第19話 決戦前2
ホルスカードを回収し、2人の犯罪者への制裁も完了させたユリは、現在はご機嫌で夢の中にいる。大仕事を終えたばかりだし、今ユリに必要になのは休憩だとセクティは判断した。ユリには疲れをとってく取って貰おう。そんな思いだった。
泥沼ではあるが、
沼に映る月は美しかった。
セクティは、水面に映る偽りの月に慰められていた。和んでいると、風に思いを誘われた。セクティは、過去を思い出す。ユリ救出の発端となったハー来臨である。あの時も穏やかな風と輪郭の曖昧な月が輝いていた。そして、チックが異変を告げたのだっけ・・・。セクティの想いは過去に飛ぶ。
チック:「何か来ます。上です!」
チックが偽りの月をセクティの心のなかで指し示す。ドーン!と鐘のような雷が鳴り響いた。ナイラディアには、珍しい嵐の前触れのようだった。異変は、あくまでここでのみ起きているのだ。突如、雅(みやび)やかな音楽が響いてきた。すると、偽りの月からセクティの居る大池(当時は池だった)に向けて真っ直ぐに雲が階段状に延びて行き、極彩色の衣服に身を包んだ翼を生やした眉目秀麗な男女が楽器を手に持ち、演奏しながら、セクティを目指して降りてきた。池から見て、天に向かって延びる階段の先端、偽りの月の辺りに、門が出来ていた。門を潜って、6枚羽根の綺羅びやかな服装をした1人の女性が降りてきた。高貴な身分の方なのだと言うことは、一目見てセクティは理解した。高貴な身分・・・と言うことは、外界の神か? 天使と呼ばれる者達だろう。何をしに来たのだろう? 時間干渉は禁じられていると外界の本には書いてあった。禁止された行為を冒してまで、何をしに来たのだろう?? 眩しい光が、両脇を補佐されながら、セクティを目指して、たおやかに下りてくる。傍らに居る高貴な手を支える近習も豪華だ。敵の侵攻の可能性も有るので、敵意の有無のみセクティは、チックに命じて探らせる。敵意は、感じない。ただ、伴奏者も傍に仕える近習も、自分では手に負えないほど強いのが見て取れた。彼らに戦う気が有るのなら、我らは、もう負けている。このような脅威度の判定など無意味だと思えて、自嘲気味に笑う。
高貴な女性は、まだ輝きの中に居る。光りの中から何かを取り出すと、ただ一人となって、ずずすい〜っと、摺り足気味に下りてきた。
ハー:「アーディア界、エースゴッド、皇女カコ様ですね?」
セクティ:「皇女なんて、そんな大層なものじゃないわ。単なる秘書よ。誰に用が有るのかと思ったら、私? そもそも、貴方の方が、私より上位で有るようなのに、貴方は平伏して折られる。この状況はシュールじゃないの?」
ハー:「そのことに付きましては、様々事情が立て込んで居りまして、この場で説明するのは難しいのでございますが、貴方は訪問を受けられたホストですので、泰然とされて居れば、宜しいと思います」
セクティ:「では、聞くわ。我が界に何やうか?」
ハー:「私は、太上貴妃ハーです。意外に思われるかも知れませんが、私は小神でもあるのですよ?
この度、お邪魔を致しましたのは、救って欲しい、男の子が居るからなのです。全存在世界の窮地を救って下さりませ。今、この世界で1人の迷い子が孤独に噎(むせ)び泣いておりまする。その子の救出をお願いしたいのです」
セクティ:「その子は、貴方の何んだという言うの?」
ハー:「私のでは、有りません。全存在世界の『情熱』と『理想』です」
セクティ:(これは意表を突かれた。宇宙の情報を伝える天使フォルカスのフォルカス通信に、アーディアに情熱と理想に子供が生まれたとか書いてたわね、リックは不明とも。1流と1流を付けたって、3流でしたなんて、良くあることじゃない。現実が厳し過ぎるのが行けないのよ)
セクティが、そんなこんなを考えていると、ハーが手に持った進物を差し出してきた。
ハー:「御気を御悪くされないで頂きたいのですが、これは我々の主ヤー様からの御下賜品(ごかしひん)です。『超恩』だと聞いております。お収めください」
セクティは聞いたことがあった。世界で最も権威があるのは、ヤーだと。セクティは、これを平伏して受け取った。それには、添え書きが付いており、ユリの居場所が、事細かく書いてあった。
ハー:「私の役目は以上です。では、カコ様、御依頼の件、くれぐれも、くれぐれも、宜しく御願い致します」
そう言うと、ハーは、1本の炎となり、消えた。
ミラ:(カコ姉、どうすんたよ。こんな怪しい依頼を受けちまって。あたしは、放っとけば、良いと思うんだ。結局、何とか成るんだよ。世界って、そんなところだろ?)
セクティは、うんうんと頷(うなず)きながら、その歩(ほ)は、問題の洞窟へと向かって居た。
ミラ:(おいおい、子供を助けに行くのかよ。何が有るか分かんないぞ。報酬なんて出ないぞ)
セクティ:「報酬なら、貰ったわ。超恩を」
ミラ:「かー、そんなの使えないし1回使ったら終わりだろ。使えねー」
セクティ:「ミラは、薄情ね。あんなに、くれぐれも宜しくお願い致しますって頼んで行ったのに、無視するなんて、可哀想よ。しかも、繰り返した」
ミラ:「そんなことで受けて貰えるなら、あたしだって、くれぐれも使う」
セクティ:「貴方とあの方じゃ、言葉の重みが違う。それにね、私にとって、世界って遠いところの話だと思って居た。でも、向こうから近付いてくれた。試して見たいのよ。この『情熱』と『理想』のリックを受け継いだ少年を助けるミッションを」
セクティは、
回想から帰って来た。
ユリの育成は、まだ始まったばかり。私が関与することが出来るのは、初期の初期。今だけ。アーディアに帰ったら、手助けなど覚束無(おぼつかな)い。沼側の休憩室からセクティは、自宅を見遣り、ソファで寝息を立てるユリを想像した。セクティは思った。ミラが言うように、『超恩』って、どういう意図でくれたんだろう? 全く思いつかないんですけど・・・。多分、おっきな大会議室で、高位の重役さん達が集まって、ゴチャゴチャ、ゴチャゴチャ話あって、決めたんだろうな。結局、1個に決ったのだって、1個しか送れなかったのか、1個も送ってくれたのか、門外漢の身では知る由もないわね。あれは、母上に渡したから、使えるときは、母上が使うでしょう。貴方なら、思いつくのかしら?? セクティの想像は、また過去へと飛ぶ・・・。
イマ:「以上、僕からの報告は終わり。聞きたいことある?」
カコ:「厳しい戦いでしたね。御苦労様でした。でも、攻城する時は、右手の坂から上がった方が広いし、戦力も幅広に構えられるから、敵の兵力の集中にも対応しやすい。今回、我が軍が戦力上位の為、長期戦では兵糧の心配がある。それを加味しての、右手捜しにからの突撃短期決戦の方が兵力の消耗を抑えられたのじゃないかしら?」
イマ:「いや、それこそトラップだよ。敵はこちらの多勢を読んで消耗戦に持ち込もうとして居る。攻城戦では攻撃側は守備側の兵力の3倍要るものなんだ。長期戦に持ち込む為には、こちらの兵力の消耗が必要。それも自損は無しでね。そこで敢えて、攻め込みやすい隙を作って置く。姉貴の様に、兵糧の心配から短期決戦を望む指揮官の場合、引っかかるトリックだよ」
セクティ:「でも、トラップにしても、ガラ空きの坂部を攻められたら、敵は守りはどうするつもりなの?」
イマ:「大丈夫なんだよ。これは制圧語回収した、敵の兵器。溶岩爆弾を使う」
ミラ:「溶岩爆弾!? 戦果報告に有った!!」
ガタリッ!! ググーッ!! 興味と関心、納得の感情が、ミラを前のめりにさせ、その安楽物である机と椅子に驚きの声を上げさせた。イマはミラの驚きにニヤリとしながら、話を続ける。
イマ:「溶岩爆弾は、重力と火山の力を使った爆弾だ。火山の怒りを惑星の重力で押し込めた鉄の玉。地面に触れた衝撃で溶岩が流れ出す。リトルゴッド達は、消しカスだろう。奴らは安全な場所から高見の見物。だから、損害は軽微なのさ。広く空いた坂道から攻め込んで入れば、我が方の戦力は大激減。こちらは攻め手を欠き、自然に長期戦へ。今も戦闘は続いてるはずさ」
ミラ:「ふええっ、おっそろしい兵器」
ミラは安堵と共に座り、その安楽物も穏やかな溜め息を漏らす。ググ、グー。
カコ:「そんなおそろしい爆弾を隠し持ってるだなんて、危ないところだったのね」
カコは冷や汗を掻く思いだった。加えて、自分がここの戦略担当に成らなくて良かった、セフセフと思った。
ミラ:「じゃー、あたしの報告行きまーす。あたしらが攻め入った時、敵は分散築城しており、明らかに1つの城の敗北が、全体の敗北では無いと言いたげな陣構えをしておりました。はい、プロジェクターにご注目くださーい。陣構えも八門金鎖の陣という形を取っており、難攻不落を呈しておりました。でもでも、この陣形には弱点がございまして、生門から景門に向かうように攻めますと、こちらの損害は少なく進めます。続いて、驚門へと兵を進めれば、敵はやること支離滅裂となり、分裂状態となります。此処にホルスをチラつかせた内応を打診すれば、自軍の増強すら図れます。敵は減り、こちらは増える。まさに「行って来い」ですね。あとは乾いた竹を割るようなものです。この陣は相互の関係性が重要で、複雑過ぎるんですな。精妙を破るのは、いつも粗雑です。仕掛けるのは遅かったですが、戦闘終了はイマ姉より、少し早かったです。以上、報告おわり!!」
カコは、ミラにいつも求める特級エースゴッドとしての品格の在り方を説いて居るのだが、全く身に付かないミラを見て、頭を抱える思いであった。だが、本題からはズレるので、これは置くと、心に決める。
カコ:「ミラ、私は今回、戦術統括として配されたので、受け持ち地域は無いけれど、将軍経験者として言わせて貰うと、貴方の作戦の立て方は、杜撰すぎます。味方兵力、敵兵力の把握、武器、物資、母上の都合、全部真っ白じゃない! だいたいとか、こっちが上だと思うとか、言葉じゃなくて、実数で書きなさいよ! 上がこんなのじゃ、下だって付いて行きにくいわ。士気にかかわるわ。しっかりして!(バンッ!)」
カコはイケないことだと分かりながら、苛立ちから、つい机を叩いた。すぐ反省したが、そこはポーカーフェイスだ。
ミラ:「勝ったんだから、良いじゃない。それもイマ姉よりも、早いタイムでだよ? あたしは配下にホルスの増額を約束してるから、その分の支給も、よろしくね。士気にかかわりますので」
そう言って、ミラは皮肉混じりに、イマを見る。イマは悔しさを滲ませ、そっぽを向いた。まだ言い足りないカコが話そうとする機先を制して、イマが言った。
イマ:「まぁ、良いじゃないか。確かに勝ったんだ。勝負とは始めた時は、勝ちでも負けでも無い。両方が混在している。だが、勝負の決勝戦を越えると、それは勝者と敗者に二分される。勝負は非情さ。泣こうが喚こうが、敗北のリスクは負って貰う。だから、結果を出して居る内は、甘く見てやらないとな」
そう言って、ミラの頭をポンポンと叩いた。
ミラ:「ありがと、イマ姉。でも次も勝つのは、あたしだよ。だって、運命は、そう告げている」
ミラは、笑顔からの、殺す者の目線となって、これに応える。2人の間にバチバチと日花と雷光が舞った気がした。争いを好まないカコが止めようとした時、一帯が暗くどんよりとした雰囲気に包まれる。
カコ:「ちょっと、貴方達!・・・!!(母上!!) 全員、起立!!」
戦術統括の立場からカコは、室内の者に下知をすると、ナイの登壇に合うよ様に会議室に居る面々は、ナイの謁見の場に飛ばされた。ナイは美しい。そして、美しい出で立ちで現れた。しかし、どこかナンセンスだ。そこも愛らしいと思えるかどうかが、この女神の取捨を決めるだろう。
ナイ:「素晴らしい戦果だ。褒めて遣わす。我らが苦しみと悲しみを、意思であるアー様に届けてこそ、我らの悲願は達成される。それを阻害する自制心オルとそれに従いし者たち。きゃつらを退けたお前たちの手腕は大したものだった。褒めて遣わす」
カコは思った、悲しみが喜んでいる? 理屈を気にするカコは、その状況が、カオスガンダムシュール〜を飲み込んで行く様な奇妙で、二律背反的な背徳感を含んでいる様な、複雑な気分に陥ったのだった。カコは思う。母上は複雑な人だと。ナイは悲怖の女神である。在りと在り得る悲怖の源泉。ダウンバースト。嘆きと殺意が共存する特異点。それがナイラディアだ。
ナイ:「カコはVIP対話室へ。他は散ってよし」
ナイはVIPルームへ瞬間移動をし、フッと姿を消した。
カコ:「母上がお呼びだわ。行ってくる」
手のひらをイマとミラに向けて掲げると、イマは手のひらに心らいをのせて、ミラは笑顔と信頼を乗せて、掲げてくれた。冷たい世界で心が暖かくなった。通い慣れた長い廊下を進む。この廊下が長い理由。それはナイが暗殺を恐れたからだった。暗殺だけでは無い。報復の為でもあった。やり得は許さない。復讐は必ずやり遂げる。そんなナイの決意の表れであった。壁の後ろには、侵入者防護装置として重火器が五万と在るのを知っている。何の装飾も無い廊下を進みながら、最後に隠れている重火器を想像しながら進むと、ナイのVIPルームに着いた。
カコ:「意外と早く着くわよね、ここ」
カコは、誰とも無しに呟いた。仕掛けを知らない者が進む分には、ここは装飾の無い退屈な廊下であるのに違いなかった。だが、それはナイと言う人物、その技術、その性格を知らない者の感想だ、取るに足らない。壁の後ろには、カコすら知らない無数の暗殺兵器、報復装置の数々が訪問者に狙いを定め、息を潜めて隠れているのだ。自分の命があるのは、自分がナイの暗殺者では無いという、その1 点に依っているのだった。その展開された暗殺報復装備の様を想像するだけで、カコは脳汁が迸(ほとばし)る気がして居た。勿論、顔はポーカーフェイスで。カコは、VIPルームのノブに手を掛けながら、作者の念の籠(こ)もらない絵画や陶器、美術品が並べてある廊下より、仕掛けの分からない暗殺道具を想像して歩く方が退屈しないと、改めて思うのだった。部屋に入ると、ナイが開口1番に聞いて来た。
ナイ:「おことは、殺意は嫌いかえ?」
カコは、ドアから離れ過ぎ無い距離でドアを閉め、ドアノブの持ち手を変えると、音がしないように締めた。そして、礼をしてから、ソファに腰掛けた。
カコ:「嫌いでも有りませんが、好きでも有りません。独りぼっちは嫌いですので」
ナイ:「隣(となり)など、また作れば良いでは無いか。隣など掃いて捨てるほど居る。つまり、無限湧きじゃ」
カコ:「そうも行きません。私は出不精で、人付き合いも苦手ですので、既知の友好を温める方が性に合っております」
ナイ:「いかんぞ、それは。引き籠もって居ると、ストレスになる。ストレスは心を壊すのじゃ。ストレスは、我が息子、働き者の愛する息子じゃ」
カコは思った。私のことを心配すると言いながら、近くを彷徨うストレスを引き寄せて愛撫する。やはり、この人は人知を超えた存在だ。シュールです。意味不明です。理解不能存在です。しかし、その圧倒的権能により、自分も偉力に預かることが出来て居る。力に触れれば、人は僅かでも驕る。驕りは垢のように貯まる物だ。そんな時は、力の無い自分を想像する。新人で無力だった自分。集団のお荷物でしかなかった自分。そんな力の無かった時のことを考える様にして居る。傲慢さの誘いを断ることが出来るから。
カコ:「内に籠もることは、そんなにストレスでしょうか? 私は独りで調べ物をしたり、大池の掃除をしたりしている方が、心が休まる気がします」
ナイ:「大池とな? はて、そんなものが有ったかな?」
カコ:「大沼があったのをご存じでしょうか? あそこは無限に通じて居りまして、いくらでも穢れが湧いてくるのです。特級神に任じて頂いて以来、退屈が共となりまして、御用が無い時は出掛けて、ここの泥攫(さら)いなどをしておりましたら、泥が枯れて、大池になったのでございます。特典映像も見れましたよ。汚れるものの清潔を保つのは、なかなか楽しいものですよ。
ナイ:「ほう、おことにそのような癖(へき)があるとはの」
カコ:「あ、母上、そこの掃除をしておりましたら、面白い物を見付けましたの。フェアリですよ」
ナイ:「なんと! フェアリとな! フェアリは我が妹イルの残滓(ざんし)。ニュートリノにも近い微粒魂の精霊では無いか。捨てい!捨てい!! そのような汚れた、物即刻、捨てるのじゃ!! その様なイル由来の物を持ち込むとは、不敬にもほどが有ろうぞ! 捨てねば、おこととて、どうなるか分からぬぞよ!」
ナイは妹であるイルに非常な劣等感を持っており、毛嫌いしていた。ナイはイルと聞くだけで、蕁麻疹が出てしまう程だった。
カコ:「失礼をして居ります。しかし、お怒りをお沈め下さい。このフェアリ達は、主権(あるじけん)を失っており、私がユーザー登録しましたところ、問題なく登録されました。大変従順で、今はすっかり私に懐いて居ります。尚、彼らの1人が、イル様のマル秘コスメの作り方を知っているそうでございます。ただ、肉体の製造が間に合わないのと、御無礼があってからでは遅いですので、礼儀作法を教えなければなりません。今、少しお待ち下さい」
ナイ:「なんと! 誠か!? イルのスベスベお肌の秘密のマル秘コスメの製法じゃと!? アレは、傍女が泣きついても、頑として教えてくれなかったのじゃ。ケチめ。傍女は、御館様の威光で即死、病死、老化、怪我などとは無縁の者であるが、若見えの法は別なのじゃ。あのセンスが手に入るのか・・・。許す! そのフェアリ達のフェアリの所持は許す。特別に許可しよう。特許じゃ!」
カコ:「特別のお計らい、ありがとうございます。これで、私の所持のフェアリは、3匹と成ります。実は、私は以前からメモ帳代わりに使っているフェアリが居りまして、これと新たに見付けた2匹のフェアリで3匹持ちに成ってしまいますが、それでも宜しいのでしょうか?」
カコ:「なぬ!? まだ持って居ったか。おことは色々と隠し持っとるのう。ユーザー登録しちゃったとか言ってたな。てことは、サーバー様の認可は降りてるのよね。ん〜、分かった。善処しよう。その代わり、1人3匹は異例も異例じゃ。見つからんようにな。体の件は、少し待て。色々と煩い奴が居るからの。口を塞いでからじゃ」
カコ:「御配慮ありがとうござい ます。マル秘コスメのレシピは、後日メモ書きを持って参ります」
ナイ:「そうか、そうか、愉しみじゃのう、イルのマル秘コスメ。お、そうじゃ心配せずとも、フェアリの体は作ってやる。特別優秀な体にしてやろう。3匹分か。久ぶりじゃのう、腕が鳴るわい」
カコには予感が有った。この人は無駄スペックのガチムキゴジラを作るつもりなのでは無いかしら?と。だが、敢えて、口にはしない。うっかり、口にすると、こちらの身が危ない。
カコ:「ありがとうございます。あの子達もきっと喜ぶと思います」
カコは、チックには、フルスペックで暴れたりしないように釘を刺して置かないとなあ、と記憶に留めるセクティなのだった。
(第20話へ続く)
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