第9話 100体ボーナス

 ぱりーーん


 ぱりーーん


 ぱりーーん




 今日も今日とてスライムの核を砕く毎日。


 嗅覚で索敵し、スライムを見つけ、なぜか夜間は動きが鈍くなるヤツを狩る毎日。


 倒すたびにスライムゼリー? も飲んでいるから喉も乾かないし、栄養分もあるのかそんなに腹も減ってこない。


 なんとなくだが、毛並みもつやつやになってきた気もする。


 スライムって美容にいいのかな?



 そんなこんなでスライムを狩り続けていると、ふと頭の中にレベルアップしたときとは違うアナウンスが流れてきた。


【スライムを100体討伐しました。同一種族の100体討伐ボーナスとして、討伐種の特性の一部が付与されます。『消化促進(強)』、『暴食(小)』を手に入れました。】


 

 おっふ?


 なんか手に入りました。





 消化が促進されるなら『食いだめ』しても普通に動けるようになるまでの時間が短くなりそうだな。

 

 暴食の方は、雑食ウサギになれそうな感じだ。今度木の枝でも食べてみるか。



 まあ、今回手に入ったスキルは余計に腹が減りそうな微妙なスキルではあるが、マイナスの補正が入るわけではないので歓迎したい。


 アナウンスの内容からすると、『同じ魔物を100体』倒すことによって、その倒した魔物の能力の一部をゲットすることが出来るらしい。


 うん、新たな能力が手に入るのならば100匹チャレンジを試さない手はないな。


 200体目とか1000体目とかで手に入るスキルもあるかもしれないが、これ以上スライムを倒し続けるのはいささか飽きてきた。


 それに、すでにスライムではろくに経験値も入らなくなってきているので、次の得物ターゲットにシフトするのが妥当なところだろう。

 




 じゃあ、今度は何を狩るのかという話になる。


 そういえば、日々の目まぐるしさですっかり忘れていたが、この異世界に転移して一番先に襲ってきた奴がいた。


 その後の周辺の嗅覚や聴覚を用いた探索で、そいつはおそらく『ゴブリン』であることとの見当はついている。


 ふふふ、よくもオレを食べようとしてくれたな?


 お前ら、狩りつくしてやるぜ!




◇ ◇ ◇ ◇



 夜。


 ゴブリンの集落のそばで息をひそめる。


 これからゴブどもを討伐しようとやってきました。


 多分、ゴブは単体だと今のオレより弱い。


 だから、本当は一体ずつ相手取りたかったのだが、奴らは人間のように昼型で夜は睡眠が必要らしい。


 なので、夜に一体ずつで行動している個体もなく、寝ている所を襲うのが現実的だと考えて、集落にやってまいりました次第でございます。




 ちなみに、今のオレのステータスはというと、



名前:ハクト(ネームド)

種族:ホーンラビット(転生者)


レベル:5→7

HP:24/24→30/30

MP:11/11→21/21


STR:11→15

ATK:32→38

SPD:40→48

VIT:14→20

DEF:15→21

INT:27→38

RES:14→18

DEX:20→26

AGI:42→52

LUK:89

魔法:なし

スキル:

・ラビットイヤー~ウサギ固有。聴覚が鋭敏となり周囲の気配や敵意に敏感になる。


・ラビットアイ~ウサギ固有。近眼。視野360度、暗視(中)、2色カラー。


・ラビットノーズ~ウサギ固有。嗅覚プラス補正。探索、索敵効果。


・脱兎のごとく~ウサギ固有。逃走時敏捷と速度にプラス補正。


・くいだめ~胃の許容量を超えた食事を100回越えたことによる能力。食いだめが出来る。食いだめ中は敏捷と移動速度にマイナス補正。戻すと戻る。


・好物最後残し~イチゴのショートケーキのイチゴを最後まで取っておいた回数が100回を超えたことによる能力。最後に残した好物の旨味に上昇補正。


・食通の勘~味覚で幸福を感じた回数が100回を超えたことによる能力。可食なもの、美味なものを察知する勘が働く。


・聞き耳~周囲の会話の中から興味グルメのある事柄を100回聞きつけたことによる能力。周辺の音に敏感になる。


new!・消化促進(強)~スライムを100体倒して得た能力。消化が促進され、毒素等の解毒能力も強化される。


new!・暴食(小)~スライムを100体倒して得た能力。従来可食できなかった者でも消化吸収が可能になる。





 おおう、改めて見て見たら、『消化促進(強)』が結構役に立つじゃあないですか。

 まさか解毒作用まで付与していただけるとは。



 ゴブリンのステータスがどれくらいなのか知りたいところではあるが、寝ている所を一匹づつ突き殺していくのがベストだろう。



 


 集落に近づく。


 さすがに無防備という事はなく、集落の入り口には見張りのゴブが2体、粗末な槍のようなものを持って立っている。


 聴覚マシマシのウサギイヤーで集落を探ると、中には大小さまざまな個体が50体くらいはいるみたいだ。


 どうする? 見張りを殺るか?


 それとも、中に忍び込んで仕留めていくか?



 そんなことを考えていたら、見張りのうちの1体が、巡回なのかトイレなのか、持ち場を離れていくのが見えた。



 よし、獲物は決まった。




 



ーーーーーーーー


 この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!


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