第3話 7月9日

研修が終わり、配属され3ヶ月が経った。

日々増える新しい仕事や業務後の同期との食事、週末には街に遊びに出る。

大学時代に感じていた、自分の場所がない感覚がここには無かった。

初めて感じる充実した生活は楽しみに満ちていた。


同じアパートという事もあり同期仲も良好だった。独りのアパートに帰るが、隣にも下にも見知った顔がいるのは心強かった。


同じ大学だった石倉くんは地元に残した彼女に会いに月に1度は戻っているそうだ。

私は2度と帰らないが。


同期の中で一番美人の明日花とは週末に買い物に行く予定だ。


オタク趣味のある先輩とは先週公開した映画を見に行く予定だ。


彼との連絡も続いている、仕事は大変そうだが頑張っているようだ。


明日が来るのが待ち遠しい。こんな日が私の人生に来るなんて思っても見なかった。


就職して、地元を出て良かった。

こう思える日が来て本当に良かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る