第9話 教団

 では、以下のような教えがあった。


 曰く、あらゆる世界には、その創造主たる『神』と、仮初かりそめの住人たる『プレイヤー』が存在する、と。

 曰く、『プレイヤー』は、『神』になることが出来る、と。

 曰く、あらゆる世界が、『神』に供物を捧げるための舞台装置である、と。

 曰く、『プレイヤー』が世界を『プレイ』することが、『神』への供物になる、と。

 曰く、あらゆる世界は、相互に干渉している、と。

 曰く、『神』は気紛れである、と。

 曰く、………………

 曰く、…………

 曰く、……


 正確な意味までは「わかる者だけがわかれば良い」と教えて貰えなかったが(あれで教団と言えるのか、とは今も思っているが)、一つだけ、明確に教えられた……もとい警告されたことがある。


 曰く、『プレイヤー』狩りからは逃げろ、と。


 教団が知る限り、多くの世界では、『プレイヤー』は自身をソレと認識していない。

 しかし極稀ごくまれに、その認識を持つものが現れる。

 もし友好的な存在であるならば良い。友として迎え入れることも出来よう。

 だが、そうでなかったら? 一切の妥協無く敵対されたら?


 その答えが、今、栗人の目の前に現れようとしていた。

 どうしようもなかった。

――玲奈、無事で居てくれ。

 学校中がこの調子なら、玲奈が何かされるとは思わないが、栗人はただ、祈った。

 ここで大州栗人の人生このプレイが終わるなら、せめて、と。

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