第31話 ウサギのリフォーム

【ケーブバットを100体討伐しました。同一種族の100体討伐ボーナスとして、討伐種の特性の一部が付与されます。『超音波ソナー』を手に入れました。】



・new!超音波ソナー~ケーブバットを100匹倒して得た能力。音の反響により周囲の環境や生物等の位置をほぼ正確に広範囲で感知できる。


※ラビットイヤーの能力に上乗せされ、さらに正確性と範囲が広がりました。




 はい、洞窟内のジェノサイド完了です。


 あのコウモリさんは『ケーブバット』という魔物だったようですね。


 大量のコウモリさんを討伐したので新たな能力が手に入りました。


 どうやらこれまでの聴覚を用いたエコーとかソナーの上位互換のようです。


 試しに使ってみたら、おおう、この洞窟の中の様子が丸わかりですね。


 しかも、洞窟の外の様子まで大体わかりますね。半径100mくらいかな? 大分広い範囲の様子がわかるようになりました。


 

 よし、これで先住民は穏便に退居していただいたな。


 めでたく新居の居住権を手に入れましたのはいいが、まずは先住民たちの亡骸を片付けなければ。はあ、めんどくさ。いったい何匹いたんだよってくらい散乱していますな。


 コウモリって食えるのかな?


 なんか日本にいた時にコウモリ食ってるほかの国の人の動画とか見たことあるけど美味いのかな?


 ちょっと悩んだのだがオークさんのお肉を安定して食べられるようになったのだから、わざわざゲテモノ食わなくていいじゃんという結論に達する。


 ということで、1~2匹づつ口に咥えて洞窟の外に運び出す作業を延々続けました。顎が痛いし口の中が気持ち悪いです。洗浄!


 そして木の枝という薪を集め、生活魔法で火種を作ってコウモリさん達を火葬に付します。

 面倒なんだけど、この場所って風向きとか何かの拍子でそばにある瘴気がたまにふわっと漂ってくるんだよね。


 この数のコウモリさんにゾンビ化されてはたまらないのでこうやって荼毘に付した次第です。


 そして周辺に漂う肉を焼く臭い。うん、美味そうではないね。食べなくてよかった。



 ◇ ◇ ◇ ◇


 さて、洞窟を手に入れました。


 コウモリさん達の亡骸を片付けたのはいいんですが、洞窟の中がコウモリの糞だらけ!


 生活魔法で水を出して、クリーンをかけて洗浄していきます。


 たまった汚水を流すために、土魔法で水の流れる水路を作って洞窟の外まで誘導してあげます。

 これからの水はけをよくするためにもこの下水道工事? は必要だったのだと自分に言い聞かせ、MPを何度も枯渇させて何日もかけて洞窟内を清潔にしていきました。


 この作業を行ったおかげで、生活魔法が『無標記』→『Lv1』、土魔法が『Lv3』→『Lv4』に上昇しましたよ。


 ちなみに、この洞窟内清掃期間はオークさんをちょこちょこ狩ってモモニクを木の洞ハウスに持ち帰って焼いていただくという食糧事情でした。塩欲しい。




 清掃が終わったら、今度はリフォームだ。


 洞窟内で肉を焼いても窒息しない様に、天井の横に土魔法で空気穴を空ける。高さを替えて吸気用と排気用の2本だな。


 空気穴から雨水が入ってきてもいいように、洞窟内の穴の下には下水道が通っている。


 そして広すぎる入り口も土魔法で程よい大きさになる様塞いでいく。


 薬草カゴみたいな大きな荷物を搬入するときのために、一部は薄いままにしてすぐ崩せるようにしておいた。


 地面が岩でごつごつしているので周辺からのような草を刈り取り寝る場所を確保。


 トイレ? それは外だ。





 住環境も整い、木の洞ハウスから本格的に引っ越しを始める。


 金属のお皿とナイフ、巾着袋と地図を薬草カゴに入れて口で引っ張り大移動。


 時間はかかったが、無事に引っ越しを完了する。



 よし、今日は(今日も)オーク肉で引っ越しパーティーだ!




◇ ◇ ◇ ◇



 ハクトが洞窟ハウスに引っ越して数日後。


 Bランクパーティー『煌めきの狩猟団』の6人は、ここ『ドトフトの森』にやってきていた。


「むーん、前のときいたのはこのへんだったよね」


「まだこのへんにいるといいのですけれど」



『煌めきの狩猟団』は、従魔士のジョセフィーヌがケイテラレントの街に入る前に一度、あの時のホーンラビットの亜種にコンタクトを試みようとしていた。


 ヒーラーのシャリエが「あのウサギさん仲間にしたいの! ジョセフィーヌには渡さないの!」と言い張ったことも理由の一つだが、知性を持つ魔物に全員が興味を持っていたので反対するものもなく、全員一致でこの森にやってきていたのだ。


「じゃあ、手分けしてこのへんを探してみるかにゃ? ウサギさんは襲ってこにゃいと思うからバラバラでも大丈夫かにゃ?」


「警戒はしておくに越したことはないが、おそらくは大丈夫だろうな」


「あっ! あそこ見て! 大きな木の下に小さなかまどみたいなものがあるよ! 他の冒険者が野営でもしたのかな!」


 シャリエが見つけたのは、ハクトが木の洞ハウスの下に土魔法で作っていた簡易かまどであり、ハクトはこのかまどを放置していたことをまだ気づいていないのであった。  







ーーーーーーーー


 この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!


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