第7話 狙われたウサギ

 おはようございます。


 とはいっても、今の時刻は夕方です。 


 はい、夜に起きて昼に眠る夜行性のウサギ、ハクトです。



 え? 昨昼はゆっくり眠れたのかって?


 いやー、異世界の森を舐めてましたわ。


 はい、ほとんど寝られませんでした。



 オレ、気づいたんです。


 オレの身体の色、白いんだって。



 緑とか茶色の色彩が多い森の中に白い色があったらそりゃ目立ちますわな。


 それと合わせて、


 どうも、オレのウサ耳は寝ている時も常にぴくぴく動いているらしいんですわ。


 なんでも、警戒モードの時はなんかの音を拾うたびに動いちゃうらしいんです。


 森の中で無音というのはあり得ないから、もう常にぴくぴく動いちゃうわけですね。


 で、森の中で白いものがぴくぴく動いている状況なわけですよね。


 そりゃ、狙われますわな。



 


 鷹みたいな大きな鳥が、はるか上空から巣穴目がめて滑空してきた時は死を覚悟しました。


 あいつら、獲物狙う時は滑空するから羽の音しないんですよ。


 空気を切る音に反応できたから間一髪逃げられましたけど、あの鉤爪かぎづめで攫われそうになるのは二度とごめんです。



 と、いうわけで。


 地面をほりほりするのは楽しかったけれども、地面の穴じゃダメなことがわかりました。


 今夜は、安全安心な寝床を探すことに集中することに致します。ああ眠い。



◇ ◇ ◇ ◇


 あ、そういえば。


 昨夜スライムを狩った結果、またレベルが上がったんだよ!



名前:ハクト(ネームド)

種族:ホーンラビット(転生者)


レベル:2→5

HP:12→24

MP:2→11


STR:5→11

ATK:23→32

SPD:26→40

VIT:5→14

DEF:6→15

INT:16→27

RES:8→14

DEX:11→20

AGI:26→42

LUK:89

魔法:なし

スキル:

・ラビットイヤー~ウサギ固有。聴覚が鋭敏となり周囲の気配や敵意に敏感になる。


・ラビットアイ~ウサギ固有。近眼。視野360度、暗視(中)、2色カラー。


・ラビットノーズ~ウサギ固有。嗅覚プラス補正。探索、索敵効果。


・脱兎のごとく~ウサギ固有。逃走時敏捷と速度にプラス補正。


・くいだめ~胃の許容量を超えた食事を100回越えたことによる能力。食いだめが出来る。食いだめ中は敏捷と移動速度にマイナス補正。戻すと戻る。


・好物最後残し~イチゴのショートケーキのイチゴを最後まで取っておいた回数が100回を超えたことによる能力。最後に残した好物の旨味に上昇補正。


・食通の勘~味覚で幸福を感じた回数が100回を超えたことによる能力。可食なもの、美味なものを察知する勘が働く。


・聞き耳~周囲の会話の中から興味グルメのある事柄を100回聞きつけたことによる能力。周辺の音に敏感になる。







 うん、最初は1匹倒してレベルが上がったけれど、だんだん必要な経験値的なものが増えていくのか20匹以上倒してようやく3つ上がったという感じでしたね。


 各ステータスは、割といい成長をしている感じですな。

 

 AGIが上がっていたから鷹から逃げられたと思うし、DEXが上がったからほりほりが得意になったと思う。


 この森の他の魔物のステータスがわからないから、これがどれくらいの強さなのか比較対象がない。

 

 LUKの値が固定なところを見ると、各ステの最大値は99か100なのかとも想像できるし、もしそうならばSPDとかAGIはかなりいい数字なんだと思う。

 

 んー、鑑定のスキルがほしいなあ。



 でも、今回のレベルアップでスキル類は全く増えなかったから、スキル取得の要件とか全くわからない。


 まあ、地道に強くなっていくしかないのだろう。



 というか、まずは安全なねぐらを確保しなければ。


 今日のはゆっくり寝たいものだ。




◇ ◇ ◇ ◇ 



 よさげな樹木を見つけては、前足で木をたしたしと叩いて反響音を確認する。


 理想の巣穴、それは地面ではなく、木のうろにあると思うのだよ。


 それを探すために、樹木を叩いて反響音から穴の有無を確認しているというわけだ。



 洞のある樹木は今まで数本見つけたのだが、残念ながら先客がいたりしてこれぞというところが見つからない。


 さっきは住んでいたリスさんが慌てて起きてきて申し訳ないことをしたと思う。


 リスさんとか小鳥さんとかならば先住民を追い出すなり虐殺するなりで乗っ取れないこともないのだが、そんな非道な真似はしたくないからな。


 時折道すがら見つけた美味い草(薬草)をはむはむしながら住居探しを続けていると、巣穴向けの絶好な洞をとうとう発見する。


 その洞は、上空からは大きく張り出した枝葉が邪魔になって鷹などの猛禽類から狙われることはなく、また木の下から見ても太い枝の死角になって洞があることを視認できない好条件。


 視覚に頼らず反響音を頼りに捜したから、他の動物たちにも見つけることのできない好物件を発見できたのだ。INT27の勝利だな!


 さっそく木をよじよじとよじ登り、洞の入り口に到着。


 よし、ここがオレの新居だーーー!


 




ーーーーーーーー


 この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!


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