第18話

「本当にこれで、大丈夫かしら」

「大丈夫大丈夫」

「わん」


愉快なパーティーメンバーを紹介するぜ。

女一人(一般人)。

子ども一人(神様)。

犬一匹(どこかの神様の眷属)。

( )の中が異常すぎる。


あれから装備を整え、食料を買い込み、旅の当日を迎えた。

私が、国を出ることは役所の人間しか知らない。

国を出たことは、人生で一度もない。色々と調べてみたが、冒険者は、食糧難に陥った時、魔物の肉を食べたりしているそうだ。本当だろうか。


「私、魔物の解体なんてしたことないし、出来る気がしないんだけど」

「近くの村までいくのに、そこまでかからないんだ。大丈夫だろう」

「靴も服も大丈夫。食料…水…」

「大丈夫だって。心配しすぎだ」

「人間はね。神様と違って、すぐ死んじゃうのよ!準備万端と思っていても、足りないものは出てくるのよ…」

「それなら、なおさら早く出発したほうがいいだろう。邪魔されても迷惑だし」

「邪魔?私たちが、この国を出て迷惑に思う人なんていないんじゃない?」

「どうだろうな」


「はい。許可証確認とれました。通っていただいて結構です」

「ありがとうございます」

「…失礼ですが、あなた一人で、大丈夫ですか?もしかして、名のある冒険者の方であれば、申し訳ないのですが」


おや。私の顔を知らないのか。あれだけ新聞でぎゃーぎゃー言われていたのに。

まぁ、有名人というほどでもないので、知らない人もいるのか。


「心強いボディーガードがついているので」

「は、はぁ…」


私以外に誰も見えないんですけどね。

門番の困惑した顔を通り過ぎ、門をくぐる。

遠くに見える地平線。国の外は、案外開けている。それに道もしっかりと整備されている。これは、すぐに靴がダメになるということはなさそうで、安心する。


「国の外から出るなんて初めてだけど、意外ね。きちんと整備されてる」

「そりゃあ、冒険者やら行商人が通るからだろう」

「じゃあ、国から離れれば、離れるほど、歩きづらくなるのね」

「盗賊もいるだろうな」

「お腹痛くなってきた」

「早くないか」


とことこ歩いていくも、この足の速さで、次の国に着くのはどれくらいになるのだろうか。

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