第43話 精鋭部隊再編
『ケイテラレントの街』のスタンピード防衛戦は佳境を迎える。
いわゆる雑魚に分類される魔物は一掃出来た。
だが、これから真打が登場するかの雰囲気が戦場に漂う。
これからの死闘に備え、防衛隊の再編が行われる。
ランクの足りない冒険者たちや、日ごろは戦いを生業としていない自警団らの面々は消耗も激しく、街の中に避難させられた。
これから戦闘の矢面に立つのは精鋭の面々。
この精鋭隊の指揮官として、領都エーリアドから早馬で救援に駆け付けた騎士団長エルネスト・ハンブリナと、それに付き従う騎士9名。
街の衛兵隊からは、総勢30人のうち負傷や消耗の比較的少ない17名。
冒険者ギルドからは、ギルドマスターで元Aランク冒険者のルシアノ・サンターナと、現役Bランクパーティー『煌めきの狩猟団』の6名。
そしてこのオレ、ウサギのハクトだ。
ちなみに、さっきまでオレとパーティーを組んで戦っていた『紅鎌団』の面々は、パーティー効果でバフのかかった状態で奮戦していた為、身体への負荷が大きかったのか今は歩くのもやっとな状態であり街の中に避難させられている。
「ギルマス殿、『指揮』は持っておるか?」
騎士団長のエルネストさんが問いかける。
「すまねえ、俺は『指揮』を持ってねえ」
その問いかけに返答するギルマスのルシアノさん。
「いや、謝罪には及ばん。念のために聞いたまでだ」
「いや、当然確認すべきことだ。」
「感謝する。本来、騎士団は守秘のため騎士団員以外の者を指揮下に入れる訳にはいかないのだが、今はそんなことも言っていられない非常時だ。余力があれば指揮下に入れたいところだが、すまぬが本職の『指揮』は今の9人で限界なのだ。だれかほかに『指揮』を持っている物はいないだろうか?」
しゅたっ
騎士団長さんの問いかけにオレは前足を挙げて応える。
「おお、ウサギ殿は『指揮』まで持っておられるのか! ならば、可能な数だけ、統率下に加えてはもらえまいか?」
オレはウサヘッドを縦に振ると、次々とパーティーメンバーを勧誘していく。
『ロバルツがパーティーに入りました』
『シャリエがパーティーに入りました』
『マルティがパーティーに入りました』
『ガルヌがパーティーに入りました』
『パーリフォーシュがパーティーに入りました』
『カートがパーティーに入りました』
〇パーティー名:『煌めきの狩猟ウサギ団』
〇メンバー数 7/7
【ハクト】リーダー:アサシンヴォーパルバニー:Lv19
【ガルヌ】サブリーダー:人間:戦士:男:Lv17
【ロバルツ】ドワーフ:斧使い:男:Lv18
【シャリエ】人間:ヒーラー:女:Lv16
【マルティ】猫獣人:武闘家:女:Lv16
【パーリフォーシュ】ハーフエルフ:魔法使い:女:Lv22
【カート】コビット:盗賊:男:Lv14
お、さっきまでは最大6人の制限があったのに7人になっている。
『指揮』の熟練度が上がったのだろう。
おかげで『煌めきの狩猟団』の6人を全員パーティーに入れられたな。
それに、さっきの『紅鎌団』の時と表記が結構違っているな。
前回は全員女性だったからなのか、性別の表記が増えた。
あと、職業の表記だが、この世界では統一性がないのかな?
『僧侶』だったり『ヒーラー』だったりとよく違いが分からなかったりする。
あと、パーティー名よ。
オートなネーミングだとは思うのだが、なぜこうなった?
まるでもともと一つのパーティーだったみてえな名前になっちまったぞ?
まあ、このへんの検証はまた後日だ。
「ウサギさんっ! やったっ! やっと仲間になれたねっ!」
「にゃー、ネコとウサギで仲良くお願いするのにゃ」
「先日はいきなり攻撃してしまい、改めてすまんかった。こうして仲間にしてくれてうれしいぞい!」
「僕はこの『煌めきの狩猟団』でリーダーを務めているガルヌだ。今はウサギ君がリーダーということで、宜しく頼む!」
「ハクトさんの魔法はすごかったわ。 今度魔法についてお話しさせてくださいね?」
「むーん、ウサっさんのレベル高え!」
オレも前足をしゅたっと上げてメンバーの挨拶に応える。
そんなとき、オレの聴覚超音波ソナーに反応がある。
この反応は‥‥‥オークの群れだ!
それも、森で出会ったオークよりも
これはどういうことだとウサ首をかしげていると、その理由となる存在が奥からその気配を現す。
これは、オークたちとはけた違いの
ウサギの直感からして、この強力な個体がこのオーク共を『統率』か何かで従えてチカラを底上げしているのではないだろうか?
そして、この強力な個体。
いままで遭遇したことのない気配を感じる。
おそらくは初見だろう。
本命となる魔物たちの群れが近づいてくると、騎士の気配察知持ちと、盗賊のカートもその気配を察したのか、情報が共有され皆が緊張の面持ちになる。
皆が緊張状態に囚われた雰囲気の中、
オレはさらに危険な存在がこの場に現れたことを察知する。
そして、
「あらん? どうにか間に合ったみたいだわねん?」
緊張感のない声が戦場に響き渡った。
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この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!
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