第5話 教室での尋問
「
「「「「「「
教室へ
「おい、被疑者
机を挟んだ正面に立って問いかけてくるのは、
「何の話だ、よっちゃん」
「今はその名で呼ぶな。お前は被疑者K、俺は
案外拘りが強いらしい。
「長い付き合いだけど、そこまで刑事モノが好きだとは知らなかったよ」
「お前の影響だ! 散々
「おう、それは、ありがとう?」
「ああ、こちらこそ! だがそんなことより!」
良樹の声に合わせて、周囲からの無言の
「やったのか、どうなんだ!?」
「だから何の話だよ……」
――と、囲いの外に目をやれば、女子達も教室の対角線上の隅に集まってコソコソと話しながら……栗人に視線を向けている。
「よっちゃん、まさか」
「Yだ……が、そのまさかだ。お前と
「なんだ、それだけか」
と、
「それだけだと!?」
良樹の太い眉が釣り上がり――
「あ、いや、それは」
「他にも何かあったってことだよなぁ栗人ぉ!!」
――
「被疑者KじゃなかったのかY
と軽口を叩いてみれば、
「誤魔化すなぁっ!!」
怒号再び、だ。
「はいはい。でもまぁ、別に大したことは――」
――無かった、と口に出す前に、随分と満足そうな顔をした
全ては
「やっぱりシタんだ!」
「どうだった!? 気持ち良かった!?」
女子達の下世話な会話が聞こえてくる。
――いや、何か勘違いしていないかアレは?
「えっと……その……」
普段は明るくハキハキと喋る玲奈だが、今は俯いて『蚊だってもう少し
――大事な彼女が、誰より好きな女の子が困っているのに、何もしないのか。何も出来ないのか。
「キスをした!」
「俺が、玲奈に、キスをした!」
「それだけだ。以上、解散!」
勝手に白状したことを責めるでもなく、ただ熱い視線を向けてくる玲奈の手を掴んで、教室を抜け出した。
栗人は、
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