「あーーー!ムカつく!あのクソメガネ!」

「お前生島あれだけ殴っといてまだムカついてんのか?おい!今信号赤だったぞ!」

「こっちは緊急車両!」

「赤色灯つけてねぇだろ!ちゃんと信号守れ!」

腹を立ててるいる戸川は運転が荒い

かれこれ1週間前からずっとこの様子だ

「アタシが交渉したんすよ!クソメガネがしゃしゃり出て挙句「俺達がEdenに連れていく」はぁ?舐めんなよ!クソが!…でもすみません…」

「ん?何が?」

「いや…私を庇って三日月さんが…」

今回の相手は「異常フィジカル」言わるゆる常時火事場の馬鹿力の能力者、ただの木の枝でも対象者が持つと武器になる、RACKに保護される条件が対象者が「三日月と戸川になら保護されてもいい」と言った後に生島達が場を乱し混乱させ対象者が戸川に向かって小さい何かを投げ庇った三日月はかすったのか右手を負傷した

「別に大した傷じゃない、もう怪我するのも手柄取られるのも慣れたよ、お前と対象者が無事ならそれでいいさ。それにお前と組む前くらいから生島達の邪魔があったから俺は単独で動くようになった」

「へぇ〜規則では2人ないし3人1組なのに三日月さんは特別なんすね」

「まぁな」

「ならなんでアタシを引き入れたんですか?」

「そのうち教えるよ」

「またそれ…いつも「そのうち教えるよ」だもん、はぁ…じゃあ違う質問、引き渡した連中がいるEdenの管理棟はなんであんなに厳重なんですか?あれじゃまるで…」

「牢獄か?」

「牢獄にしか見えないっす、私はアクセス権がないから入れないにしても…でも私見ましたよ!あのクソメガネが管理棟から出てきたの!」

「…お前それ誰かに言ったか?!」

「言ってないです、そ…」

「絶対に言うなよ!!」

「え?三日月さんも特別捜査官だから入れるんじゃないんですか?」

「俺は門前払いだ…」


キキィィィィ!

戸川が力一杯ブレーキペダルを踏み車が急停車、三日月は弾みで前のめり体勢になり軽くベルトに締められた

「お前!急ブレーキやめろよ!」

「なんで三日月さんが門前払いなんですか!」

「知らねーよ、俺嫌われてるんだろうな、「処理」した方が圧倒的に楽だし被害も減る、俺のやり方はもう古いのかな?」

「そんな事ない!どんな能力であれ公的機関が保護するんだから相手の人権を尊重しないやり方は間違えてます、三日月さんは間違えてないっす!」

「…相手も人間だ…人間なんだ。こちらの道理を相手に押し付けるのは俺は嫌なんだよ」

「そうですよ!でも…ホッとしました」

「はぁ?何で?」

「アタシ三日月さんのそういう所好きすよ」

「ありがとうよ…嬉しくて涙が出るわ」

「嘘つき」

「バレた?」

「死ね!」

「お前ねぇ…俺一応…オイッ!」

その一言を吐き捨て戸川は車を急発進させた

首都高の入口から山梨方面に車を走らせる

平日の夕方とは思えないくらい道は空いていた

道路脇に設置された等間隔の街頭の明かりが流れて行くのを三日月は見てフロントグラスに薄く反射する戸川を見つめた


ー戸川は正解だったな、この2ヶ月で3人保護した、それもコイツの説得で。コイツは人に興味が無いフリして悪ぶってはいるが人をちゃんと見ているし何より信念がある。生島なんかよりよっぽど優秀だ、それに人間に分け隔てがない。こういう良い奴がRACKに増えたら良かったのになー


「なんすか?」

視線が気取られたようだ

「別に、お前は良い奴だよ」

「美人が抜けてます、減点」

「美人はフルスイングで何発もグーパンしねぇの」

「あーあーあー聞こえない、あ、SA寄っていいすか?」

「あぁいいよ」

戸川はウィンカーを操作しハンドルを左にきりSAに車を向けた

駐車場は空いていて停め放題状態の駐車場でスターライトカフェ近くに車を停めた

「まーた訳分からんもん飲むのか?」

「分かってないなぁ…頭使うと糖分使うんですよ」

エンジンを切りサイドブレーキをかけて2人して車を降りてスターライトカフェへ

店内は空いていて注文までスムーズ、店員も満面の営業スマイルで

「いらっしゃいませ!ご注文は?」

「キャラメルフラペチーノグランデでクッキー、ホイップマシマシでハニーシロップ追加で」

「あ、俺はソイラテのトール、ショット追加で」

三日月が注文を言い終わると戸川が払おうとしたのかいつも引きづってるキャリーバックを忘れた事に気づく

「あ!財布車だ」

「別にいいよ、俺が出すから」

「いつもいつも悪いっす」

「うるせぇな、素直に甘えておけ」

そう支払いを済ませ商品を受け取り車に戻る時も戸川は満面の笑顔だった

「高まるぅ〜!」

「よく胸焼けしねぇな、あ!お前運転しなくていい、また荒れたらたまんねぇから」

「いやいや、怪我してる三日月さんに運転なんて…」

「大した傷じゃねぇよ、いいから、たまにはハンドル握っとかねぇと」

そういい三日月が運転席に座り座席の位置とルームミラーの位置を調整し

「んじゃ行くぞ」

ギアをDにいれサイドブレーキを解除し三日月は車を走らせた


ー最近のクルマは好きじゃない、もっとこうガソリン臭いクルマの方がいいなー


なんて思いながらハンドルを握り横目で戸川を見ると戸川は飲み終えたストローをガシガシ噛みながら眠気と戦っていた

「寝ていいぞ、もう少しかかるから」

「…ん?!大丈夫っす!」

「全然大丈夫じゃねぇよ、無理すんな」

「…すみません…」

「別に謝らんでも…」

「グゥ…スゥ…グゥ…」


ー相変わらず寝るのが早いな、俺がこき使ってるからか…なるべく早く鍛えるためとはいえハッキング、交渉、射撃訓練…詰め込みすぎたなー


三日月は車内の音楽を切って車を左車線に変更、アクセルを少し緩め戸川が起きないように車を目的地に向かわせた


ー俺…間違えてないよなー

自問自答を繰り返しながら運転していると目的地に到着し戸川を起こす


「おい、着いたぞ〜」

「……あ、すみません…爆睡してました」

「別にいいよ、頭使うと疲れるんだもんな。とりあえず降りて見てみろ…ヨダレ拭いとけよ」

「女子にヨダレとか失礼ですよ!」

三日月が助手席のドアを開けて戸川が降りると同時に驚いた

「これ三日月さん個人で借り上げたんですか?!」

「あぁ」

建物を見上げながら戸川は呆れ顔で驚いた

3階建てのワンフロア3部屋、オートロック付きの合計9部屋の少し古いアパートを三日月が用意した


「今はこれしかないが今後はこっちに保護したability持ちを連れてくる、逮捕の場合はEdenに送る」

「そんな事やっていいんですか?それにこのセキュリティで…」

「構うことねぇよ、このオートロックは内側からは開かないように細工した、鍵は俺かお前の指紋、局長からなんか言われても「逃亡した」と伝えるさ」

「しかしまぁ…三日月さんこんなんどうやって…?」

「RACKは金払い良いからな、俺個人の金も使ったがお前をクビにさせない交渉をした時に作った部署あるだろ?その部署の予算も使わせて貰った」

「え?あの「公安零係未解決事件詳細保管解決課」ですか?そもそもアタシはどこ所属なんです?」

「お前はRACKであってRACKじゃない、どちらかと言えば新しい部署の未解決事件詳細…あー我ながら長ぇ!警視庁の未詳課だ」

三日月は禁煙パイプを咥えながら続けた

「お前は形式上RACKの情報収集官だが警察から出向してるってなってる、まぁ俺もなんだがな」

「なーるほど…だからアタシは警察に籍があるんすね」

「そうだ、新しく作った部署は独立している、警視総監ですらぞんざいに扱えないよ」

「1ついいすか?」

「ん?」

「アタシの懲罰取り消しといい新しい部署といい…三日月さんどうやったんです?」

「…そのうち…」

「大切な事です!濁さないでください!」

いつになく戸川が食いかかった

「…お前が俺の跡を継げるくらいになったら教えるよ」

「はぁ?なんですか?それ?!辞めるん…」

疑問を投げた時、戸川の私物の無線傍受機器から音声が流れた


ー至急至急!応援求む!対象者は磁力を操るability!…だ!……では対応できない!応援…場所は……!ー


「磁力か…面倒だな…ここから近いな、行くぞ戸川!」

「ちゃんと落ち着いたら話してくださいね!」

「おま!運転は俺が…」

「赤色灯つけて飛ばします!早く三日月さん乗って!」

そういい戸川が運転席に座り三日月が助手席に座り2人を載せた車は急発進した



八百万は東京の西にある繁華街

ここを過ぎるともう登山入門に有名な山がある

八百万の繁華街の一角は騒然としていた


「ここから早く避難してくださーい!危険ですから!」


地元の警察隊が野次馬を作らせないように避難誘導をしていた

恐らくRACKが警察にやらせているのだろう、ability絡みは必ず秘密裏にしなければならない。知らないで生きていける群衆には「ability」というものは劇薬だ

「自分に無い」と言うだけで僻み妬む生き物…挙句「持っている者」が少数と理解すると数の暴力を使う、匿名という仮面を被った人間が集まるとそれは「ability」より厄介な力になる…弱者ゆえの知恵…それが人間なのだから


「戸川…わかっているな?」

「耳タコっす、「生命」を最優先!分かってますって!」

そういい2人は車を降り人払いをしている警官にIDを見せてabilityを使う人間がいると思われる建物の正面に行った

建物は大手パチンコ店でビルの入口の鉄でできた部分はひしゃげガラスが散らばっていてそしてそのガラスの上に23-25歳くらいの女が手を前に出していた

「寄るなよ!アタシに!」

女の前にはRACKの捜査官がうずくまっていた

「落ち着いて、私は…」

「うるさい!アンタらもアタシを捕まえに来たんだろう?!」

戸川が両手を上げながら交渉するが相手は受け入れない

「違うわ、とりあえず私と話しをしない?私は戸川 志津、隣の人は三日月 宗近、一緒に問題を解決しましょう」

「どうして!どうして警察がいきない私に?!この訳の分からない力のせい?!」

「訳の分からない力?」

「そう!ここ1年くらい前から念じると鉄が動くの…そりゃ悪いこととは分かってたけど…少しくらいならって…」

「大丈夫……落ち着いて、私が話しを全部聞くから近くに行ってもいい?私がそっちに行けば誰も手を出させないわ!約束する」

戸川の交渉を三日月は聞いていた


ーこの捜査官達は対象者にいきなりいったな…どうなってる…馬鹿か!そんな事をやったら警戒されるだけだ!ー


三日月は戸川にアイコンタクトをする


ー戸川、相手にやらせてもいいから捜査官をこっちへー


ー分かってますー


戸川は首を縦に降ると話しかける


「そのまえに怪我をしてる人をこっちに…」

「ダメ!その人たちはいきなり私に鉄砲を向けて手錠をかけようとしたの!何もしてないのに!」

女が手を出し掲げると落ちていた手錠は針金のように丸まりグシャグシャになりあっという間に鉄クズに、そして捜査官が持っていであろう拳銃が宙に浮かび三日月と戸川の方に銃口が向けられた

「怪我してるの、もしこの人たちが死んたりしたら…まぁバカだから死んでも私は全然いいんだけどこんなバカでも死んだらアナタがやった罪になるの!そうはさせたくないわ!だから…お願い!」

戸川が交渉中に三日月は相手のabilityを推理する


ー恐らく全方位の磁力を操れるわけでは無そうだ…背中は無理とみた…それができるなら全ての鉄を操りこちらに投げられるハズ…それをしないのは手をかざしている方向だけ…距離は…自分から半径4m以内…ー


後ろを取れれば…


「俺からも頼むよ、戸川は頭もいいし話も分かる、そこに転がっている間抜け2人とは全然違うよ。それにこのバカ2人が死ぬと俺も面倒なんだ…俺と戸川を助けると思ってさ…戸川や俺が怪しいと君が判断したら遠慮なく俺らを殺すといい、君ならその後でもその力を使えば逃げ切れるだろう?でもそんなことは君は望んでない…違うかい?」


女は三日月の問に黙って頷く


「訳の分からん力で混乱してしまったんだろう?このアホ共が何を言ったが知らんが謝罪させてもらう、申し訳ない、俺も協力するから1番ベストな道を探そう?」

三日月は少し微笑みながら説得した

「…乱暴しない?」

「しませんよ、ねぇ?三日月さん?」

「当たり前だ、君に手錠やら物騒なもん向けたこのバカどもが悪い、なんなら俺も証言するからこのバカ2人から損害賠償請求するといいよ」

「私も証言するわ、まだお店の中に人はいるの?」

「……うん……」

「怪我してる?」

「ガラスで怪我した人がいる…」

「怪我をしてる人だけでも解放してくれないかな?もちろん誰も君に手出しさせない、不満なら俺か戸川が人質にな…」

戸川と三日月が説得している所にRACKからの応援で生島が現場に部下を連れてやってきた


「生島!何しに来た!お前の出番なんてねぇ!」

三日月が制止をすると

「三日月、お前の意見は聞いてない、そもそも何故お前がここにいるんだ?!…牧村 絵里子、君は交渉に応じずRACKの捜査官を負傷させた。条件的にはやや無理矢理だがこちらも相応の対応をさせてもらう、何より早期解決が市民の為だ」

「ペラペラ喋んな!クソメガネ!邪魔してんじゃねぇよ!アタシと三日月さんが…」

「黙れ!お前も何故ここにいる!お前らの任務ではないだろう?!邪魔だてするならお前らの無事は保証しない」

そう言うと生島は引き連れていた部下に命令を下す

「取り抑えろ!」

「バカ!中にはまだ…」

「プライマリーバランスだ、お前の安っぽい正義感でこれ以上人目に晒されるのはリスクしかない、それより早期解決だ!」


「この!嘘つきーー!」

牧村と呼ばれた女が叫んだ瞬間


「戸川ぁ!」

三日月は宙に浮く拳銃から戸川を庇うために抱き抱えるよう地面に倒れる瞬間


パァンパァン


2発の乾いた音が鳴り響く


「ぐぁ!」


牧村が操ったと思われる拳銃から1発づつ発砲され戸川は三日月のおかげで無事だったが三日月に向けられた拳銃の弾は三日月を追うように銃口がズレて発射され左目眼球横に被弾

「三日月さん!三日月さん!」

三日月は起き上がり戸川の叫びに耳もやらず被弾した左目を抑えながら牧村 絵里子を抱きしめた

「大丈夫…大丈夫だ…俺は何ともない…落ち着いて…怖かったよな…そうだよな…見ず知らずの人間に…怖いな…でももう大丈夫だから。力ののまれちゃダメだ…抑えて…牧村さん」

「あ、あ、アタシ…」

「大丈夫…君が不利益にならないよう俺が上と掛け合う…だからこれ以上は力を使うな…な?」

それだけ言うと三日月は生島の方を向き

「お前の薄っぺらい虚栄心でこの人を追い込むな…次なんかしてみろ?タダじゃすまさん」

左目から出血をしている三日月に圧倒されたのか生島は何もできずに呆然としていると


バァチィィィィン!


戸川の強烈な一撃か生島を捉えた後直ぐに救急要請を出した

「こちら戸川!特別捜査官三日月さんが撃たれました!至急救急車を!場所はGPSから辿って!早く!」

「お前…この…」

「うるせぇ!無能!学習する脳みそねぇか!このクソメガネ野郎!アタシがお前をぶっ殺すぞ!」

戸川は生島に啖呵を切り三日月に駆け寄る

「三日月さん!傷見せて!」

「はは…大丈夫だって…かすっただけだ…」

「大丈夫じゃない!眼球横から…三日月さん!アタシ…とろくてごめ…」

「お前が謝んな…お前がやる事は俺の…事じゃない…牧村さんを落ち着かせてやれ…」

「でも…!」

「うるせぇな、俺の言うこと聞け!」

三日月は手で戸川を払うと左目を抑えながらその場に倒れ込む

戸川や生島が何かを言っていたが血を流したせいか意識が薄れていった



ー誰も死なずに済んだ…良かった…ー


そう自分に言い聞かせると三日月は意識を失った






ーーーーーーーーーーーーーーーーー


親がいない


それだけでヒエラルキーは下だった


大人は言う「みんな違う、でもみんな一緒だ」


さっぱりわからない


学校へ行くと影でコソコソ言われていた


親がいないと言うだけで同級生から嫌がらせを受けた


体操着や上履きを棄てられたり教科書を隠されたり


自分がされても別にいい、教科書の中身なんて頭に入ってる、体操着なんてなくてもいい、でも2年下の同じ施設の奴が虐められてのを見て頭にきた


返してやれと言いに行ったら殴られたのやり返した


学校では誰も信じてくれず施設に帰り親変わりの「施設長」に話をしても


ーどんな事でも暴力を振るったらダメ!ー


ーでもアイツら…俺たちの事親がいないから…貧乏だからって…ー


ーいい?だとしてもダメ、暴力を振るわれたから暴力で返したらいつまで経っても変わらない…憎しみは憎しみしか生まないー


ーじゃあ僕らは殴られっぱなしってこと?ー


ー貴方は自分がされても怒らないのに周りの子の事になるとカッとなるのねー


ー僕はいいんだ、もう慣れたから、でもアイツらは誰かが守ってやらないと!ー


ーその気持ちは大切にしなさい、でも守る事は何も暴力だけではないのよ?みんな違くてもみんな一緒よ?ー


さっぱり分からない…


いじめをする側、される側


きっかけは親が「いる」か「いない」


どどの詰まり持ってるか持ってないか


それだけだ


でもどっちも人間だ


なのに


分からない


ワカラナイ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


事件から2週間、牧村 絵里子はEdenに収容された

無理もない

三日月は3日間程意識が戻らずに寝ていた間、戸川が何とか三日月が用意したアパートに連れて行こうとしたのだが生島が猛反発したのが理由だった


三日月が病室の個室窓から外を見ているとドアが開いた


「起きてたんすね」

戸川だった

「おー心配かけたなぁ」

「…すみません…力足らずで…」

「お前が気にする事ないよ」

「牧村さん、三日月さんのこととても心配してました」

「俺が殴ってでも生島止めればなぁもっと上手くやれたハズだったよ」

「そんな事…それに私も注意が…」

「お前はよくやった、さすが交渉人だ、それに誰も傷つかなかった…1番いい結果…」

「バカ言わないでくださいよ!三日月さんは…」

「俺はいいんだ、両目が無くなった訳じゃないしな、それに言ったろ?もう慣れたって。あの時の牧村さんの恐怖と比べたら屁でもねぇよ、それより戸川?例のこと調べたか?」

「…はい」

「どうだ?」

「三日月さんの言った通りです、クソメガネは局長と会ってました…頻繁に連絡し合ってるみたいっす」

「…そうか…引き続き調べてくれ…でもくれぐれも無茶はするなよ」

「大丈夫っす、こう見えて危機管理はきっちりしてるんで、また来ます。安静にしててくださいね!何か分かったらまた連絡します!」

そう戸川言い残し病室を後にした





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る