者にした。さすがにこの時は孫皇太后の耳に入り、皇帝陛下に伝わったので、彼をいじめるのを止めた。
だいたい国士監の学生どもが大騒ぎするのが悪い。なぜ騒ぐ前に私に金を寄こさないのだ! 知恵が回らぬ愚か者ども!
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