第18話 進化の目標
『アサシンヴォーパルバニー』に進化しました。ハクトです。
いろいろ能力やらスキルやらをゲットしましたが、まだ『熱感知』を持つ大きなゴブリンと魔法ゴブのコンビには勝てそうにありません。
という事で、今ははぐれゴブリンとコボルドを探して狩っております。
冒険者さんが落としていったこのあたりの地図に、『狩場』って書き込みがあったから、その辺を探っていたら、コボルドさんを見つけた次第です。
コボルドさんは、マイハウスからちょいと遠いところに生息しておりました。
その強さは、ゴブと大した変わらない感じだったし、持っている武器も木の枝の先に尖った石を括り付けたゴブが持っているのと大差ない粗末な槍でした。
魔法使うやつもいなかったし、熱感知持ってる人もいなかったので楽勝でした。
身体の色を迷彩色に変えて森に溶け込み、角と牙という二つの武器を用いて殺戮の限りを尽くしましたよ。
ちなみに、牙でコボルド君の頸動脈を切ったり、たまにくびちょんぱしたりしたのだけれど、牙での攻撃は好きになれない。
だって、血とか、体毛とかがね? 口に入ってくるんですよ?
いくら『雑食』スキルがあろうともそんなものは口に入れたくないんです。すぐに川で口をゆすぎましたよ。はい。
と、いう事で。
【コボルドを100体討伐しました。同一種族の100体討伐ボーナスとして、討伐種の特性の一部が付与されます。『遠吠え(威嚇小)』、『2足歩行適応(極小)』を手に入れました。】
ウサギが遠吠え覚えちゃいましたよ奥さん。
威嚇の効果があるのはうれしいことですけれど、ウサギが遠吠えする姿ってどうなのよ?
そしてツッコミどころは『2足歩行適応』って意味不明なワードですよね。
いや、2足歩行は知ってるよ?
それに適応って、オレはどこかの不思議の国のウサギみたくなれるのかな?
ちょっと立ってみた。
うん、こんな動物いたよね。
立ち上がって周囲を警戒する奴。
少し立ったままでいると後ろ足が疲れてきたので、やはりまだ2足歩行への適応は道半ばなのだろう。
で、なんとなくなのだが。
オレの両手? 前足? がなんとなく器用になっている?
肉球の付いた前足の指がにぎにぎできる。
2足歩行に合わせて『前足』が『手』に進化してきているのかな?
ん? 2足歩行するウサギ?
手指が器用になる?
それに『存在進化』?
もしかして?
その方面で進化していけば、人間とかにもなれるんじゃね?
そうなれば、肉とか、人間社会の
よし、成れるかどうかはわからないが、人間を目指すという目標が生まれたので、とりあえず、2足歩行の魔物をどんどん倒して行くことに直近の目標をシフトした。
と、目標を掲げた数日後。
「‥‥‥これは予想してなかったな」
コボルドさんの生息地を通りかかると、何やら不思議な動きをする個体がいたので、よーく見て見ると腐っていました。
はい、コボルドさん、ゾンビになっちゃってますね。
思えば、これまで倒したスライムなんかは地面に染みこんで行ってたし、ヘビさんなんかは鳥さんに食われたりしたんでしょう。
ゴブさんなんかは集落の仲間が埋めるなり焼いたりしたんでしょうかね。
で、放置されたコボルドさんたちは、哀れアンデッド化してしまったと。
でも、狼さん達も同じように放置されていたはずなのにアンデッド化していないな?
あ、そうか。
この辺、他のとこよりも瘴気みたいなのが濃いんですね。
だから、この辺のコボルドさんだけそうなっちゃった訳らしい。
もとはと言えば、オレが倒しちゃったのが原因だからなー。
なんとなく、オレが成仏させてあげなければいけないような気がしてきました。
グサッ
グサッ
グサッ
ゾンビなかなか死なねえな!
何回も心臓のあたりを角で突いているんですけど、もともと心臓が止まっているので効果がナッシング。
もう一つの急所、頭を突いて見ても、頭蓋骨に穴はあけられますが、こちらもほとんどノーダメージです。
ゾンビの弱点ってどこだっけ?
ズコッ
ズコッ
ズコッ
グチャッ
頭蓋骨を何回も突き刺してみました。
どうやら、脳はそれなりの弱点らしく、頭蓋骨を破壊して脳をぐちゃぐちゃにしたらどうにか倒せたみたいです。
ふむ、どうやら脳を破壊すれば倒せるようだ。
だったら、頭ごと切り離すか?
シュパッ
うおええええええええええええええ!
入った! 口に入った!
牙を出して首ちょんぱしてクリティカルで倒せたのはいいんだけれど、ゾンビの腐肉が口に入りましたぁああああああ!
オレ、ゾンビウイルスとかに感染しねえよな?
たまらず川で口をゆすぎ、近くにあった毒消し草をはむはむしてぺっする。
毒消し草に殺菌効果があることを切に願う!
ーーーーーーーー
この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!
もし、少しでも『面白い』『続きが呼んでみたい』等々の感想を抱いていただいたのであれば、作者のモチベーションに繋がりますので、★や♡での応援や、フォローやコメントをいただければ幸いです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます