第12話 4月16日

先輩から合コンの誘いをいただいてしまった!

社会人になって初めての合コンに困惑を隠せない。


話された時は断った。

意地でも結婚したいという思いは強かったが。恋愛はしたくなかった。

しかし、恋愛のトラウマは恋愛で乗り越えないとと言う先輩に半ば強引に促されて参加することになった。

緊張する。薬を飲まなくては。

拒否しきれなかったと言いつつも、少しの期待に胸は躍っていた。



先輩と後輩と同僚2人、合わせて5人で街へ向かう。

どうやら個人店の個室を借りているらしく、雰囲気は悪くない。お酒が豊富なようで楽しみだ。

すでに男性陣は席についており歓迎された。

緊張して来た、薬が足りなかったかな?


お酒がメインのお店だったが、料理も美味しかった。

男性陣は、まぁ可もなく不可もなくと言ったところだ。大学の頃に経験した合コンよりは落ち着いた雰囲気の男性が揃っている。

斜め前に座っているにこやかなゴリラは私の事を気に入ったようだ。

周りに話を振ったり、他の女の子の話を聞いたりしながらも私にアピールしてくる。


幹事が支払いをし、みんなが帰り支度をしている最中ににこゴリ(にこやかなゴリラ)が話しかけてくる。

「帰りの方向一緒なん?じゃあ帰りもうちょっと話そや。」

まぁいいか。私は頷いた。




今度は2人で近くのバーに入る。

と言っても終電を逃すような事はしたくない。一杯奢らせて帰ろう。


にこゴリとの時間は悪くなかった。

身体がデカいのでゴリラに見えたが、よく見ると愛嬌のある顔をしている。

話も私の話を中心にしてくれる。

帰りの時間も気にしてくれていた。

しかし、女慣れしているところは気をつけねばならないなと思う。


最寄り駅まで送られ、違う電車へ向かう。

「GWどっかあいてる?また遊びにいこ。水族館案内するわ。」

「うん、いいよ。」まぁ、いいか。

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