第4話 ウサギの強さ
オレは死にかけながらも、どうにかこの異世界に来ての初勝利を収めた。
相手はスライム。
いろんな物語のなかで最弱として描かれることが多いこの魔物は結構な強敵であった。
で、物語の中だと、こうやって敵を倒すと脳内にアナウンスが聞こえてきたりするのだが――
【レベルが『2』に上がりました! 各種ステータスがそれぞれ上昇しました!】
本当に聞こえてきたよ?!
ということは、やっぱりこの異世界はゲームのシステム的なものが存在するということなのかな?
で、あれば、アレも存在するはずだ。
「ステータスオープン!」
名前:ハクト(ネームド)
種族:ホーンラビット(転生者)
レベル:1→2
HP:5/8→12/12
MP:0/0→2/2
STR:3→5
ATK:20→23
SPD:23→26
VIT:3→5
DEF:4→6
INT:14→16
RES:6→8
DEX:9→11
AGI:23→26
LUK:89
魔法:なし
スキル:
・ラビットイヤー~ウサギ固有。聴覚が鋭敏となり周囲の気配や敵意に敏感になる。
・ラビットアイ~ウサギ固有。近眼。視野360度、暗視(中)、2色カラー。
・ラビットノーズ~ウサギ固有。嗅覚プラス補正。探索、索敵効果。
・脱兎のごとく~ウサギ固有。逃走時敏捷と速度にプラス補正。
・くいだめ~胃の許容量を超えた食事を100回越えたことによる能力。食いだめが出来る。食いだめ中は敏捷と移動速度にマイナス補正。戻すと戻る。
・好物最後残し~イチゴのショートケーキのイチゴを最後まで取っておいた回数が100回を超えたことによる能力。最後に残した好物の旨味に上昇補正。
・食通の勘~味覚で幸福を感じた回数が100回を超えたことによる能力。可食なもの、美味なものを察知する勘が働く。
・聞き耳~周囲の会話の中から
「スキル多いな!」
なんか、いろいろツッコミどころが満載なステータスが現れる。
このステータスは、目の前に現れた半透明の四角いウインドウにかかれているものだ。うむ、定番だな。
一つ一つ検証していきたいところだが、さっき草を食うのに夢中になってスライムの接近を許した前科があるからな。
同じ轍は踏まない様に、周囲への警戒を怠らない様にしておこう。
うん、まずは名前だな。
ウサギに名前があるなんてどうなのよという思いを裏付けるかのように、『ネームド』と書かれているな。
どうやら、オレは名前持ちの魔物として少しアドバンテージがある様だ。やったね!
といっても、
そして種族は『ホーンラビット』。うん、
ウサギなのに『転生者』ってついているのはなんだか違和感があるんだけれども、誰に突っ込んでいいかもわからないからスルーしておくしかない。
で、各種数値なんだけど、STRはストレングスで『力』とか『腕力』だろう。うん、5とか、カスな数値だね。
『腕力』だとすれば、ウサギであるオレにとって、腕とは『前足』のことになるから非力だという事で納得はいく。後ろ足なら筋肉モリモリでチカラありそうなんだけどなー。しかも、もふもふだぜ?
そしてATK。攻撃力だな。STRがカス数値なのにそれなりに攻撃力が高いのは、おそらくは後ろ足の筋力とか、そのチカラを乗せた角でのアタックとかの要因が加味されているのだろう。
まあ、いちいち全項目細かく検証するほどのんびりはしていられないのでこの辺で切り上げるが、ウサギだけあってSPD(スピード)とAGT(敏捷性)の数値は高い。
あと解せないのは元の日本人の知識があるにも関わらすINT(知恵)の数値がそれほどでもないことだ。脳みそ小さくなったからかな?
スキルの方だが、『ウサギ固有』の物はまあいいだろう。
突っ込みたいのはその下だ。
あきらかに、これは日本人であった頃の経験によって得られたスキルだろう。
だって、ウサギに生まれ変わってから食事したのってさっきが初めてだし、イチゴのショートケーキなんて異世界で食えるはずもない。
ああ、もうショートケーキなんて食えないんだろうなあ‥‥‥。
で、さっきスライムから襲われたときに回避が上手くできなかったのは、この『食いだめ』スキルのせいだな。
腹いっぱいになると敏捷と移動速度にマイナス補正がかかるって、まさにあの時の状況そのままだからな。
あと、『戻すと戻る』って、『逆噴射』の事だよな? 逆噴射すればマイナス補正が元に戻るということだろうが、表現がストレートすぎないかな?
美味しい草に巡り合えたのは『食通の勘』のおかげだろうし、『聞き耳』はウサギ固有の能力と被っているかな?
あと気になるのは『魔法』の欄だな。
今は『なし』になっているが、『MP』が増えているからいずれはウサギでも魔法が使えるようになるかもしれない。
うん、少し希望が見えてきたね!
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この度は、『うさぎ転生~角ウサギに転生した元日本人は、日本食食べたさに兎獣人への進化を目指す~』を呼んでいただき誠にありがとうございます!
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