第4話 下駄箱の戦い
「やあやあ、お二人さん、今日も仲良くご登校だね!」
「どうする? たたかう? どうぐ? にげる?」
「相手によっちゃ伝わらんだろそれ。……どうも明石さん。おかげさまで順調ですよ」
「なっ、順調とか、そんなっ」
平気そうだと思っていた相棒が
「おっとぉこの反応は……? 大州くん、うちの可愛いレナちんに何をした! 吐け!」
当然予想された茜の追撃だ。しかし――
「
その手の海外ドラマでは大抵出てくる台詞なのでスラスラと言えた。
「そんなものは認められていない。さぁ吐け。吐くんだジョー!」
「そんな迷場面嫌だよ。っていうかとんでもねぇ人権無視国家だな明石連邦」
「レナちんの青春が第一だからね!」
それとあたしの好奇心! という心の声が聞こえてきそうな気がした。
「さぁ、吐けー!」
「
「ちっ、良い言い訳を見つけたな……仕方ねぇ、今回は見逃してやるぜ」
「キャラブレッブレだなぁ!?」
「一人十役こなせます」
圧倒的なドヤ顔、もといしたり顔である。
「はいはい、今度見せて下さいね、っと」
「あたしは高いよ? 大州くん」
「俺等の思い出も高いんですが」
「むむむ、それは確かに。ではレナちん、向こうでお話しましょうかね」
ずっと放置されていた、もとい
「小型の嵐だな」
茜は体格が平均よりもかなり小さい。流石に直接は訊けないが、概ね男子の平均身長に当たるクリトの、胸まで……すら怪しい。さほど大きくない玲奈と比べても、更に頭一個分近く小さい気がする。――なお、その一個分の目測元である玲奈の頭も相当に小さい。
「しかし、うん、レナも、本当は喜んでくれてたんだな」
全ては前向きに考える。というか、そもそも茜はレナの親友だ。悪いようにはしないだろう。
「先行くよーっ!」
一応二人に声を
そこで何が待ち受けているかも知らずに。
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