第17話 ウサギ進化
結局、地道にレベルアップするしかないという結論に達したハクトです。
と、いう事で森の中で魔物を探しています。
白いボディーはすでに泥まみれにして森の風景に溶け込んでおります。
毎回毎回思うのだが、何かを試みて失敗して、結局地道な作業に戻るというのは人間でもウサギでも同じなのだろうか?
うーん、生きるって大変なんだな。
危うく悟りを開きそうになってしまったので、魔物の索敵に集中する。
◇ ◇ ◇ ◇
狼さんの群れを発見しました。
この狼さんは、
オレにも角がありますので、なんか親近感のようなものを抱いてしまいます。
でも、だからと言って見逃したりは致しません。
狩らせていただきます。はい。
隠密状態で群れに近づき、高いAGTを生かして群れの側面に回り込みます。
どうやらオレのAGTやSPDは狼さんのそれを上回っているらしく、狼さんはオレの動きについてこれません。
ウサギは小さな体を生かして狼さんの腹の下に潜り込み、心臓を一突きして、まるで宙返りするように後ろ足で狼さんのお腹を蹴って刺さった角を抜きます。
狼さんもオレを攻撃しようと頭の角をオレの方に向けて突進してきますが、同じ角を持つ魔物同士、その攻撃の際に出来る隙は十分把握しています。
相手の突進を横に躱し、側面から心臓の位置を突き射して、同じように後ろ足で蹴り飛ばして刺さった角を抜いてを繰り返します。
はい、最後の一匹ですね。
さすがに狼さんもオレから逃げるそぶりを見せましたが、踵を返したその一瞬で仕留めてしまいます。全滅ですね。
お次に会敵したのは牙狼さんです。
こちらの狼さんは、角がなくて牙が発達しているタイプですね。あ、もちろん群れています。
角がない分、噛みつき攻撃オンリーなので角狼さんよりも御しやすいです。
はい、こちらも全滅出来ました。
そんなこんなで狼さんを狩っていると、とうとうその瞬間が訪れました。
【角狼を100体討伐しました。同一種族の100体討伐ボーナスとして、討伐種の特性の一部が付与されます。『角自在』、『敏捷上昇(極小)』を手に入れました。】
【牙狼を100体討伐しました。同一種族の100体討伐ボーナスとして、討伐種の特性の一部が付与されます。『牙自在』、『敏捷上昇(極小)』を手に入れました。】
【『敏捷上昇(極小)』が統合されて、『敏捷上昇(小)』になりました。】
【レベルが『10』に上がりました! 各種ステータスがそれぞれ上昇しました!】
【レベルが『10』になりましたので、『ユニーク個体』への『存在進化』条件が解放されました。】
【『存在進化』の条件を満たしました。ユニーク個体、『アサシンヴォーパルバニー』に進化出来ます。進化しますか? Y/N】
おおう、もりだくさん!
『存在進化』ってなんだ!? 進化できるのか?
ユニーク個体ってことは、強くなるはずだよな? だって進化だし!
悩んでいても仕方がない。
オレは迷わず、心の中で『Y』を選択する!
すると、オレの身体が一瞬淡い光に包まれ、なにかじぶんの存在が別の何かに置き換わった、いや、今までの自分に何か別の要素が加わったというのが正しいのか。そんな感覚が身体を駆け巡った。
まずは見た目を確認しようと、いつもの川に行って川面に映る姿を確認する。
「あ、
存在進化して種族名が変わったからなのか、『ホーンラビット』の代名詞である角がなくなっていた。
角なくなったらオレの攻撃手段がないんですけど?
あ、そういえば。
狼さんを倒してなんかスキルを覚えていたな。
たしか、『角自在』と、『牙自在』だったか。
ちょいと試してみましょうか。
ニョキッ
シュルン
おおう、文字通り
そして、
キラン
シュルン
ふむ、どうやら鋭い牙も自由自在に出せるようだ。
という事は、これまでの角攻撃に加え、牙での攻撃も可能になったという事だな。
「ステータスオープン」
名前:ハクト(ネームド)
種族:new!アサシンヴォーパルバニー(転生者)
レベル:9→10
HP:38/38→43/43
MP:32/32→37/37
STR:21→24
ATK:46→50
SPD:58→63
VIT:28→32
DEF:27→30
INT:49→55
RES:22→24
DEX:32→35
AGI:64→70
LUK:89→178
魔法:なし
スキル:
・ラビットイヤー~ウサギ固有。聴覚が鋭敏となり周囲の気配や敵意に敏感になる。
・ラビットアイ~ウサギ固有。近眼。視野360度、暗視(中)、2色カラー。
・ラビットノーズ~ウサギ固有。嗅覚プラス補正。探索、索敵効果。
・脱兎のごとく~ウサギ固有。逃走時敏捷と速度にプラス補正。
・くいだめ~胃の許容量を超えた食事を100回越えたことによる能力。食いだめが出来る。食いだめ中は敏捷と移動速度にマイナス補正。戻すと戻る。
・好物最後残し~イチゴのショートケーキのイチゴを最後まで取っておいた回数が100回を超えたことによる能力。最後に残した好物の旨味に上昇補正。
・食通の勘~味覚で幸福を感じた回数が100回を超えたことによる能力。可食なもの、美味なものを察知する勘が働く。
・聞き耳~周囲の会話の中から
・消化促進(強)~スライムを100体倒して得た能力。消化が促進され、毒素等の解毒能力も強化される。
・暴食(小)~スライムを100体倒して得た能力。従来可食できなかった者でも消化吸収が可能になる。
・消音移動(強)~スネークを100体倒して得た能力。発動時は移動の際の足音を消し聴覚では感知されにくくなる。
・熱感知(小)~スネークを100体倒して得た能力。五感以外の感覚器で熱源の探知が出来る。
・new!敏捷上昇(小)~角狼と牙狼を100体づつ倒して得た能力が統合された。敏捷と速度にプラス補正。
・new!角自在~角狼を100体倒して得た能力。角を自在に出し入れできる。
・new!牙自在~牙狼を100体倒して得た能力牙を自在に出し入れできる。
・new!体毛色自在~アサシンヴォーパルバニー固有。体毛の色を自由に変更できる。
・new!クリティカル~アサシンヴォーパルバニー固有。クリティカル確立にプラス補正。
※種族変更可能~レベルを10失います。
【可能な変更先~ホーンラビット】
「ステータス長いな!」
ウインドウがすでにスクロールバーなしでは全て見られないくらい長くなってしまった。
次からは既出の物は端折ってもらうよう設定できねえかな?
今回の『存在進化』で特筆すべきは――、
ステ値でLUKが2倍になったな。
これまで一切値が増えなかったのだが、ここにきて急上昇だ。クリティカル確立アップの影響がここに影響したのか。それとも『進化』したからなのか。
あとは『体毛色自在』かな。
これで、いちいち泥を体に塗り付けなくても済むという事だな。
そして驚いたのは、『種族変更可能』ってところだな。
テキストを読む限りだと、10レベル分の経験値を消費して、これまでなったことのある種族に戻れるって解釈でいいのかな?
うん、これだと進化した後で能力がいまいちだった時でもやり直しは可能という事だからとりあえずは安心か。
兎に角。
いまだ大きなゴブリンと魔法ゴブリンを倒すすべは見当たらないが、レベルが10に上がったことで、これまで以上に成長できる幅と可能性が広がったことで希望は見えてきたな!
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この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!
もし、少しでも『面白い』『続きが呼んでみたい』等々の感想を抱いていただいたのであれば、作者のモチベーションに繋がりますので、★や♡での応援や、フォローやコメントをいただければ幸いです!
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